本研究の目的は、看護学部生の学習意欲とソーシャルサポートの関連性を検討することである。1年生80名を対象にして、平成11年6月の講義終了後に質問紙調査を実施した。学習意欲の測定には、学習動機2要因モデル(市川、1995)を参考に作成した、看護学生の学習意欲測定尺度を用いた。看護学部1年生の学習意欲は、“看護の専門性・自尊志向”、“実用・充実志向”、“看護への興味・関心”の3つの因子構造を持つ。有効回答が得られた77名を分析した結果、以下のことが明らかになった。
(1) 看護学部1年生の他者からのサポートに対する認知は、家族・親戚は「かなり」、大学の仲間や学外の友人は「ふつう」、教師は「少し」サポートしてくれていると感じていた。
(2) 大学の仲間や教師からサポートを得ていると感じている学生ほど、“看護の専門性・自尊志向”が高かった。
(3) 学内の仲間からのサポートに対する認知は、専門的技能の獲得や他者との同調的な動機と、学外の友人からのサポート認知は学歴や給与を期待する動機と、家族・親戚からのサポート認知は自己の内面的成長を求める動機と、教師からのサポート認知は指導力や研究能力を求める動機と関連していた。