ノンプロフィット・レビュー
Print ISSN : 1346-4116
16 巻 , 1 号
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特集 非営利評価
  • 田中 弥生
    2016 年 16 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/13
    ジャーナル フリー
  • 小関 隆志, 馬場 英朗
    2016 年 16 巻 1 号 p. 5-14
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/13
    ジャーナル フリー
    近年,社会的投資収益率(SROI)をはじめ,非営利組織等に対するインパクト評価手法が注目を集めている.特定の手法が議論されがちだが,まずはフレームワークに沿って評価方法を設計すべきである.これまでにSROIのみならず,IRISやSIMPLE, GIIRSなど多様な評価手法が生み出されたが,非営利組織等はこれらのなかから,自らの評価目的に合致した手法を選ぶ必要がある.SROIは,(1) 貨幣価値換算と (2) 参加型評価という2つの主要な特徴がある.本稿では,(1) 非営利組織等は高いSROIを算出して資金調達の競争に勝とうとしていること,(2) 貨幣価値換算は共通言語として価値中立的ではないことを指摘している.欧米ではSROIに関する研究や議論が多く見られるが,日本ではインパクト評価がまだ非営利組織に広く受け入れられていない段階にある.したがって,インパクト評価のフレームワークを普及し,非営利組織等が評価手法を選べるようにする必要がある.
  • ―埼玉県NPO関連事業の評価事例から学ぶ―
    粉川 一郎
    2016 年 16 巻 1 号 p. 15-26
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/13
    ジャーナル フリー
    SROI評価は日本において近年,大きく脚光を浴びている.SROI評価は社会的事業のアウトカムを貨幣価値換算する評価方法であり,アメリカで誕生したのち,イギリスで発展を遂げ,日本で注目を浴びるようになった.SROIはステークホルダーを巻き込み,アウトカムをインパクトマップの形で表すなどのユニークな特徴があるが,一方で難解さや信頼性の面での批判も存在する.本研究では,実際に埼玉県においてSROI評価を実施し,その経験の中から課題を抽出することとした.その結果,ステークホルダーはSROIが誘発するコミュニケーションの価値を高く評価したが,その信頼性については十分な評価がなされなかった.今後,SROIは財務プロキシの標準化を進めるなどの信頼性向上の策をとるとともに,コミュニケーションツールとしての利用価値に光をあて,発展させていく必要がある.
  • 今田 克司, 田中 弥生
    2016 年 16 巻 1 号 p. 27-37
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/13
    ジャーナル フリー
    市民社会組織(CSO)にとって,評価が学びとなり,社会課題の解決に向けた効果的なツールとなるとの着眼点から,日本のNPO/NGOに向けた評価普及の試みに取り組んでいる.その観点から,本論は,グローバルな場で起こっている2つの流れに注目した.
    ひとつは,2015年,持続可能な開発目標(SDGs)採択の年を契機として,評価の担い手の育成が急務との発想をもとに,国レベルでの質の高い評価のための環境整備や評価専門機関とCSOの基盤強化などを主眼とする今後5年間のグローバル評価アジェンダが作られたことだ.もうひとつは,評価専門家のあいだで進展しつつある,評価の「第5の波」と呼ばれる潮流である.それは,評価の対象のみならず,それを取り囲む関係者が多様になり,事業の「成果」と同様に「価値」に注目が集まり,評価結果の活用も投資目的など,急速に幅広いものになっている状況をさす.
    こうした流れのなかで注目したいのが,システム理論や複雑系理論を援用した「発展型評価」と呼ばれる評価アプローチで,従来のやや静態的な評価アプローチから,より動態的なアプローチそして開発されているものだ.これらは,社会的イノベーションなどをモニターし,支援するものとしての使い道が議論されている.
  • Yayoi Tanaka
    2016 年 16 巻 1 号 p. 39-55
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/13
    ジャーナル フリー
    This paper aims to explain the design process and systematic structure of the evaluation criteria for an “Excellent NPO,” as well as to discuss how the evaluation of a nonprofit organization (NPO) should be conducted as a measure for problem-solving. The evaluation criteria were established by the practitioners and researchers, who sensed a crisis in the current situation of the NPO sector in Japan. First, the current situation was analyzed based on the data collected, and the desirable image of an NPO was defined. Subsequently, the three problems of “citizenship,” “social innovation,” and “organization stability,” which were determined to be the most important, were extracted and defined as the basic conditions. Based on these basic conditions, the systematic structure and design process of the evaluation criteria were defined and discussions were made according to the process, thereby resulting in 33 evaluation criteria. Therefore, these evaluation criteria can help derive possible solutions for the problems faced in the NPO sector. However, in order for the evaluation to act as a problem-solving measure, the evaluation itself should be considered as a project; moreover, continuous review of the evaluation criteria, such as continuous analysis of the current situation and feedback from users, are necessary.
研究ノート
  • ―東日本大震災前後の比較―
    竹部 成崇
    2016 年 16 巻 1 号 p. 57-65
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/13
    ジャーナル フリー
    近年の研究は,寄付には寄付者の幸福感を高めるという心理的効用があり,その効用はその後の寄付行為を動機づけて寄付を個人内で連鎖させることを示唆している.寄付は資源の再分配の1つの形であることを考慮すると,貧しい人々より豊かな人々において寄付が積極的になされることが期待される.そのため,この心理的効用も,豊かな人々においてより強く得られることが期待される.しかしこれまでの知見を考え合わせると,こうした期待とは反対に,豊かな人々の方が寄付の心理的効用を得にくい可能性が考えられる.また,東日本大震災前後の価値観や状況の変化を考慮すると,この関連は震災後には消失している可能性が考えられる.これらの仮説を検討するため本研究では,東日本大震災前後における経済的な豊かさと寄付の心理的効用の関連を検討した.その結果,震災前は貧しい人々においてのみ,寄付経験が幸福感を高めていたのに対し,震災後は貧しい人々においても豊かな人々においても,寄付経験が幸福感を高めていた.本研究の示唆及び限界点が議論される.
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