日本看護科学会誌
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21 巻, 2 号
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  • -妊娠末期から産後15週までの初産婦と経産婦の比較-
    新小田 春美, 松本 一弥, 三島 みどり
    2001 年 21 巻 2 号 p. 1-11
    発行日: 2001/08/31
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 妊娠末期から産後15週までの母親の睡眠・覚醒パターンの変化を初・経産婦別に検討した. 初産婦14名と経産婦12名には, 分娩前7週から産後15週目までの間の睡眠日誌と, このうち8名の母親には, 彼女らの新生児の睡眠日誌をそれぞれ同時に連続して記入をお願いした. 産後1週から11週までは, 妊娠末期に比して夜間の全睡眠時間の有意な短縮と入眠後の覚醒時間の有意な増加を示した. また, 睡眠効率は, 産後1週から8週まで有意に減少していた. とくに, 初産婦群の産後2週から6週にかけては, 経産婦群に比して覚醒時間の増加と1回当たりの覚醒持続時間の延長, および睡眠効率の減少が大きかった.
    以上の結果から, 母親の夜間睡眠の乱れは, とくに初産婦群で大きく, 産後11週頃までその乱れは持続するが, 彼女らの乳児の睡眠・覚醒リズムもしくは授乳リズムの発達とともに, 12週以降に母親の睡眠・覚醒リズムもほぼ正常なパターンに復帰していくものと推測された.
  • 勝田 仁美, 片田 範子, 蝦名 美智子, 二宮 啓子, 半田 浩美, 鈴木 敦子, 楢木野 裕美, 鎌田 佳奈美, 筒井 真優美, 飯村 ...
    2001 年 21 巻 2 号 p. 12-25
    発行日: 2001/08/31
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    子どもが検査・処置をどのように体験しているのかを明らかにすることを目的として参加観察を行い, 子どもが処置を体験するプロセスの中で「覚悟」という現象と, 覚悟に至る要因が抽出された. 処置を受ける子どもと親, および処置を担当した看護者・医師の4者18組を対象とし, おもにgrounded theory approachを用いて, 処置場面の参加観察, および処置に対する思い・説明内容等について半構成的インタビューを実施し分析を行った. その結果, 以下のことが明らかとなった.
    子どもの“覚悟”という現象は,「処置を受けるにあたり, 情緒的・認知的・精神運動的側面のバランスをとり, 処置を主体的に受容している状態」であった. そして, 覚悟に影響を与える要因として【まわりのゆとり】【過去の経験のイメージ】【子どもが選択できる可能性】【まわりとの一体化】【処置に対する代償利益の確認】【自らする覚悟の宣言】が挙げられた.
    覚悟に影響する6つの要因はどれもが子どもの自我機能強化につながっており, その強化の仕方によって, (1) 子ども自身がもともと持っている認知・情動との調整をはかって行動化する力 (自我機能) が十分に発揮されるあり方, (2) 子どもが認知と情動との調整をはかる主体であるということをまわりも認めることで, 子どもが自己コントロール感を取り戻し, 自ら行動化しやすくなるあり方, (3) 子どもの中で拭いきれない強い情動のゆれ (自我機能を弱めさせる外界からの力) にタイミングよくふんぎりをつけさせて行動化できるあり方, の3つに大別され構造化されていた.
  • 岡村 晴子
    2001 年 21 巻 2 号 p. 26-36
    発行日: 2001/08/31
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    正常分娩経過中の産婦の体温変動を明らかにすることを目的に本研究を行った. 正期産で経膣分娩した33例の産婦の体温を継続測定したところ, 以下の結果が得られた. なお, 測定開始時間は6:00~14:00とし, 子宮口開大5cm以内から測定を開始した. 本研究における“体温”は皮膚温を指標にし, 測定には深部温モニター, コアテンプ®CTM-205を使用した.
    1. 正常分娩時の体温の範囲
    中枢深部温の測定値は, 34.2~37.9℃の範囲で, 個人内の変動幅の平均は1.3±0.6℃だった. 末梢深部温は25.7~36.7℃の範囲で, 個人内の変動幅の平均は4.1±2.3℃だった. いずれも従来の報告より範囲が広がっていた. 腋窩では児娩出時平均が37.1℃で, 38℃以上の者が5例あった. しかし分娩12時間後には自然に下降し新生児にも感染徴候を認めなかったことから, 分娩時のみの体温の上昇は感染などの異常を生じるものではなかった.
