日本看護学教育学会誌
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32 巻, 1-2 号
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原著
  • 山本 麻起子, 松本 智晴, 前田 ひとみ
    原稿種別: 原著
    2022 年32 巻1-2 号 p. 1-12
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー

    〔目的〕看護専門学校教員に対し、自己調整学習理論に基づく、論文講読方略の使用を取り入れた論文講読プログラムを実施し、その効果を明らかにすることを目的とした。

    〔方法〕看護専門学校教員25名を対象に論文講読プログラムを実施し、実施前、実施直後、実施後3ヵ月に論文講読方略、論文講読効力、論文講読数についての質問紙調査を行った。プログラム実施前後の論文講読方略、論文講読効力、論文講読数の比較とパス解析を実施した。

    〔結果〕プログラム実施前よりも実施後の方が、論文講読方略尺度得点、論文講読効力尺度得点、論文講読数は増加していた。実施後には論文講読方略の『理解方略』と『協同的方略』が論文講読効力の『文献検索・論文理解への自信』と『論文講読維持・発展への自信』に影響を及ぼすという関係が示された。

    〔考察〕論文講読方略の使用を取り入れたプログラムは看護専門学校教員の論文講読を促すことが示唆された。

  • 古川 亜衣美, 細田 泰子
    原稿種別: 原著
    2022 年32 巻1-2 号 p. 13-25
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー

    〔目的〕卒後3年未満の新人期看護師がメンターから受けているメンタリング機能について明らかにする。

    〔方法〕メンターがいる新人期看護師17名を対象に、半構成的面接法によりデータを収集し、質的記述的分析を用いてデータを抽象化し抽出した。

    〔結果〕研究協力者の経験年数は卒後1年目4名、2年目7名、3年目6名であった。新人期看護師のメンタリング機能として【模範】、【指導】、【知識獲得の促進】、【助言】、【フィードバック】、【褒賞】、【承認】、【励まし】、【人間関係の調整】、【保護】、【援護】、【融和】、【関心】、【傾聴】、【社会化の促進】の15の機能が抽出された。

    〔考察〕新人期看護師におけるメンタリング機能は、先輩看護師が新人期看護師に関心を寄せ、高度な看護実践の模範を示し、指導することなどであることが具体的に明らかとなった。新人期看護師のこれらのメンタリング機能を十分に発揮できるような、ともに実践する場づくりの必要性が示唆された。

  • 財津 倫子
    原稿種別: 原著
    2022 年32 巻1-2 号 p. 27-38
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー

    〔目的〕看護学生のアタッチメントスタイルと実習適応感の関連を検討し、個人特性に応じた実習場面における指導方法を検討する資料を得ることを目的とした。

    〔方法〕看護大学生149名に対して、看護学生実習適応感尺度、4分類アタッチメントスタイル尺度を用い、質問紙調査を行った。

    〔結果〕約7割の看護学生のアタッチメントスタイルが不安定だった(安定型 28.2%、拒絶型 9.4%、とらわれ型 29.5%、おそれ型 32.9%)。アタッチメントスタイルと看護学生実習適応感との関連として、他者との関わりを前提とした「親和的な居場所感」は、安定型が、拒絶型や恐れ型より有意に高かった。「劣等感のなさ」は、安定型が、拒絶型やとらわれ型や恐れ型よりも有意に高かった。

    〔考察〕不安定なアタッチメントスタイルをもつ学生個々の特性に応じた、実習指導方法・関係性の構築・グループ間の調整などへの配慮が必要であることが示された。

研究報告
  • -効果的な臨地実習に向けた実習指導者と看護教員との継続的な学習会の取り組み-
    奥野 信行, マルティネス 真喜子, 野島 敬祐, 佐野 真樹子, 河原 宣子
    原稿種別: 研究報告
    2022 年32 巻1-2 号 p. 39-54
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー

