動物心理学年報
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7 巻
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  • 森 敏吉, 中村 素子
    1957 年 7 巻 p. 1-10
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
    直線走行路に於いて, 出発点と目標との中間部分におかれるべき弁別刺戟を, 一定の位置に恒常的に置く場合 (この場合として弁別刺戟を出発点直後, 中央位置, 目標直前におく三つのケースを設定した) と, 弁別位置を試行毎に変動せしめた場合 (この場合として弁別位置を試行毎にランダムに変えるケースと, 出発点から目標, 目標から逆に出発点へ組織的に変動してゆくケースとを設定した) とで, シロネズミの弁別学習に関して比較した結果, 両者の間には, 統計的に有意の差はみられなかつたが, 学習の進行過程に関して, 特に, 弁別位置を試行毎に変動する場合は, それを恒常的に同一位置に置く場合に対して, 目標近傍での誤反応数の低下が生ずるという差異がみられた。また走行路内に同一課題の弁別刺戟を, 出発点から目標にいたる間に, 等間隔に6個設定し, 継次的に連続学習せしめた場合, これ等6個の学習成績に関して, 中央附近での誤反応数の低下という意味での明瞭な両方向勾配が得られた。そしてこれ等の結果を考察する上で, 全体事態としての走行路内に於ける出発点, 弁別刺戟, 目標のそれぞれの図柄的意味という可能性の存在に注目する必要が示唆された。
  • 杉本 助男
    1957 年 7 巻 p. 11-18
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
    シロネズミを用いて種々の電撃条件に伴う脳内アンモニア及びグルタミンの変化をみた。
    (1) 脳内アンモニア量は5秒間電撃によつて増加するが, それ以上長い電撃ではアンモニア増加は見られない。
    (2) 電撃を伴わない条件刺激 (光) の5秒間提示によつても脳内アンモニア量の増加は認められる。
    (3) 5秒間電撃後150分以上経ないと, 2度目の5秒間電撃によるアンモニア増加はみられない。
    (4) 脳内グルタミン量は5秒, 15秒, 30秒, 60秒及び120秒電撃では認むべき変化がない。
    (5) 連続30分間電撃の後には, 脳内グルタミン量は統計的に有意な増加を示している。
    (6) 脳内において第2回目の電撃は120分無効であるが, ネズミを明暗弁別条件強化する事により60分で第2回目の電撃が有効になる。
  • Ad. 及びAch. と内分泌機能との関連
    岸本 末彦, 中西 重美, 田中 時子
    1957 年 7 巻 p. 19-28
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
    Problem : As to effects of the sympathetic and parasympathetic nervous stimulus (ADRENALIN & ACETYLCHOLIN) on the behavior formation, the sympathetic nervous stimulus accelerates it at the first stage but represses it, after 15 or 20 min. while the para-sympathetic stimulus effects contrary. This proves CANNON'S theory of “HOMEOSTASIS” phenomenon (Fig. 1), and makes it possible to form susceptibility symptoms by successive stimuli of each of the sympathetic and para-sympathetic nerves. We introduced CANNON'S theory of “HOMEOSTASIS” and SELYE'S “STRESSOR” into the behavior formation and, at first, as the preliminary stage, we studied the relation between the autonomic nervous system and the internal secretion.
    Procedure : apparatus, revolving wheel animals, mice (NA II)
    General procedure ; After hypodermic injection of the internal secretion hormone, mice's momentus alteration of their free revolving for 30 min.was recorded.
    Stimulants ; (1) PROGENIN which is regarded to accelerate the production of adrenalin by simulating mainly the sympathetic nerves, and (2) ESTORADIN which is regarded to stimulate the parasympathetic nerves to product acetylcholin.
    quantity used is 0.1cc National Unit respectively.
    Results : (1) Effect of the progenin on the behavior is accelerated at first, and repressed 18-24 min., and that of the estoradin is contrary (Fig. 2).
    This is the same result as the effect of the autonomic nervous stimulus on the behavior.
    (2) Through studying the effects of successive stimulation by the progenin or estoradin on the behavior, that is, the formation of susceptibility symptoms, it is also possible to form the susceptibility symptoms of the internal secreting function just as that of the autonomic nervous system. The effect of the internal secreting function stimulus on the behavior is delayed a little in time and space compared with that of the nervous system stimulus.
