ノンプロフィット・レビュー
Print ISSN : 1346-4116
8 巻 , 1 号
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研究論文
  • Yoji Inaba
    2008 年 8 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/06
    ジャーナル フリー
    This paper presents an empirical result on the relation between social capital and economic inequality in Japan based upon prefecture-by-prefecture data together with a summary of both normative and empirical studies in the past. In this study, I carried out an analysis based on a data set provided by social capital surveys of the Cabinet Office of the Japanese Government. Data on twelve elements of social capital covering social contacts, trust, and community participation by 47 prefectures are compiled. The relation between each of these twelve elements and the income/wealth gap gauged by Gini coefficients on annual household income, amount of household savings, value of real estate held by households, and the value of durable goods owned by households, are examined. The analysis shows strong inverse correlations between community participation indices and income/wealth gaps. Higher inequality is associated with lower community participation. In addition, wealth gaps are more strongly correlated with social capital elements than the income gap. Although causalities are not clear yet, these results suggest the importance of social capital in policy making related to income/wealth distributions. A widening income/wealth gap may be undesirable because it may deteriorate the quality of social capital, especially people’s daily contacts.
  • ―地縁型vs.自律型市民活動の都道府県別パネル分析―
    金谷 信子
    2008 年 8 巻 1 号 p. 13-31
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/06
    ジャーナル フリー
    ソーシャル・キャピタルと市民活動の相互関係は広く認識されているが,どのような形態の市民活動がどのような効果を及ぼすのかを分析した研究はまだ多くない.このため本論では,ソーシャル・キャピタルを構成するネットワークとして,現代的で自律型の市民活動であるNPO法人と,伝統的で地縁型の市民活動である地縁団体や行政系ボランティアに注目し,治安,健康,教育,少子化,雇用などの社会経済・生活環境面でのパフォーマンスの良好さとの関係及び,またソーシャル・キャピタルの要素である信頼や互酬性との関係を,都道府県別パネルデータを用いて実証分析した.その結果,地縁型の市民活動は,治安,健康,教育,少子化,雇用の広範な分野のパフォーマンスの良好さと関係していることが示唆された.一方,NPO法人の影響は限定的であったが,現代社会の多様化した課題を改善する可能性が示唆された.
  • ―財務データベース分析から考える―
    田中 弥生, 栗田 佳代子, 粉川 一郎
    2008 年 8 巻 1 号 p. 33-48
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/06
    ジャーナル フリー
    本論の目的は,多くのNPOの実務者たちが訴える「資金不足」を財務データベースから明らかにし,さらにその構造を探ることにある.資金不足を組織経営の持続性の問題と捉えた.組織の成長・発展段階によって持続性の意味が異なるが,本論文で扱ったデータが2003年度当時のものであることから,対象となったNPOを「誕生期」にあると位置づけた.誕生期のNPOは主として資金繰りの問題に直面している.そこで,NPO法人財務データベース作成委員会が構築したNPO財務データベースを用いて,主として資金繰りにかかる費目や財務指標を用いて分析を試みた.その結果,収入規模の大小にかかわらず,1ヶ月程度の支出分に当たる現預金,3ヶ月程度の流動資産を保有している団体が多いことがわかってきた.しかし,それは人件費など固定費を極端に抑え,理事や団体関係者からの短期,中長期の借入でかろうじて維持されているものであった.NPOの経営者は持続性を担保するためには一定規模の現預金や流動資を維持する必要があることを経験的に理解し努力している.しかし,その実情は無理を重ねたものであり決して真の持続性とは言えないだろう.
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