    〔目的〕よりよい臨地実習について実習指導者と看護教員が共に学び合い、語り合いながら探究する協働学習会に参加した実習指導者の経験と実習指導への影響を明らかにする。

    〔方法〕協働学習会に参加した実習指導者9名を対象にフォーカスグループインタビューを実施し、語りの内容を質的な内容分析の手順に準じて分析した。

    〔結果〕協働学習会に参加した実習指導者の経験は【看護教員との親和的な関係性の醸成】、【看護学生についての理解の拡がり】、【教育学的な視点の獲得】、【自身の実習指導に関する学びの深化】等であり、実習指導への影響は【看護教員とのコミュニケーションの円滑化】、【教育実践への能動的な取り組み】、【実習指導における新たな悩みの発生】等であった。

    〔考察〕協働学習会への参加は、実習指導者と看護教員の相互理解と関係性づくりが促され、実習指導者に学生指導に対する自信をもたらし、効果的な実習指導に向けた主体的な取り組みの促進につながる可能性があることが示唆された。

  • −webシラバス調査から−
    清水 なつ美, 拝田 一真, 石橋 みゆき, 正木 治恵
    原稿種別: 研究報告
    2022 年32 巻1-2 号 p. 55-63
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー

    〔目的〕日本の看護系大学が展開する基礎教育における災害看護教育の現状を明らかにする。

    〔方法〕日本看護系大学評議会会員校277校のうちWeb上で公開されている災害看護学のシラバスの記載内容をデータとし、災害看護学科目設置の有無、対象学年、必修選択を集計した。記載された到達目標はKH Coderを用いテキストマイニングを行った。

    〔結果〕「災害看護学」を科目設置しているのは166校、単位数は1単位、対象学年が4年生が多くをしめていた。目標の達成レベルを示す頻出語は、“説明”と“理解”であった。また、基礎教育の特徴は、共起関係にも表れており、“土台−知識”のJaccard係数が、全体の中で上位にあったことより、“土台”と“知識”の強い結びつきが示された。

    〔結論〕半数以上の大学において災害看護教育を単独科目として設置し、基礎的知識の教授に重きがおかれていることが明らかとなった。

  • 田中 広美
    原稿種別: 研究報告
    2022 年32 巻1-2 号 p. 65-77
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー

    〔目的〕急性期病院に勤務する新卒看護師が直面する職務遂行上の困難と困難を乗り越えるための行動および就業継続にむけた支援のありかたを明らかにする。

    〔方法〕新卒看護師8名を対象に半構成的面接によるデータ収集および質的記述的分析を行った。

    〔結果〕直面する困難として【急性期病院における実践能力の不足】、【自己の行動に抱くネガティブイメージ】、【職務に関連した身体の変調】、【組織内でのコミュニケーションに対する苦手意識】の4カテゴリ、乗り越えるための行動は【困難な状況の解消に向けた行動】、【自身が置かれている状況と折り合いをつける】、【意欲向上につながる状況の受け入れ】の3カテゴリで構成された。

    〔考察〕急性期の看護実践に必要な知識や技術、対人関係の困難などに直面し、その困難を乗り越えるために困難な状況を解消する行動を取る一方で状況と折り合いをつける行動がみられた。急性期病院に勤務する新卒看護師に対して、心理面の安定を図る支援と看護職としての社会化を促進させる支援が必要と考える。

  • -模擬患者との会話内容の分析-
    柏原 寛美, 久米 弥寿子
    原稿種別: 研究報告
    2022 年32 巻1-2 号 p. 79-91
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー

    〔目的〕看護学生の看護計画立案における情報収集段階の言語的コミュニケーション技法の使用状況を明らかにすることを目的する。

    〔方法〕看護系大学4年生の女子の看護学生5名を対象とし、模擬患者とのロールプレイの会話内容を録音し、逐語録から各技法の使用状況を分析した。

    〔結果〕使用された技法全体において関係形成技法の使用は27.3~55.4%、情報収集技法は44.6~72.7%であった。治療的な技法の使用は【受容】や【探索】など限定的であった。非治療的な技法の使用は、話題や学生ごとに特徴的であった。

    〔考察〕情報収集技法が比較的多かったが、情報収集段階であったことにより、模擬患者を理解しようとする学生の関心が窺えた。非治療的な技法が使用されている背景には、学生は自らの気持ちや思考を示すことや情報を整理する思考、会話の意図の明瞭化が不得手であると推測する。事前に情報収集の意図を確認する機会が重要である。

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