日本在宅看護学会誌
Online ISSN : 2760-5019
Print ISSN : 2187-168X
13 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
巻頭言
原著
  • 矢出 装子, 前馬 理恵
    原稿種別: 原著
    2024 年13 巻1 号 p. 2-11
    発行日: 2024年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:訪問看護師における他機関・他職種との関係と職業継続意思との関連を明らかにすることを目的とした。

    方法:対象者は、A県内の全139訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師390名(有効回答率57.1%)であった。職業継続意思は、「絶対続けたくない」を0点、「絶対続けたい」を10点として尋ねた。他機関・他職種との関係の評価には、「在宅医療介護従事者における顔の見える関係評価尺度」や「新職業性ストレス評価尺度」を用い、つながりの程度や受けられる支援を調査した。各調査項目の点数を独立変数とし、職業継続意思の点数を従属変数として、単回帰分析、重回帰分析を行った。

    結果:職業継続意思の平均点は7.5点、標準偏差は2.0点であった。職業継続意思には、「地域の他職種の方と会ったり話し合う機会がある」「地域の相談できるネットワークがある」「他機関・他職種のサポート」が関連していた。

    結論:他機関・他職種との関係は職業継続意思に関連する重要な要因の一つである。

資料
  • 森 京子, 古川 智恵
    原稿種別: 資料
    2024 年13 巻1 号 p. 12-19
    発行日: 2024年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:がん終末期療養者を看取った経験がある訪問看護師が有効だと考える振り返りとは何かを明らかにし、在宅でがん終末期療養者の看取りに関わる訪問看護師が現実的に参加可能な振り返りの機会について示唆を得る。

    方法:在宅でがん終末期療養者の看取りを経験したことがある訪問看護師9名に半構造化面接を行い、質的帰納的に分析した。

    結果:訪問看護師が有効だと考える在宅でがん終末期療養者を看取った際の振り返りとして、【実践した看取りに対する承認と示唆が得られる】【通常の訪問計画に支障がない】【利害関係がない】【ネットワークづくりにつながる】の4カテゴリが抽出された。

    結論:がん終末期療養者の看取りに関わる訪問看護師が現実的に参加可能な振り返りの機会では【実践した看取りに対する承認と示唆が得られる】ことが求められる。また、その実施においては【通常の訪問計画に支障がない】ことが挙げられ、参加において【利害関係がない】ことや【ネットワークづくりにつながる】ことが望まれていることが示された。

  • 久保川 真由美, 増野 章子, 柿沼 秀子
    原稿種別: 資料
    2024 年13 巻1 号 p. 20-28
    発行日: 2024年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:臓器不全を抱えるひとり暮らし高齢者の在宅看取り過程における専門職の認識とかかわりについて明らかにし、現状と課題を検討する。

    方法:4専門職種14名の半構成的面接・質問紙調査を実施し、質的帰納的分析を行った。

    結果:【小康期疾病を抱えながら限りの力で在宅ひとり暮らしを生きた高齢者】【終末期の苦痛を一身に背負いながらひとり暮らしを生きた高齢者】【高齢者の強い在宅看取り希望意思】【在宅看取りの本人意思決定を支え家族・親族の見守りを推進する専門職】【在宅看取りを叶えるマネジメント】【状態悪化に応じ専門職役割を適切に遂行し連携しながら在宅生活援助】【在宅看取りがもたらした家族再生】【多職種で看取れた本人らしい安寧な死】【多職種連携で拓くひとり暮らし在宅看取りの新地平】の9カテゴリーが抽出された。

    結論:高齢者の意思を中核とし、多職種連携を礎にした役割遂行で安寧な在宅看取りが達成でき、家族・専門職に充実感を与えていたが、制度的な課題整備の必要性も示された。

  • 山田 咲恵, 照井 レナ
    原稿種別: 資料
    2024 年13 巻1 号 p. 29-40
    発行日: 2024年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:本研究の目的は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の急性増悪後を生きる体験を明らかにすることである。

    方法:急性増悪後、自宅に退院したCOPD患者5名に非構成面接を実施し現象学的な手法を参考に質的記述的に分析を行った。

    結果:COPD患者の急性増悪後を生きる体験として【息苦しさが身体の一部になる】【身体の声を聴き身をゆだねる】【過去への後悔から生活を立て直す】【今の生活を維持するための継続的な努力】【あたりまえの生活を送れるありがたさ】【命の限りを意識しても生きる希望を持つ】【持てる能力を発揮し病とともに生きる】の7つテーマが抽出された。

    結論:COPD患者は呼吸機能の低下により死を覚悟していたが、過去の生活を振り返り自身の生き方を変容させてでも生き抜こうと、主体性をもって生活していることが明らかになった。患者の全人的な理解と支援には、身体症状だけではなく過去の生活体験にも目を向ける必要があると示唆された。

  • 藤川 裕子
    原稿種別: 資料
    2024 年13 巻1 号 p. 41-50
    発行日: 2024年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:訪問看護実践能力の高い訪問看護師の人材育成に必要な訪問看護師On-The-Job TrainingレベルⅣの教育評価項目に対する訪問看護師の認識に関連する因子を探る。

    方法:訪問看護事業所の訪問看護師を対象に自記式無記名式質問紙法を用いた量的横断研究を実施し情報を得た後、単純集計、Mann-WhitneyのU検定を行った。

    結果:244名の分析対象者の教育評価項目に対する認識には、訪問看護師の基本属性や事業所の規模や教育現状が影響し、入職時の教育者による教育、入職時マニュアルの使用、養成研修受講の勧め、養成研修の受講といった教育環境因子が特に多く関連した。

    結論:教育環境因子は、訪問看護実践能力の高い訪問看護師の人材育成に必要なOJTレベルⅣの教育評価項目に対する訪問看護師の認識を高めることに影響する重要な因子であることが明らかとなった。

  • 作山 美智子
    原稿種別: 資料
    2024 年13 巻1 号 p. 51-61
    発行日: 2024年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:訪問看護師と訪問介護員の療養者に対するコミュニケーションに関して、両者の間にどのような違いがあるのか、他職種のコミュニケーションについてどのように認識しているのかについて検討する。

    方法:療養者に対するコミュニケーションのあり方(どのようなことを聞き、どのようなことを伝え、どのような態度で接しているのか)を尋ねる質問紙を用い、訪問看護師108名と訪問介護員55名を対象に、自己評価と他職種評価を求めた。

    結果:訪問看護師は訪問介護員に比べておおむね自己評価が高かった。他職種に対する評価では、訪問看護師は訪問介護員に対して、当該職種が評価している以上に図っていると認識していたが、訪問介護員は訪問看護師に対しては低い評価の認識だった。

    結論:訪問介護員に関して、訪問看護師(他職種)評価は、療養者に対して積極的にコミュニケーションを図っていると認識している。相互の他職種のコミュニケーションに対する認識の差異が認められる。

feedback
Top