日本在宅看護学会誌
Online ISSN : 2760-5019
Print ISSN : 2187-168X
8 巻, 2 号
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巻頭言
集会長講演
原著
  • 佐藤 直子, 岡田 理沙, 小瀬 文彰
    原稿種別: 原著
    2020 年8 巻2 号 p. 13-21
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:新卒訪問看護師のプリセプターが感じている困難について記述し、新卒訪問看護師のプリセプターの支援について考察する。

    方法:新卒訪問看護師のプリセプターを経験した訪問看護師3名を対象に半構造的インタビューを行った。インタビューで語られた困難を抽出し、類型化した質的記述的研究である。

    結果:訪問看護のプリセプターの困難として8のカテゴリ、2つのコアカテゴリが抽出された。コアカテゴリは〈周囲は遠巻きで、自分一人でなんとかするしかない〉〈育成の目標や方法が不明確で手探りで行うしかない〉であった。

    結論:プリセプターは、孤独を感じながら、管理者や同僚に協力を求めることがあまりできずに、自分一人で何とかするしかないと孤軍奮闘していた。また、育成の目標や方法が不明確であるため、手探りでプリセプターの役割を遂行しようとしていた。訪問看護事業所はそれぞれの人材育成計画を作り、適切なサポートを管理者や同僚が行うことで、プリセプターとプリセプティ双方が事業所に定着し続けることを目指す必要がある。

研究
  • 池田 良輔子, 福井 小紀子
    原稿種別: 研究
    2020 年8 巻2 号 p. 22-31
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:終末期高齢者を自宅で看取った家族への訪問看護師の支援を記述することである。

    方法:都内の機能強化型訪問看護ステーションの訪問看護師6名に半構成的面接をし、質的記述的に分析した。

    結果:家族支援として≪余力を保持させる≫、≪いつもの生活を続けることの価値を伝える≫、≪看取り力を育む≫、≪共に終末期高齢者の「生ききる力」を支える≫、≪看取りを糧として残す≫が抽出された。

    結論:終末期高齢者を自宅で看取った家族への訪問看護師の支援は、家族が持てる力を発揮できるよう家族の余力を保持させることを土台に、いつもの生活を続けることの価値を伝えながら、看取り力を育み、死の肯定的な捉え方を加味することで家族が終末期高齢者の生ききる力を最期まで支えるようにすること、及び伴走者として看取り経験を言語化し、糧として残すことであると考えられた。

  • 堀井 利江, 永井 眞由美, 宗正 みゆき
    原稿種別: 研究
    2020 年8 巻2 号 p. 32-40
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:高齢介護者の中には、加齢や介護により社会的孤立(以下、孤立)状況にある人が存在する、訪問看護師は介護者の孤立を予防していく必要があるが、支援内容について十分に明らかでない、本研究では、高齢介護者の孤立予防の経験をもつ訪問看護師の支援内容を明らかにする。

    方法:高齢介護者の孤立予防の経験をもつ訪問看護師20名を対象に、半構成的面接調査を行い、質的帰納的に分析した。

    結果:孤立予防における支援内容は、介護者個人に対して、【介護者の身体・心理・社会的状況を把握する】、【介護者の対人関係への態度や能力を把握する】、【孤立の兆候を察知する】、【孤立の要因を見極め予防的に関わる】、【介護者のエンパワメントをうながす】、【社会参加と生きがいづくりを支える】、【介護者の孤立の危険性を予測し予防する】、家族に対して、【家族の支援関係を支える】、関係職種や地域に対して、【孤立予防支援のネットワークづくりを行う】ことであった。

    結論:訪問看護師は、介護者のエンパワメントをうながし、社会参加や生きがいづくりを支え、家族や関係機関と連携して孤立予防の支援を行っていた。

  • 関 睦美, 吉川 峰子
    原稿種別: 研究
    2020 年8 巻2 号 p. 41-50
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:A短期大学の在宅看護論実習における、退院支援部門での学びの場面と、支援の具体的方法の学びは何であるかを明らかにし、今後の実習指導での示唆を得る。

    方法:退院支援部門で実習を行った、看護学生58名を対象とした。研究参加への同意が得られた対象者のレポート内容をデータとし、質的帰納的分析方法を用いた。

    結果:研究同意者は56名(96.6%)であった。退院支援部門で学びが得られた場面は、入院直後の患者、家族との面談から退院までの11場面であった。また、支援の具体的方法の学びは、【患者の思いを引き出し意向に沿う努力を行う】、【家族の思いが表出でき患者と家族の思いが一致できるよう支える】等の10カテゴリであった。

