〔目的〕領域別看護学実習の経験を積み重ねていく中で、学生はどのように臨床判断に必要となる思考方法を獲得していくのか、獲得していく過程に影響するものは何かを明らかにする。
〔方法〕4大学において、小児看護学実習を終了した3年次の26名の学生から同意を得て面接調査を行い、M-GTA(Modified Grounded Theory Approach)を使って分析した。
〔結果〕学生は、初期には【既習の枠組みに沿って試行錯誤する】が、【内省を繰り返す】中で、【患者中心の思考へ転換する】。さらに、思考や行動を積み重ね内省を繰り返す経験の中で、【援助を見出す考え方を掴む】、【患者把握のスキルを上げる】、【自分の努力すべき方向が自分でみつけられる】の考え方を獲得し、【内省を繰り返す】ことも含めて【臨床判断の拠り所となる考え方を自分のものにする】。一方で、実習中の学生には【主体的に思考する意欲が下がる】という状況もあった。
〔考察〕学生が経験から思考方法を得るためには、様々な内省の繰り返しが必要である。個々の体験のみならず、一連の体験、複数の実習の体験の振り返りを統合するように内省を活用していくことが、思考方法の獲得につながるため、教員は内省をし続けられるように促すことが必要である。
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