    2.個人内温度変化
    分娩進行の時間経過にそって有意に温度変化が認められたのは中枢深部温26例で, そのうち上昇15例, 下降11例であった. 末梢深部温では28例に有意な温度変化が認められ, 上昇6例, 下降22例であった.
    以上より, 正常分娩経過において体温は38℃以上になることがあるのを確認した. また, 体温変動の傾向としては中枢・末梢ともに上昇・下降・著変なしのいずれも認められた. 分娩時には通常の日内変動を越える体温変動が生じることがあり, 体温の変動は感染などの異常をアセスメントするだけでなく, 分娩進行状況を判断する指標となりうることが示唆された.
  • 坪井 桂子, 安酸 史子
    2001 年 21 巻 2 号 p. 37-45
    発行日: 2001/08/31
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究は,「実習教育に対する教師効力」を高める方策を考えるために, 我が国の実習教育の実情に合った「実習教育に対する教師効力」を測定できる尺度を作成し, その信頼性と妥当性を検証することを目的とした. 看護系大学の助手433名に予備調査で信頼性・妥当性の検討を経て作成した調査用紙を郵送し, 245名より回答を得た. 項目検討の後に因子分析を行ない7因子28項目を抽出し, 尺度Seif-Efficacy Toward Nursing Practice Teaching Inventory (以下SENPTIと表わす) を作成した. SENPTIは, 7因子からなり, 第1因子より順に『カンファレンスを実施できる自信』『看護実践能力を活用できる自信』『学習者としての学生を尊重する自信』『学びを深めるために技法を活用できる自信』『実習教育の準備ができる自信』『学生の状況を判断できる自信』『学生の学びを促進できる自信』と命名した. これら7因子の累積寄与率は, 57.8%であった. SENPTIの妥当性は, 内容的妥当性, 基準関連妥当性について検討を行なった. 基準関連妥当性については, 一般性自己効力を測定しているセルフ・エフィカシー尺度と中程度の相関があることを確認した. 信頼性は, Cronbach's α=0.937により確認した. また, 実習教育に対する教師効力と関連する概念の検討において,「実習教育に対する教師効力」と職業への志向性, 職務満足感について関連がみられた. これらのことから, SENPTIは,「実習教育に対する教師効力」と関連要因の検討に使用可能な尺度あると考えられた.
  • -看護者との対話から-
    高山 成子, 水谷 信子
    2001 年 21 巻 2 号 p. 46-55
    発行日: 2001/08/31
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は中等度・重度痴呆症高齢者に残された現実認識の力を明らかにすることである. 65才以上のアルツハイマー型痴呆症高齢者5名を対象に, 研究者が生活の場でケアしながら対話した言葉を, 質的・帰納的方法で分析した.
    その結果, 彼らは「照れ笑い」「言い訳, 言い繕う」「自己決定する」と他者に気持ちや感情を表現する力と,「大笑いする」「繰り返し聞き返す」「気遣いをする」「口調を変えて主張する」「行動をリードする」と他者に働きかけて関係を作ろうとする力を示した.残された現実認識の力を示す中心的な概念は彼らが「他者を認識し,他者との相互作用がある」であった.
    本研究で明らかにされた痴呆症高齢者に残された力は, 看護者が痴呆症高齢者の残された力に眼を向けるための指標となり, また彼等の力を維持するための助けとなるかもしれない.
  • 谷井 康子
    2001 年 21 巻 2 号 p. 56-63
    発行日: 2001/08/31
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
  • 松田 光信
    2001 年 21 巻 2 号 p. 64-73
    発行日: 2001/08/31
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
  • 石田 陽子, 柴田 千衣, 武田 利明
    2001 年 21 巻 2 号 p. 74-80
    発行日: 2001/08/31
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
  • 村嶋 幸代, 安田 美弥子, 橋本 眞紀, 堀内 成子, 片田 範子, 久常 節子
    2001 年 21 巻 2 号 p. 81-89
    発行日: 2001/08/31
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
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