日本在宅看護学会誌
Online ISSN : 2760-5019
Print ISSN : 2187-168X
5 巻, 2 号
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巻頭言
集会長講演
原著
  • 戸村 ひかり, 永田 智子, 清水 準一
    原稿種別: 原著
    2017 年5 巻2 号 p. 26-35
    発行日: 2017年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:全国調査により、病院における退院支援の実践状況を把握し、退院支援に関するシステム整備に関連する要因を明らかにする。

    方法:全国の100床以上の病院2600か所の看護部長あるいは退院支援に関与する職員に対し2012年11月に質問紙調査を実施した。

    結果:831病院を分析対象(有効回答率32.0%)とした。退院支援部署は約8割の病院が設置し、退院支援看護師(DPN)は約6割が配置していた。病院の退院支援に関するシステム整備の状況については、退院支援が必要な患者を特定するスクリーニング票の開発や、退院支援の手順を記したガイドラインの開発などの実施率が高かったが、病院内の看護師への教育に関する項目は実施率が低かった。また、ロジスティック回帰分析の結果、システム整備に関する多くの項目で「DPNの配置がある」ことが有意に関連していた。

    結論:本研究の結果は、各病院が退院支援の実施体制の整備・見直しをする際に利用できると考える。

研究
  • 山根 友絵, 蒔田 寛子, 山本 三樹雄
    原稿種別: 研究
    2017 年5 巻2 号 p. 36-43
    発行日: 2017年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    [目的]本研究の目的は、一人暮らし要介護高齢者を別居で介護する家族介護者の介護の現状を明らかにすることである。

    [方法]要介護認定を受けた65歳以上の一人暮らし高齢者を別居で介護する家族介護者4名を対象に、個別に半構造的面接を実施した。得られたデータから逐語録を作成し、別居介護の状況が語られている部分を抜き出してコード化し、抽象度を上げてカテゴリー化した。

    [結果]一人暮らし要介護高齢者を別居で介護する家族介護者の介護生活継続の様相は、「実施している介護の内容」「介護継続に伴う介護者自身の変化」「介護者自身の変化の背景」「介護継続のための対処」の要素で構成された。

    [結論]別居での介護は、訪問して直接介護ができる時間が限られるなどの特徴があり、介護者は別居での介護を継続するために様々な対処を行っていた。そのため、家族介護者の負担増大に配慮しながら支援を行っていく必要があると考えられた。

資料
  • 金子 智絵, 尾崎 章子, 齋藤 美華, 西崎 未和
    原稿種別: 資料
    2017 年5 巻2 号 p. 44-52
    発行日: 2017年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:認知症高齢者の家族介護者の性別による介護経験の差異に着目し、国内文献における男性介護者、女性介護者の介護経験を整理し、明らかにすることにより、介護者の男女差を考慮した支援を検討する資料を得ることを目的とした。

    方法:2000年1月~2015年3月に発表された国内文献を対象に医学中央雑誌を用いて検索し得られた論文14件を対象とした。文献中の記述から、男性の介護経験、女性の介護経験の各々を抽出し、質的に分析した。

    結果:認知症高齢者の男性介護者の介護経験は、≪これまでとは異なる状況に困惑する≫≪責任感、感謝、愛情、自分でやるしかない状況から介護を決意する≫≪在宅介護を継続できる見通しを保持する≫≪サポートを得て、経験を社会に活かす≫≪心中を考えるまで追い込まれる≫≪自分にとっての介護の意味を見出す≫のカテゴリーに分類された。一方、女性介護者の介護経験は、≪自身の立場と社会規範を思慮し、介護を引き受ける≫≪被介護者との関係性の再構築を迫られる≫≪介護を続けることに困難を感じる≫≪理解してくれる人の存在が介護を継続させる≫≪被介護者への見方や介護への考え方を切り替える≫≪自分を中心とした介護に変えていく≫のカテゴリーに分類された。

    結論:認知症高齢者に対する介護経験は、介護者の性別によって、介護を引き受ける経緯、介護に向き合う態度や行動、介護に対する意味づけに違いがみられた。

  • 渡邉 和美, 大竹 まり子, 小林 淳子
    原稿種別: 資料
    2017 年5 巻2 号 p. 53-59
    発行日: 2017年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    【目的】国内で報告された終末期がん患者の呼吸困難に関する看護研究について検討し、研究の動向や効果的な看護実践、研究課題を明らかにする。

