日本在宅看護学会誌
Online ISSN : 2760-5019
Print ISSN : 2187-168X
12 巻, 1 号
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巻頭言
原著
  • 東海林 美幸, 古瀬 みどり, 小林 淳子
    原稿種別: 原著
    2023 年12 巻1 号 p. 2-11
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:訪問看護師の実習指導上の困難に対する教育支援にあたり、時間的・空間的制約のないICTを活用した在宅看護実習指導支援プログラムを構築し有用性を評価することを目的とする。

    方法:ソーシャルサポートに基づく在宅看護実習指導支援プログラム(以下、支援プログラム)を作成し、訪問看護師の在宅看護実習指導上の困難感に関するベースライン調査、介入後調査をウェブにより実施した。

    結果:訪問看護師は在宅看護実習指導上の困難感を抱えていた。支援プログラム配信後に困難感得点が有意に低下したのは「やる気がない学生への指導」(p=0.019)「いまどきの若者への指導」(p=0.035)だった。支援プログラムは入手者247名から拡散されユーザー数は1,094件と拡大した。

    結論:支援プログラムは、訪問看護師の学生に対する肯定的な理解を促進し困難感を軽減した可能性がある。介入調査では継続使用希望者が7割となり支援プログラムへのニーズが示唆された。

資料
  • 秋場 美紀, 大橋 由基, 浦山 美輪, 尾崎 章子
    原稿種別: 資料
    2023 年12 巻1 号 p. 12-20
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:植込型補助人工心臓(IVAD)実施施設・管理施設(専門施設)外来における在宅療養中のIVAD装着者に対する相談内容を明らかにする。

    方法:一専門施設において、装着者に関する定期受診時・緊急連絡での相談内容を記録したカルテ記述から情報を抽出した。

    結果:装着者27名の同意が得られ、相談件数はのべ147件であった。定期受診時が53件(36%)、緊急連絡による相談が94件(64%)であり、「合併症」に関する相談が93件(63%)と最も多かった。定期受診時の相談では「就労」について、緊急連絡による相談では「在宅機器管理」に関する内容が多い傾向にあった。

    結論:IVAD装着者の在宅療養における相談で最も多かったのは合併症で、定期受診時と緊急連絡時では相談内容が異なった。年単位の心臓移植待機期間を念頭におき、IVAD装着者と家族介護者の生活の変化をとらえ、迅速に対応するためには、専門施設と地域の訪問看護師や薬剤師らとの専門性と個別性の高い支援基盤の整備が必要である。

  • 岩野 千尋, 宇田 優子
    原稿種別: 資料
    2023 年12 巻1 号 p. 21-29
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:新潟県内の訪問看護事業所における豪雪災害への備えの実態と豪雪災害を経験して困ったことおよび豪雪災害対策として訪問看護事業所が望むことを明らかにする。

    方法:2021年5月時点で、新潟県HPのサービス種類別事業所一覧の訪問看護に掲載されていた162か所の訪問看護事業所を対象に自由記述を含む質問紙調査を行った。

    結果:59票の返信のうち57票(有効回答率35.2%)を分析対象とした。「豪雪災害に対応可能な災害対策マニュアルの作成」をしていたのは7施設(12.5%)と少なく、豪雪災害で困ったことは道路の除排雪に起因した内容を中心に5カテゴリーを抽出した。望むことについては道路の整備や要配慮者への支援など6カテゴリーを抽出した。

    結論:新潟県内の訪問看護事業所において豪雪災害対策は十分とは言えず、豪雪に対応可能な災害対策マニュアルの作成と整備は今後の課題である。豪雪災害対策に関する課題について訪問看護事業所だけでの解決は難しく、今後は社会連携を視野に入れた活動の必要性が示唆された。

  • 蘭 直美, 前田 修子, 福田 守良
    原稿種別: 資料
    2023 年12 巻1 号 p. 30-37
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:A大学の在宅看護学実習におけるルーブリックの有用性と自己教育力の関係を明らかにする。

    方法:調査期間は2021年8月~12月。対象は調査実施期間にA大学の在宅看護学実習を履修した3年生42名とした。深山ら(2018)のルーブリックの有用性と西村ら(1995)の自己教育力尺度を調査内容とした無記名自記式質問紙調査を行った。調査項目を記述統計し、「自己教育力の高い群」と「自己教育力の低い群」に分けてルーブリックの有用性に差があるかマン・ホィットニーU検定を行った。

    結果:33名から回収した(回収率78.6%)。「自己教育力の高い群」は、「自己教育力の低い群」と比べてルーブリックの有用性の「指導者とのコミュニケーションがとりやすくなった」が有意に高い結果となった。

    結論:本研究の結果から、ルーブリックが主体的な学習活動を高める可能性が示唆された。

  • 久保 沙紀, 小山 幸代
    原稿種別: 資料
    2023 年12 巻1 号 p. 38-47
    発行日: 2023年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:小規模訪問看護ステーションに勤務する訪問看護経験の浅い看護師の在宅看取りケアに伴う体験を明らかにする。

    方法:A県内の小規模訪問看護ステーションに勤務し訪問看護を始めて3年以内の看護師9名を対象に、半構造化面接を実施し質的記述的に分析した。

    結果:【会話や状況から汲み取れる気持ちを優先する】【その人らしい生き様に触れることに感謝する】【静かに息を引き取る姿は自然でやり切った感があり素敵なことと思う】【看取り後に家族と時間や気持ちを共有することを大事にしたい】【自信が持てないケアでもなんとか対応する】【事例を重ねるとある程度想定して対応できる】【独特な負担もあるが次に向けて切り替える】【相談相手の対応次第で受け止め方が左右される】【人となりが分からないままの看取りはこれからも続く】という体験が明らかになった。

    結論:本研究結果は、小規模訪問看護ステーションに勤務し在宅看取りケアに従事する本研究参加者と同様の特性を持つ看護師への支援を検討する際に活用可能である。

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