日本看護学教育学会誌
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4 巻, 1 号
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総説
原著
  • 村田 恵子, 恵美須 文枝
    原稿種別: 原著
    1994 年 4 巻 1 号 p. 11-18
    発行日: 1994/03/01
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、入院患者のプライバシーニードに関する看護学生の推測度とプライバシー保護に対する態度を明らかにし、併せてこれらと学生の個人特性および学習経験との関連性を検討した。

     研究方法は、2校の看護短期大学の学生185名を対象者として、卒業直前に質問紙調査を実施した。患者のプライバシーニードに関する推測度の測定には8因子57項目からなる5段階のリカート尺度(非常に不愉快~全く不愉快ではない)を用い、プライバシー保護に対する態度は、上記8因子に対応する看護婦の態度・行動への同意の程度を5段階のリカート尺度(非常に賛成~全くそうは思わない)で求めた。また学生の個人特性およびプライバシーに関する学習経験についての情報を収集した。

     データ分折の結果、患者のプライバシーニードに関する学生の推測度は、全体としてプライバシー侵害状況下の患者の気持ちを「かなり不愉快」から「少し不愉快」と推測していた。因子別に見ると、情緒開放の保証、自己領域への侵入排除、身体・行動・人格的弱点の秘匿では不愉快度はより高く、自己情報の秘匿ではより低かった。一方、プライバシー保護に対する態度では、全体としてプライバシーを尊重し保護する看護婦の配慮や行動に「少し賛成」から「大いに賛成」を示したが、推測度と同様に自己情報の開示のみ他より低かった。患者のプライバシーニードに関する推測度においては学生の個人特性-家族等との共同生活の有無により有意差が認められた。またプライバシー保護に対する態度では、プライバシーに関する学習経験の有無により有意差が認められた。

調査研究
  • -看護行動と関連する生活経験と学習をめぐる内容を中心に-
    田島 桂子, 清川 浩美, 野村 志保子, 豊島 由樹子, 江田 純子, 山中 いち, 延近 久子
    原稿種別: 調査研究
    1994 年 4 巻 1 号 p. 19-34
    発行日: 1994/03/01
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル フリー

     本研究は、4年制看護大学入学生の入学以前における看護行動と関連する生活経験、学習の仕方および学習への関心について、その実態を明らかにする目的で行ったものである。研究対象は全国の4年制看護大学入学時の学生で、入学時オリエンテーション等を利用した質問紙による集合調査である。調査内容は食事、衣類、清潔、対人関係、余暇、学習などに関するもので、実施年月日は19934月である。

     その結果、対象校20校(入学生定員数1155名)中15校から774名の回答が得られ、次のようなことが明らかになった。1)日常生活上必要な行動においては大半の学生が経験を持ち、しかも望ましい習慣に基づいて行っているものが多い。2)対人関係においては常識的な範囲でのマナーは心得ており、ボランティア活動などの社会的関わりを経験しているものも多いが、一部には人との関わりが少ないものもいる。3)学習面では、看護についての望ましいイメージと看護職者に必要な能力についてのある程度の望ましい準備性がある。さらに、関心事には、医療の諜題、人間の生活や生物などを挙げ、学習方法としては、自らが積極的に参加できるものや学習内容が拡がるものを期待している。

  • 小山 眞理子, 大島 弓子, 恵美須 文枝, 森田 敏子, 笠原 ケサエ, 江崎 フサ子, 近藤 潤子
    原稿種別: 調査研究
    1994 年 4 巻 1 号 p. 35-50
    発行日: 1994/03/01
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル フリー

    平成2年度カリキュラム改正時における全国の827校の看護基礎教育機関の取り租みについて質問紙による実態調査を実施した。調査内容は、指導要領の使い方、時間数の変化、および判断力、応用力、問題解決力の育成への計画、開始時の問題等であり、262の有効回答を得た。回答を分折し、全体的傾向と教育課程別で検討した結果、以下の結論が得られた。1)大学を除く教育諜程では指導要領にほぼ忠実に作成した学校が多かった。2)旧カリキュラムと比較して、講義・実習時間ともに減少させた教育課程が多く、特に看護学校でこの傾向が高かった。3)時間数の減少に対する取り祖みは、重複を避けるための教育内容の見直しなど前向きな取り祖みが多かったが、ゆとりの時間の解釈には意見の相違がみられた。4)判断力、応用力、問題解決力の育成に対し努力する姿勢で取り粗んだ教育諜程が多く、その計画には知識を統合して状況を判断する教育内容への取り租みが多かった。5)開始時の問題は、教員に関する問題、カリキュラムの運用と内容に関する問題と教育課程特有の問題があった。

資料
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