    結論:退院支援部門で得られる支援の学びは、入院中から退院後まで、退院支援スタッフが患者と家族を支え、退院後の生活を見据え、多職種で連携しながら支えている実践であり、支援の具体的方法が明らかになった。

  • 岡田 理沙
    原稿種別: 研究
    2020 年8 巻2 号 p. 51-59
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー
  • 藤澤 真沙子, 富田 真佐子, 村田 加奈子, 野島 あけみ
    原稿種別: 研究
    2020 年8 巻2 号 p. 60-69
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:在宅ホスピスケアを推進している訪問看護ステーションを利用した終末期がん療養者の在宅看取りに関連する要因を後方視的に探索する。

    方法:対象は2013年4月~2017年3月に複数の訪問看護ステーションを運営している事業所を利用した終末期がん療養者の電子看護記録とした。予測した在宅看取りの関連要因からχ²検定にて有意な関連項目を抽出後、多重ロジスティック回帰分析を行った。

    結果:対象者は344名、在宅看取りは81.1%であった。χ²検定では高齢、ADLの移動・食事・排泄・入浴・着替え・整容で介助が必要、おむつの使用、訪問診療の導入、住まいが一戸建・持ち家、在宅看取りの希望が抽出された。多重ロジスティック回帰分析の結果、在宅看取りの希望がある(オッズ比11.9)、おむつを使用している(0.4)、住まいが一戸建て(5.3)が在宅看取りの割合が有意に高かった。

    結論:在宅看取りに関連する3つの要因が示唆された。

  • 古野 貴臣, 藤野 成美, 藤本 裕二, 鎌田 ゆき
    原稿種別: 研究
    2020 年8 巻2 号 p. 70-78
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー
資料
  • 須田 彩佳, 河口 てる子
    原稿種別: 資料
    2020 年8 巻2 号 p. 79-86
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:訪問看護師の利用者や家族へ心理的な距離を近く感じ心を寄せる「利用者・家族への親近感」、看護専門職として冷静かつ客観的な視点でケアする「専門職としての客観性」の2つの独立した一次元下位尺度で構成される訪問看護師の「2.5人称の立ち位置」の尺度化を試みることを本研究の目的とした。

    方法:訪問看護師341名に「2.5人称の立ち位置」の「利用者・家族への親近感」下位尺度16項目、「専門職としての客観性」下位尺度6項目をinitial scaleとして無記名自記式質問紙調査を実施し、項目分析、一次元尺度作成のための主成分分析、下位尺度間相関係数の分析を行った。

    結果:255名(回収率74.8%)の回答を得た。主成分分析し「客観性下位尺度」は第1主成分6項目と増減なし、I-T相関分析ではr=.908~.939であった。「親近感下位尺度」第1主成分は、16項目から5項目が抽出され、I-T相関分析では、抽出5項目でr=.807~.915であった。信頼性は、「専門職としての客観性」下位尺度6項目でα=.968、「利用者・家族への親近感」下位尺度5項目でα=.911であった。妥当性は、下位尺度間の相関係数がr=.029と低く理論的関係性と一致した。

    結論:訪問看護師の2.5人称の立ち位置尺度は、利用者・家族への親近感下位尺度5項目、専門職としての客観性尺度6項目から構成され、初期段階の尺度として信頼性と妥当性が支持された。

  • 武智 香奈, 西崎 未和, 田口(袴田) 理恵
    原稿種別: 資料
    2020 年8 巻2 号 p. 87-94
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    目的:在宅療養者の家族介護者支援において介護肯定感の向上の意義が指摘されている。本研究は、家族介護者が介護肯定感を得るために訪問看護師が行っている援助を明らかにすることを目的とした。

    方法:3年以上の訪問看護経験のある訪問看護師5名を対象とした。半構造的面接を行い、逐語録を作成後、コード化、カテゴリー化した。

    結果:家族介護者が介護肯定感を得るための訪問看護師による援助として、【技術や知識を教える】【介護の方向性を示す】【介護を認める】【気持ちを受け入れる】【家族介護者と要介護者との関係を深める】【介護負担を調整する】【介護に楽しみを取り入れる】【自ら介護をしている実感を持たせる】という8つのカテゴリーが生成された。

    結論:訪問看護師は家族介護者の満足感や充実感など介護に対する肯定的な感情の強化を図るとともに、家族介護者の負担を軽減し介護に対するマイナスの感情をコントロールするための援助を行っていたと考えられる。

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