日本看護科学会誌
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15 巻, 4 号
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  • 高見沢 恵美子, 佐藤 禮子
    1995 年 15 巻 4 号 p. 1-8
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    人工肛門造設患者の退院後の主観的評価を高めていくために, 人工肛門造設患者のQOLモデルを作成し, さらにモデルを構成する因子に関連する要因を明かにした。
    共分散構造分析を行い, 有意なパス係数のみで構成した結果, 人工肛門造設術の落胆, 人工肛門造設術の安堵感, 積極的生活姿勢, 生活の主観的評価, 健康的生活, 生活上の苦痛, 人工肛門の負担感, 食事の満足, 自己価値観, ソーシャルサポートの10因子の因果関係が明かになった。
    モデルを構成する10因子に影響を及ぼしていた要因は, 婚姻状況, 人工肛門装具交換の分担, 性生活の満足であり, いずれも家族が関係する3要因であった。
  • 菅田 勝也
    1995 年 15 巻 4 号 p. 9-14
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は, 濃密なケアを必要とする重症患者 (重症ケア患者) について, 病院特性別の分布を明らかにすることである。平成3年9月, 全国の病院から層化無作為抽出法 (抽出確率20%) で調査対象施設を抽出し, 病院看護に関する統計調査を郵送法で実施した。病棟情報については, 病床規模別にみて偏りが少ない標本が得られるように設計した。全国総病床数の4.2%にあたる情報が得られた。一般病棟の重症ケア患者の割合は総数で5.4%であった。病床規模が大きくなるにつれて上昇し,100床未満の病院の3.0%に比べ,500床以上では7.8%と約2.5倍であった。設置者別では, 医育機関の病院が最も高く9.9%, 次は公的医療機関の5.8%であった。私的病院は重症ケア患者の割合が低く, 個人病院は3.6%, 医療法人は4.1%であった。設置者別に分けてみても, 病床規模が大きくなるにつれて重症ケア患者の割合は高くなっていた。重症ケア患者の割合を厚生省方式看護度分類のA-1患者の割合と比較したところ齟齬が認められた。ケアニーズは重症度によって規定されるところが大きいので, 患者分類法には明瞭な重症度概念が包含される必要がある。
  • 坂口 三枝子
    1995 年 15 巻 4 号 p. 15-22
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    与薬業務の安全性に影響する因子について, 看護業務環境 (患者の看護度, 看護婦数など) や病棟での薬剤使用量 (内外用剤) の面から検討した。病床規模約600床の大学病院で, 病棟に勤務する看護婦約230名を対象にした質問紙調査を実施した。一般診療科における回収数は2,157, うち病棟で勤務した分は1,324, 回収率は9月と10月あわせて90.4%であった。患者の看護度については, 婦長を対象に質問紙調査を行なった。
    調査期間中(延べ2週間)の与薬ミスは61回, ニアミスは118回, 医師のオーダーに関するエラーは88回, 他者のエラーに対処したのは141回であった。勤務全体の12%において, 看護婦は何らかのエラーに対応していた。与薬ミス・ニアミスの発生に対しては「看護必要度が高い患者数」と「病棟での薬剤使用量 (内外用剤)」が影響していた。また,「勤務者あたりの看護度スコア」が高いとエラーのリスクが高く, 低いとエラーへの対処行為が多い傾向がみられた。対象病院では, 患者の重症度や薬剤量の影響を最も受けていたのは準夜勤であった。与薬業務の安全性を指標化することによって, 安全性に影響している因子を特定でき, 質保証につなげることができる。
  • 真田 弘美, 金川 克子, 稲垣 美智子, 西村 真実子, 川島 和代, 須釜 淳子
    1995 年 15 巻 4 号 p. 23-30
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    褥創予防のケアといわれる除圧用具とマッサージの効果について, 健常人を対象に仙骨部の経皮酸素分圧 (TcPO2) を測定することにより以下の結果を得た。各除圧用具とコントロールの布団・パッドの圧迫前値に対する60分圧迫中のTcPO2の変化率の割合を比較したところ, 各除圧用具間で有意な差があった。円座, エアーマットレス, クレーターマットレス, 布団, マットレスパッドの順でTcPO2値が高く, 除圧効果があると言えた。5分間マッサージを付加した後に60分間仰臥位で圧迫し, 圧迫を除去した後のTcPO2の変化をマッサージしない群と比較した。その結果, 5分間マッサージ有群と無群ではTcPO2の回復時間には有意差はみられなかった。以上より, 褥創予防には除圧用具としてエアーマットレスが有効であること, 圧迫する前に予めマッサージすることはTcPO2を指標として見た限り, その意義は見い出せなかった。
  • 日本看護科学学会誌講演集の調査から
    片田 範子, 井部 俊子, 佐藤 蓉子, 志自岐 康子, 中西 睦子, 藤枝 知子, 南 裕子, 山崎 慶子, 横尾 京子, 渡会 丹和子
    1995 年 15 巻 4 号 p. 31-38
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
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