〔目的〕看護系大学生の自己調整学習方略の実態を捉え、自己調整学習方略とソーシャルサポートならびに時間的展望との関連を明らかにする。
〔方法〕関東圏内の看護系大学6校に所属する学生1,595名を対象とした。自己調整学習方略、基本属性、ソーシャルサポート、時間的展望について質問紙調査を実施した。自己調整学習方略と要因との関連を対応のないt検定または一元配置分散分析(多重比較にはTukey HSD法)を用いて検討した。
〔結果・考察〕回収した有効回答374を分析した。看護系大学生の自己調整学習方略の使用の実態は学生によるばらつきが大きかった。自己調整学習方略とソーシャルサポートとの関連では、情緒的サポート高得点群がその他の群より自己調整学習方略得点が有意に高かった。自己調整学習方略と時間的展望との関連では、時間的展望高群はその他の群より自己調整学習方略得点が有意に高かった。以上のことから、看護学教育における主体的な学習態度の育成方法を検討した。
〔目的〕訪問看護ステーション実習の学生の学びと、学びに関連する要因を明らかにする。
〔方法〕看護学校に在籍し在宅看護論実習を終了した学生に無記名自記式質問紙法で実施した。分析は訪問看護ステーション実習の学びについては因子分析を実施し、学びの各因子と要因については多変量解析を行い関連を検討した。
〔結果〕学びとして【その人らしい暮らし方の理解】、【療養者と家族の望む生活を叶える援助】、【多職種連携での看護師の役割】、【療養者・家族の思いに添った終末期看護】の4因子が抽出され、因子に関連がみられた要因は、療養者・家族の希望と体調に応じた援助の見学、療養者・家族の状態と思いを考慮した調整場面の見学、教員の指導、訪問看護師の指導、実習前の興味関心であった。
〔考察〕療養者・家族の希望と体調に応じた援助場面を見学することで、学生は訪問看護ステーション実習で必要な多くの学びを得ていることが推察された。また、教員が学生の体験を意味づけることによって、学生の学びが深まることが示唆された。