日本在宅看護学会誌
Online ISSN : 2760-5019
Print ISSN : 2187-168X
12 巻, 2 号
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巻頭言
原著
  • 菊池 洋子, 古野 貴臣, 藤本 裕二, 藤野 成美
    原稿種別: 原著
    2024 年12 巻2 号 p. 5-14
    発行日: 2024年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:1型糖尿病患児を療育する親のストレス反応に関連する要因を明らかにし、ストレス対処に向けた支援方法について示唆を得る。

    方法:1型糖尿病患児を療育する596家族の両親1192人に対し、無記名自記式質問紙を用いた横断的研究を行った。心理的ストレス反応測定尺度の合計得点を従属変数と性別などの対象者の背景、S-H式レジリエンス検査、自尊感情尺度を独立変数として重回帰分析を行った。

    結果:心理的ストレス反応測定尺度の合計得点の高さに関連した要因は、母親であること、罹病期間が短いこと、S-H式レジリエンス検査の下位因子である社会性が低いこと、自尊感情合計得点が低いことが関連を示した。

    結論:親が円滑に1型糖尿病患児を療育していく上で、母親であることや家庭内での役割にも目を向けること、糖尿病管理に必要な手技や知識の習得の支援、社会的なつながりを維持できるよう働きかけ、成功体験が得られるような肯定的なかかわりが求められる。

  • 池田 良輔子
    原稿種別: 原著
    2024 年12 巻2 号 p. 15-24
    発行日: 2024年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:終末期療養者と家族への初回訪問を基軸とした訪問看護導入期のケアを訪問看護師がどのように織りなすのかを明らかにする。

    方法:訪問看護師6名に非構造的面接を行い、Riessmanのナラティヴ分析に基づいて分析した。

    結果:終末期療養者と家族への初回訪問を基軸とした導入期のケアとして、「終末期療養者を脅かさない距離感と役割に徹し、生活を楽しめる体制をつくる」、「家族を支えつつ、終末期療養者の意向が顕在化するよう整える」など6テーマを抽出した。

    結論:終末期療養者と家族への初回訪問を基軸とした導入期のケアは、時間に限りがあるとの認識を持つ看護師が、ケアへと感情を駆り立てられながらも、終末期療養者と家族の固有の世界を脅かさない距離に徹し、初回訪問でつかみとった終末期療養者像を基盤に、適切なケアを積み重ね、療養者や家族に近づき寄り添おうと織りなしていく看護であった。

研究
  • 中野 康子
    原稿種別: 研究
    2024 年12 巻2 号 p. 25-34
    発行日: 2024年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:卓越した訪問看護師の看護実践を基に、訪問看護事業所の営業時間外における緊急訪問要請のリスクに関する予防策・対応策について分析検討し、それらを明らかにする。

    方法:訪問看護経験年数5年以上の専門看護師・認定看護師10名に、リスク、予防策・対応策について半構造的面接を行った。逐語録を分節化し、類似性、差異性に基づき分析し、カテゴリー化した。

    結果と結論:79コードが抽出され、4大カテゴリーに集約された。訪問看護師は営業時間外における緊急訪問要請に関するリスク予防策として、訪問看護導入時期や平時より医療と生活の視点を統合して『関連情報からリスクを予測する』ことにより、『リスク予防策を行い備える』。そして、利用者が緊急訪問を要する場合は、『いつでも快く緊急訪問する』対応策を積極的に行っていた。加えて、管理者は事業所として『リスク予防の管理体制を整える』ことにより、安全・安心な療養環境を保証していた。

資料
総説
  • 國丸 周平
    原稿種別: 総説
    2024 年12 巻2 号 p. 53-61
    発行日: 2024年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:訪問看護師が取り組んでいる意思決定支援の実践内容を明らかにする。

    方法:国内文献を医中誌Web、メディカルオンライン、CiNii Researchを用いて検索した。検索語を「訪問看護師and意思決定支援」として、該当した論文のなかで訪問看護師による意思決定支援の実践内容が読み取れるものを研究対象とし、実践内容の類似性に従って質的に分析した。

    結果:検索の結果、81件の論文が該当し、11件が研究対象となった。また、意思決定支援として【療養者の身体症状や生活の現状を整える支援】、【療養者と家族の意識を今後に向ける支援】、【療養者の思いや希望について、療養者と家族・支援者が共通の認識をもつための支援】、【選択肢があり、選べることを保証する支援】の4つのカテゴリを抽出した。

    結論:訪問看護師は意思決定支援として、医療に限らず、生活に広くわたって関わることを基盤として、パートナーとしての関係を維持しながらも療養者と家族が自立して生活の在り方を意思決定できるよう支援していた。

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