    【方法】医学中央雑誌Web版をデータベースとし、キーワードはがん、呼吸困難、終末期、を用いて発行年数を限定せずに収集した和文献について検討した。

    【結果】 対象文献は量的研究5件、質的研究3件、事例報告2件の計10件で、2006年以降の論文が9件を占めた。効果的な看護実践として、顔に送風する支援、オリーブ油浣腸による排便コントロール、認定看護師の看護実践と教育活動、フットリフレクソロジーが報告されていた。

    【結論】終末期がん患者の呼吸困難に関する看護研究数は総じて少ない。呼吸困難を緩和する看護介入方法を確立するためには、実証的な研究を積み重ねることが必要である。

  • 横山 まどか, 上田 泉
    原稿種別: 資料
    2017 年5 巻2 号 p. 60-69
    発行日: 2017年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:在宅看護分野の教科書の清潔援助に関する記述内容を分析し、在宅看護における清潔援助の特徴を明らかにすること。

    方法:在宅看護分野の教科書で清潔援助の記述がある16冊を選定し、清潔援助に関する記述内容についてベレルソンの内容分析の手法を参考に分析した。

    結果:在宅看護における清潔援助の特徴は、①〈療養者の状態〉〈医学的な情報〉に加えて〈住環境〉〈家族の状態〉〈社会資源〉の把握、②療養者の〈生理的・身体的意義〉および〈精神的意義〉に加えて〈社会的意義〉や〈家族の精神的意義〉があること、③〈清潔援助方法と物品の判断・選択〉および〈社会資源の利用の検討〉のために、様々な〈情報の統合〉、④療養者と家族の状況に応じた〈多職種連携〉、住環境の〈環境整備〉、経済状況を考慮した〈物品の工夫〉、家族が清潔援助をする場合の〈家族への説明〉であった。

    結論:学生の学びを深めるためには、特徴を踏まえた教材および教授方法の工夫が必要であることが示唆された。

  • 石村 珠美, 江原 美智子
    原稿種別: 資料
    2017 年5 巻2 号 p. 70-78
    発行日: 2017年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:在宅看護概論の単元「在宅ケアを支える制度と社会資源」に焦点を当てた学生の学びを明らかにし、教授方法の示唆を得ることを目的とした

    方法: 紙上事例を用い、グループ学習と発表という主体的な学習を体験した学生の授業自己評価を単純集計した。また、レポートから学びの記述内容をコード化し、意味内容の類似性に沿って分類したものをサブカテゴリー・カテゴリー化し分析した。

    結果:授業への参加態度や社会資源と制度の理解度についての自己評価では、79~87%の高い結果が得られた。紙上事例の状態に応じた学びの記述から、【学生の認知】【看護師などの役割】【制度の意義】【制度活用の実態】【制度の充実】の5カテゴリー、また、看護師・看護学生としての学びの活用については【今後の学習】【対象・家族への支援】【指導・助言】の3カテゴリーが抽出された。

    結論:紙上事例を用いた、グループ学習と発表という一連の教授方法は、理解が困難とされていた単元において、疑問が具体的になり一層の学習意欲を喚起した学生の学びが明らかになった。

  • 佐藤 千津代, 富田 真佐子, 渡部 光恵
    原稿種別: 資料
    2017 年5 巻2 号 p. 79-87
    発行日: 2017年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究の目的は、現任訪問看護師や施設看護師に対し、大学の学習環境を活用した訪問看護技術を強化するための研修を実施し、受講直後と受講後の訪問看護実践への効果を評価することである。

    【方法】A県の訪問看護師等32名を対象に、大学の学習環境を活用した「訪問看護技術研修」を3回実施し、研修受講直後と受講後1~3か月に研修の評価について質問紙調査を実施した。

    【結果】受講直後の研修評価は高く、30名が技術研修の内容に満足できたと答えた。研修受講後1~3か月の評価については、19名から回答を得、学んだ技術を実践できる機会がある者については全員が「演習は役に立っている」「よりよく実践できるようになった」と回答した。

    【結論】技術研修が実践に役立っていることが示され、日頃から実践する機会のある者にとってはさらにより良い実践に役立っていることが示された。都市部での研修は距離的にも時間的にも受講が困難な地方都市の訪問看護師にとっては、学習環境が整った大学での研修が役立つことが示された。

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