日本在宅看護学会誌
Online ISSN : 2760-5019
Print ISSN : 2187-168X
8 巻, 1 号
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巻頭言
原著
  • 柿沼 直美, 本田 彰子, 神山 吉輝, 内堀 真弓, 山﨑 智子
    原稿種別: 原著
    2019 年8 巻1 号 p. 2-10
    発行日: 2019年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:訪問看護ステーションにおけるリフレクション志向型カンファレンスの学習指標を開発することである。

    方法:カンファレンスでの発言内容、面接内容から因子探索的に学習指標項目を抽出し、原案を作成し、それを用いて訪問看護師に対する実施状況調査を行い、学習指標の信頼性・妥当性を検証した。

    結果:学習指標原案の作成では、2因子20項目からなる質問項目の学習指標が完成した。抽出した因子は、【第1因子:カンファレンス中、気がかりを解きほぐす】【第2因子:カンファレンス前、気がかりに気づく】であった。リフレクション自己評価尺度 との相関が確認できた。

    結論:訪問看護提供時に学習すべき課題に繋がる【気がかりに気づき】、その後のカンファレンスでは、【気がかりを解きほぐし】て、共有することでリフレクションが促進され、次の訪問看護実践時の課題解決になると期待され、個々の訪問看護の質向上に繋がると考えられる。

研究
  • 渡部 光恵, 武田 道子
    原稿種別: 研究
    2019 年8 巻1 号 p. 11-19
    発行日: 2019年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:新任期の訪問看護師が訪問看護の業務特性による職務上の困難感にどのような対処をしたのか、さらに職務上の困難感と対処方法の関連について明らかにすることを目的とした。

    方法:病院等の勤務経験があり、訪問看護経験2年以内の新任期を想起することが可能と考えた訪問看護経験5年以内の訪問看護師を対象とし、無記名自記式質問紙調査を実施した。

    結果:職務上の困難感は、「多種多様な利用者への個別性の高い看護」が最も多く、職務上の困難感と正の相関が認められた対処方法は、「同行訪問で先輩看護師を見習う」、「未経験の看護について先輩看護師の指導を受ける」、「ひとりで判断が困難なとき相談する」、「実施した看護について報告し評価を受ける」、および「コミュニケーション方法を学ぶ」であった。「同行訪問で先輩看護師を見習う」という対処方法は、職務上の困難感3項目と相関が認められた。

    結論:先輩看護師との同行訪問は新任期の訪問看護師の職務上の困難感を軽減する対処方法として効果的であると示唆された。

  • 石村 珠美, 室田 ちひろ
    原稿種別: 研究
    2019 年8 巻1 号 p. 20-30
    発行日: 2019年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:本研究の目的は、在宅看護実習ではじめて学生の受け持ちを経験した重症心身障害児を療育する母親の思いを明らかにすることである。

    方法:対象となる母親1名に非統制的なインタビューを行った。分析はGlaserによるグラウンデッド・セオリー法を参考に行った。

    結果: 継続的比較分析法により核概念としての【療育を伝える使命感】が創発された。【療育を伝える使命感】とは、元々活動的であった母親自身が、継続的に関わった看護学生との体験を通し生じた思いを特性として、重症心身障害児を療育する自分自身や現状への思いに影響し芽生えた、母親の強い思いや行動を支持する概念である。核概念を構成する下位概念は、〔重度の子をもつ私〕〔現状や悩みを伝えたい〕〔私を伝えたい〕〔未来の看護師への希望〕〔感謝と喜び〕であった。

    結論:母親は、学生との継続した関わりを通して、生産的社会活動の実感や社会的役割への達成感が得られ、【療育を伝える使命感】を発揮する経験をしていた。

  • 金子 紗矢香, 西崎 未和, 田口(袴田) 理恵
    原稿種別: 研究
    2019 年8 巻1 号 p. 31-39
    発行日: 2019年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:訪問看護師による気管切開下陽圧換気療法(TPPV)を行うALS療養者の意向を捉えるためのかかわりについて明らかにすることを目的とした。

    方法:訪問看護師5名に半構造的面接を実施し、受け持ちのTPPVを行うALS療養者の意向を捉えるためのかかわりについて話を聞き、質的帰納的分析を行った。

    結果:訪問看護師によるTPPVを行うALS療養者の意向を捉えるためのかかわりとして、【観察を通して合図を読み取る】、【特徴や状況に応じたコミュニケーション方法を選択する】、【伝える労力を軽減させる】、【第三者から情報を得る】、【本人の意向を慎重に確認する】、【意向を読み取れない時の判断の拠り所を持つ】が挙げられた。

    結論: TPPVを行うALS療養者の意向を捉えるため、意図的な合図以外でも療養者の伝えていることを察知すること、療養者の状態に応じた配慮、自分の思い込みをなくし相手の意向に近づけることの必要性が示唆された。

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