看護系大学の編入学教育には課題が多いが、その一つに学習者特性の解明がある。
本研究では、編入学教育の検討に資するために、編入学の資格要件を持つ看護者225名を対象に、質問紙法によって学習要求の内容や程度を調査、分折した。
その結果、編入学志望者は37名にとどまり、編入学制度を知らない者が20名に上った。
編入学に興味または志望を抱いていた153名の意識を見ると、社会科学と看護学に対する学習要求が高いが、学習要求の程度は漠然とした関心のレベルである場合が多い。また、学習成果の判断には知識の獲得を基準にしており、看護実践上の能力不足の自覚が学習要求を形成している、などが明らかになった。
このような認識関心にはそれまでの経験の影響が推察され、編入学教育には学習要求の直接的な満足のみならず、「経験の意味づけ」に向けての援助が必要であると考えられる。
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