    (3) As to behavior formation as bodily changes by the external stimulus, both the nervous system function and the internal secreting function have much to do with it.
    Further investigations of the functional relations between the bodily changes and the behavior are required, in connection with CANNON and SELYE'S “Sympathetic Nervous System → Humoral regulation→Anterior pituitary→Adrenocortex System”.
  • 細田 和雅
    1957 年 7 巻 p. 29-41
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
    A series of latent learning experiments was performed through the procedure similar to the SEWARD'S (9) and the MAIRE'S ones (4) by making use of guppies, a kind of fishes, and some principles were discussed to explain the latent learning phenomena.
    In Experiment I, it was found that 20 trials of one-directional exploration from S to E1 or E2 of the maze (see Fig. 1) during 5 days were not sufficient for these subjects to cognize the structure of the maze, while 40 trials were quite sufficient.
    In Experiment II, it was postulated that there might be found two types of learning, i. e., conditioning accompanied by reinforcement and cognizing which was independent of reinforcement. The results of this experiment seem to be unexplainable in terms of any ready-made principles except the postulated principle of the learning of cognizing. In brief, cognizing was postulated to be a learning related to the effects of starting-point, while conditioning was to be a learning related to the effects of goal : Cognizing as such may be characterized by the start-gradient.
    In Experiment III, the effects of hunger drive on latent learning, cognizing in our term were dealt with. Any indications of the Seward-type of latent learning could not be found under the condition of weak hunger drive.
    In Experiment IV, the problem of water temperature as a factor influencing latent learning was investigated : The results of this experiment indicate that it was difficult for guppies to learn latently the maze when the temperature of water was 15°C or 35°C, while the optimum water temperature for the subjects was 25°C. The negative effect of changed water temperature, I suppose, might last at least for 24 hours after water temperature had been changed to the optimum one.
  • 岩原 信九郎, 添田 信子
    1957 年 7 巻 p. 43-51
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2010/01/29
    ジャーナル フリー
    岩原 (4) はゴキブリを同質的なY迷路で背光性トロピズムを動因として出発点より走らせた。1日10試行, 2日間における反応交替数は日によつても, また試行間隔 (20秒と120秒) によつてもほとんど変化なく平均3.90, 即ち43%であり, 同種のネズミを用いた岩原の結果 (5) より低かつた。このネズミの交替率は最初の試行日においては試行間隔が20秒で72%, 60秒間隔で61%であつた。然し岩原のゴキブリの研究では両日の試行におけるそれぞれ最初に選んだ反応方向を比較すると交替率は丁度50%であり, もし24時間で前試行の効果が全くなくなると仮定すれば被験体に位置習性がないと見做すことが出来る。もしこれが事実とすれば先に得た43%という値は50%より低く従つて前試行の効果を正の方向にうけているように思われるが統計的有意性はえられなかつた。
    何故ネズミの場合には50%以上の交替率が見られ, ゴキブリにおいてそれ以下の値がえられたのであろうか。両者を比較するとこの差は動因の違いによるように思われる。ネズミにおいては動因は正の飢餓動因であつたがゴキブリではどちらかといえば負の背光性トロピズムが用いられた為であろう。更に後者ではこのトロピズムは思つた程強くないので出発点よりゴキブリを走らせるために軽く体に触れることがあつた事実は動因の負性を強調することになつたと思われる。
