ノンプロフィット・レビュー
Print ISSN : 1346-4116
6 巻 , 1+2 号
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研究論文
  • ―京都市における財政支出分析から―
    宮永 健太郎
    2006 年 6 巻 1+2 号 p. 1-13
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/19
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,各地で実践が進みつつある地域環境パートナーシップの実態の精査とその評価についての示唆を行うことである.その際,京都市を素材としつつ,同市の「委託料」と「負担金補助及び交付金」という二つの歳出科目に属する財政支出に着目して分析を行った.まず,外郭団体が件数・金額とも大きな割合を占めている一方,NPO法人や任意団体は単発の事業やイベントに関わるものが大半であることが判明した.次に,委託において事あるごとに指摘される「自律性とアカウンタビリティのバランス」の問題が,実はそれほど深刻化していない可能性を示した.これは,現状の地域環境パートナーシップの大半が,長期的・戦略的な成熟的関係というよりは,単発の事業やイベントといったレベルにあるためである.最後に補助については,外郭団体や官製NPOが多いという現在の状況下では,その合理性が発揮されたり,その補助が地域環境パートナーシップを発展させたりする可能性は低いことを示唆した.
  • ―社会的企業家としての役割を中心に―
    平塚 力
    2006 年 6 巻 1+2 号 p. 15-24
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/19
    ジャーナル フリー
    NPO研究は学際的であり, 非営利組織における経営者の役割を解明するには,年々専門分化する組織原理の分析と同様にマネジメント研究の進展が必要である.
    90年代後半から登場した社会的企業家の議論は,従来の非営利組織に欠けていた役割を解明するものとして期待されるが,社会的企業家を多彩な経営者として描き出す傾向にある.しかし社会的企業家は万能な経営者としてでなく,組織の成長段階ごと異なる存在として理解すべきではないか.本稿はこうした問題設定のもとに,市民組織を対象とした調査を実施し,組織の成長段階に応じた経営者の役割を明らかにした.
  • 大木 幸子, 星 旦二
    2006 年 6 巻 1+2 号 p. 25-35
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/19
    ジャーナル フリー
    本研究は都市での住民による健康な地域づくり活動を取り上げ,活動を担っている住民のエンパワメントの過程及びコミュニティの生成過程を抽出することを目的とした.その上で健康な地域づくり活動による公共性形成の可能性を考察した.調査協力者は2つのグループのボランティ14人であり,半構造化面接によりデータを収集し,修正版グラウンデッド・セオリーにより分析した.その結果,担い手のエンパワメント過程では〈地域の風景の存在〉,〈内なる対話〉,〈他者との対話〉,〈地域とつながる自己像の獲得〉のカテゴリーが得られた.他方,コミュニティの生成過程として〈他者との対話〉,〈地域のまなざしの醸成〉,〈地域のアクチュアリティの深化〉,〈地域の解決力の形成〉が抽出された.これらの2つの過程は〈他者との対話〉を結節として循環していた.またこのようなエンパワメントされた地域づくり活動は,縁側機能,対話,協働,交流を基軸にして小さな公共性を形成する活動として位置付けられる可能性が示唆された.
研究ノート
  • 澤村 明
    2006 年 6 巻 1+2 号 p. 37-45
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/19
    ジャーナル フリー
    本稿は,日本の経営学界でNPOおよび関連領域がどのように研究されているかについての,2005年までの先行文献のサーベイである.日本国内におけるNPOの経営学的研究の状況は,日本NPO学会を中心に何本かの論文が発表されているものの,あまり盛んとはいえない状況である.ただし,経営学系の大きな学会でもNPOをテーマとしたワークショップが開催されるほか,数点の論考も発表されており,決して無視されている状況ではない.注目すべき論者が数人登場しており,今後の展開が期待される.
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