日本在宅看護学会誌
Online ISSN : 2760-5019
Print ISSN : 2187-168X
6 巻, 2 号
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巻頭言
集会長講演
原著
  • 原口 道子, 中山 優季, 松田 千春, 村田 加奈子, 板垣 ゆみ, 小倉 朗子
    原稿種別: 原著
    2018 年6 巻2 号 p. 35-44
    発行日: 2018年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:在宅医療を要する療養者の支援における看護職と介護職の連携の実施状況を測る指標を開発し、信頼性・妥当性を検討する。

    方法:看護職と介護職の連携に関する項目(46項目)の実施状況について、訪問看護師・訪問介護職員を対象に質問紙調査を実施し、項目分析および信頼性・妥当性の検討をした。

    結果:201名(看護職125名、介護職76名)の回答による探索的因子分析の結果、19 項目4因子構造(累積寄与率56.75%)を採択した。抽出した因子は、 【第Ⅰ因子:関係構築】【第Ⅱ因子:協働実施】【第Ⅲ因子:危機管理】【第Ⅳ因子:運営】であった。全項目のCronbachα信頼係数は0.912、下位尺度は0.812から0.878であり、内的整合性を確認した。

    結論:本指標は、看護職と介護職の連携について両職種が同一項目で測定する尺度であり、連携の推進・適正な評価への活用を期待する。

  • 中野 康子, 川村 佐和子
    原稿種別: 原著
    2018 年6 巻2 号 p. 45-55
    発行日: 2018年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    【目的】訪問看護師が緊急電話受信時に行う看護判断について調査・分析し、プロセスを明確にする。

    【方法】研究デザイン:質的記述的研究法。研究協力者:訪問看護経験年数5年以上の専門看護師、認定看護師計14名。調査方法:モデル場面における看護判断を半構造的面接法で調査した。分析方法:逐語録を文節化し、類似性および差異性に基づきカテゴリー化し、時系列にそって系統化した。倫理的配慮:所属大学倫理委員会の承認を受けた。公開すべき利益相反関係はない。

    【結果と結論】文節35,985が抽出され8大カテゴリーに集約され、プロセスは『平時からリスク管理を行う』『電話通報から療養者の健康情報を収集する』『介護者による通報情報は客観性に欠ける情報や不足情報がある』『介護者による通報情報の客観性を高め、不足情報を補う』『介護者以外から情報を収集する』『情報収集の視点』『収集した情報の内容』『生命の危険性を最優先し安全第一に判断する』であった。「平時からリスク管理をしている」「客観性に乏しく不十分な情報を補完している」「生命の危険性を最優先し安全第一に判断している」点に特徴がみられた。

研究
  • 春名 誠美, 福原 隆子
    原稿種別: 研究
    2018 年6 巻2 号 p. 56-64
    発行日: 2018年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    [目的]仕事と介護の両立を継続してきた就労介護者に焦点を当て、仕事と介護の両立体験を探り、介護者支援の示唆を得ることである。

    [方法]要介護者を就労しながら介護する主介護者、またはその介護体験を持つ介護者7人を対象に、半構造化面接を行った。分析は修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づき行った。

    [結果]介護者は、<仕事を続けることへの迷い>を繰り返しながらも、【仕事の効果】を大きな支えとして【介護力の導入と活用】【周りの共感と支持】によって両立を可能とする環境を整え、両立を継続した。介護者は、様々な問題に直面し乗り越えてきたこれまでの体験を振り返り、【介護から得たもの】として、介護は<自己成長の糧>であり<体験から導きだした自分なりの介護観><全うしたい思い>が培われたと、介護を肯定的に受け止め価値を見出していた。そして、<自分のために使う時間>を大切にしてこれからの人生をより充実させていきたいと前向きな思いを抱いていた。

    [結論]介護者の両立体験は、【仕事の効用】を最大の強みとして、介護者としてまた人間として成長を遂げていくプロセスとして捉えられた。介護者個々の主観的な思いを継時的に丁寧に把握しながら、介護者の成長につながる支援の在り方を検討していくことの大切さが示唆された。

  • 森 京子, 古川 智恵
    原稿種別: 研究
    2018 年6 巻2 号 p. 65-74
    発行日: 2018年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    [目的]在宅緩和ケアへの移行において終末期がん患者と家族が体験した困難と安心して移行するために有効であった看護師の援助を明らかにし、終末期がん患者と家族が安心して在宅緩和ケアへの移行を実現するための退院支援について検討する。

    [方法] 退院支援を受けて在宅緩和ケアへ移行した終末期がん患者とその家族4組8名に半構造化面接を行い、Krippendorffの内容分析の手法を用いて分析した。

    [結果]在宅緩和ケアへの移行において終末期がん患者と家族は、【見捨てられた・追い出されたと感じる医療者の態度】、【患者・家族共に考える余裕がない】等の困難を体験していた。また、在宅緩和ケアへの移行において、【受け入れ体制の保証】、【状況に応じて看護師が代行して手配する】等の看護師の援助が有効であった。

    [結論]患者・家族に追い出された・見捨てられたと感じさせない保証体制や病状の変化を見通した支援体制の調整等が終末期がん患者と家族が安心して在宅緩和ケアへの移行を実現することにつながると考えられた。

  • 片岡 雅美, 富田 真佐子, 林 みつる
    原稿種別: 研究
    2018 年6 巻2 号 p. 75-82
    発行日: 2018年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    【目的】在宅脊髄損傷者のQOLの向上をめざす看護支援を考察するために在宅看護実践の実態および看護実践と自己評価の関連について明らかにする。

    【方法】A県内79訪問看護ステーションの訪問看護師を対象に質問紙調査を行った。

    【結果】分析対象は25名、10年以上の経験者が12名(48%)であった。訪問看護師が考える在宅脊髄損傷者の看護支援ニーズと看護実践の比較から、身体ケアは実施していたが家族支援や社会支援のニーズが十分に満たされていない可能性が示された。「問題解決に向けて話し合う」や「介護の方法を提案する」などの看護実践は、訪問看護師の看護実践の達成感と強い関連性が示された。精神的ケアを行うことによって訪問看護師の自己評価が高まり充実感を持つことが明らかになった。

    【結論】脊髄損傷患者と家族のQOLの向上に貢献するためには、身体的ケアだけではなく精神的ケアや家族支援、自立に向けた社会的支援が求められており、それらの実践が訪問看護師の達成感などの自己評価を高める傾向がある。

資料
  • 石井 春美, 大竹 まり子, 小林 淳子
    原稿種別: 資料
    2018 年6 巻2 号 p. 83-91
    発行日: 2018年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    〔目的〕暴力対策への示唆を得るために、これまで報告された訪問看護師に対する暴力の実態と対策を明らかにする。

    〔方法〕年代を指定せずに、医学中央雑誌web版をデータベースとしキーワード訪問看護and暴力で検索した論文に、雪だるま式検索で論文を追加した。

    〔結果〕文献11件を分析対象とした。その内9件は精神科患者からの暴力であった。被暴力体験率は4件に記載があり13.8%から47%であった。暴力対策は4件に記載があり、20項目が抽出された。2006年に日本看護協会が示した暴力対策指針と照合した結果、「関係機関との連携」、「他職種との協働」、「複数名訪問」は訪問看護独自の対策だった。

    〔結論〕対象文献が少なく、暴力は顕在化していないと考える。訪問看護独自の対策を検討する必要がある。

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