ノンプロフィット・レビュー
Print ISSN : 1346-4116
8 巻 , 2 号
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研究論文
  • ―非営利組織の存続性の視点から―
    石田 祐
    2008 年 8 巻 2 号 p. 49-58
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/03/19
    ジャーナル フリー
    これまで日本では,非営利組織の自立性について,現場の実践的な見地からその重要性について指摘がなされてきた.アメリカを中心とした先行研究では,複数の財務指標を用いてNPOの脆弱性を評価したり,事例研究から団体の変化を記述したりしながら,理論的かつ実証的な分析がなされている.一方,日本においてはいまだそれらの議論や検証はほとんどなされていない.そこで本論ではNPO法人が資金獲得を行っている財源の多様性に着眼し,全国のNPO法人の財務データを用いてHHIを算出し,被説明変数として用いた.説明変数には,活動分野や団体の活動規模,活動年数や所在地などの団体属性や地理的条件を考慮した.トービット・モデルによる推定を行った結果,活動分野によっては資金獲得を行う財源の多様性が低くなっている一方,支出規模,活動年数,そして所在地特性によって多様性が高まっていることが示された.
  • 吉井 美知子
    2008 年 8 巻 2 号 p. 59-71
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/03/19
    ジャーナル フリー
    本研究はドイモイによる経済発展が進むベトナムをフィールドとして,増え続けるストリートチルドレンの問題への政府の対応を検討,評価すると同時に,同じ目的を持って活動するNGOの現状を分析したものである.政府の対応を調査すると法整備の先進性,行政機構の充実,政策の考え方の合理性,そして現場における不適切な実施状況が明らかになる.一方,NGOでは個人の自発性に基づき,子どもの人権を尊重しながら多角的な社会福祉ケアが行われていて,活動の規模は小さいが,ストリートチルドレン問題の解決に一定の成果を上げていることが判明した.NGOは単に一党独裁への脅威ではなく,逆に社会問題解決のために貢献できる可能性を持つ存在である.今後は全国民の義務教育を担う政府と社会福祉ケアを得意とするNGOの協働によりストリートチルドレン問題の解決を目指す方向性が望ましい.
研究ノート
  • ―新潟県中越沖地震での柏崎市役所の事例―
    加藤 健
    2008 年 8 巻 2 号 p. 73-85
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/03/19
    ジャーナル フリー
    大規模地震などの災害時,自治体のもっとも重要な役割の一つは,発災から24時間以内の混乱時に,人命にかかわる情報を迅速に収集することである.この問題は重要であると同時に極めて困難な問題である.なぜなら,通常,避難所は被災地に点在しており,その全体像を把握することは容易ではないからである.本稿は,新潟県中越沖地震の際に,迅速な避難所の情報の収集・集約を行なった柏崎市役所のケースを取り上げ,なぜ迅速な情報収集が可能であったのかを理論的に考察している.ここでは情報の流れ方として,コミットメント・フローの概念を提示し,柏崎市役所による鍵職員制度が,意図せざる機能として避難所情報を上方組織へ迅速に伝達したことを明らかにしている.今後の防災対策のあり方として,避難者情報の収集を考慮した「見えざる防災」にも目を向ける必要があることを提言している.
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