系列パタンの法則構造が消去抵抗に及ぼす効果について, ラットを被験体とした直線走路事態において検討した。用いた系列パタンは3種類 (各9試行) で, これらは単一交替法則を共通に有し, そのうえで, 強化試行の報酬量が減少法則 (D), 増加法則 (I), そしてランダム (R) のいずれかに従った。実験の結果, 強化試行とむ強化試行の走行速度が分化するパターニング反応があらわれる前の消去抵抗に関しては, 各系列パタンの効果は同等 (D=I=I) であった。これは, Capaldiの刺激残効理論に矛盾するものではなかった。しかしながら, パターニング反応があらわれた後の消去抵抗に関してはR>D=Iとなり, 刺激残効理論では説明できない結果が得られた。これは, 法則構造の単純な系列パタンで訓練されると, 消去場面に移行したとき, 訓練事態の弁別が容易になるためであると考えた。
抄録全体を表示