    渡辺と岩田 (8) はダンゴムシに三重丁迷路を走らせ相当高い交替率を見出した。動因は狭い空間より逃げ出そうとするトロピズムではあるが, 選択反応間にわれわれの場合のように実験者によつて取扱われることがなく動因の負性はもしあつたとしても非常に低いもののように考えられる。渡辺と岩田の結果がゴキブリにも妥当するか否かについては現在実験準備中である。もし負の動因が自発的交替率を減少するとすれば, かかる負の動因を更に強くすることによつて一層明確な結果をうることが出来よう。本実験はかかる仮定の検証のため強い負動因として電撃を出発点で与えることにした。
  • (2) 直進性と転向性
    岩田 清二, 渡辺 宗孝
    1957 年 7 巻 p. 53-56
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
    (1) 交替性転向反応の顕著な, ダンゴムシArmadillidium vulgareを用いて, 強制転向後の直進性と転向性とをしらべた。
    (2) 出発点から強制転向点を通り4cm程直進した後に十字路にでた虫は, そこで強制転向点における転向方向と反対方向の横路に入るものがかなりあるが, それよりもそのまゝ直進路に入りこむものの方が遙かに多い。
    (3) そのまゝ直進路に入りこんだものでも更に4cm直進させてからT字路につき当らせると, 強制転向点における転向方向と逆方向に曲るものの方が同じ方向に曲るものよりも多い。
    (4) 強制転向点を通り4cm直進してから開放面にでた虫の転向角は強制転向の方向と逆方向の15°~45°をmodeとする分布を示す。上述の結果はこの分布から説明される。
  • (3) 先行転向の影響
    岩田 清二, 渡辺 宗孝
    1957 年 7 巻 p. 57-60
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
    (1) ダンゴムシArmadillidium vulgareに2回の先行転向を行わせた場合, T撰択点で左右の横路にどのような割合で進むかをしらべて先行転向の効果を研究した。
    (2) 第1回目の先行転向の効果は, T撰択点により近い第2回目の転向の効果より弱く, 第2回目の転向と逆方向に曲るものが多い。
    (3) 第1回目の転向は, それが第2回目の転向と同方向である場合には第2回目の転向の効果を強めるように, また反対方向である場合には弱めるように影響する。
    (4) この実験結果はHULLの反応性制止の原理からも説明できるが, 虫の走触性の結果としても充分に理解することができる。
  • 大串 龍一
    1957 年 7 巻 p. 61-64
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
    ルビーアカヤドリコバチはルビーロウムシに寄生する寄生蜂であるが, ルビーロウムシと同じ属のツノロウムシおよびカメノコロウムシにも産卵行動を示すことが知られている。そこで, このコバチにツノロウムシまたはカメノコロウムシだけをあたえると, ルビーロウムシだけをあたえたばあいにくらべて, 供試個体のうちの産卵行動を示す個体の割合, および, 産卵行動を示した個体についても1個体あたりの平均産卵行動回数がいちじるしく少くなる。つまり, 多くの個体は生理的には産卵が可能であるのに, 正常でない寄主を拒否することがわかる。
    しかしながら, ツノロウムシまたはカメノコロウムシをルビーロウムシと同時にあたえたばあいにくらべると, これらを単独にあたえたばあいの方がやや産卵個体数が増すようにみえる。それゆえに, 正常な寄主がえられぬばあいには産卵対象をかえて, 別の種に産卵するようになる個体もいくらかはあることが推測される。
  • I.貪喰行動について
    近〓 正
    1957 年 7 巻 p. 65-66
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
  • 真鍋 啓三
    1957 年 7 巻 p. 67-71
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
    ここではキンギヨの集団学習について行ったWELTYの実験を基礎としていろいろな社会行動についての実験を企てたが, その際条件刺激を与える位置や条件づけ装置の様子如何によつて単独条件づけ並びに集団条件づけに重大な影響をもたらす一, 二の事実が得られたのでここに報告したい。
  • 小川 和夫
    1957 年 7 巻 p. 72-78
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
  • 直線走行路法による予備的検討 (1)
    岸本 末彦, 中西 重美, 西尾 伸一
    1957 年 7 巻 p. 79-84
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
  • 大場 克巳
    1957 年 7 巻 p. 85-89
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
  • 吉田 正昭
    1957 年 7 巻 p. 90-96
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
    シロネズミのバー押し行動に及ぼす誘因量の変化の効果が吟味された。誘因を大→小, 小→大と変化するとelation効果は殆どみられないが, frustration効果は顕著にみられた。大小の誘因が交互に与えられる不定量強化条件では, frustration効果の程度が少なく, それは誘因量に関してひとつのadaptation levelが成立してくるためであろうと解釈された。
  • 前田 嘉明
    1957 年 7 巻 p. 97-102
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
  • 1957 年 7 巻 p. 104-110
    発行日: 1957/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
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