日本看護科学会誌
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23 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 野嶋 佐由美, 梶本 市子, 畦地 博子, 青木 典子, 中山 洋子, 安藤 幸子, 伊賀上 睦見
    2004 年23 巻4 号 p. 1-19
    発行日: 2004/01/13
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究は, 精神科看護の看護活動の類型化をはかることを目的とした.
    研究方法は, 文献から3, 006の看護行為を抽出し, それをもとに84看護行為に整理し, 641名の看護i師を対象として, 84看護行為の活用の頻度等について調査を行い, 記述統計や因子分析を行った.その結果をもとに研究者間で検討を繰り返し, 20の看護活動に分類し, これを「精神科の看護活動分類案」とした. さらに, 10名前後の看護師からなるフォーカスグループを3回開催し, 妥当性を確認した. この結果を受けて, 研究メンバーで検討を重ね, 最終的に18の「精神科看護の看護活動分類」が作成された.
    この結果に基づき本研究では,[精神科看護は《関わりの基盤》を土台に,【拡大強化】【方向づけ】【保護】【解放】の4つの目的に向かって看護活動を行っている]という仮説を提案するに至った.《関わりの基盤》は『関心をよせる』『尊重する』の2つの看護の姿勢からなる.【拡大強化】は『セルフコントロールを促す』『社会人としての自覚を促す』『振り返りを促す』『継続して力をつける』『具体性をもたせる』『意志・意欲を強める』『人と場を拡げる』,【方向づけ】は『教育的に関わる』『方向性を示唆し進めていく』『話し合う』『契約する』『動きを見守る』『指示する』,【保護】は『補う』『保護的調整をする』『制限する』,【解放】は『楽しませる』『安らぎを提供する』からなり, この18の看護活動はさらに74看護行為からなるものである.
  • 半田 美織, 日下 和代, 叶谷 由佳, 佐藤 千史
    2004 年23 巻4 号 p. 20-30
    発行日: 2004/01/13
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究はデイケアに通所中の精神障害者59名を対象とし, アンケートと面接調査, 参与観察により主観的QOLや影響要因を分析することによって, 障害者の抱える問題を明確化し, デイケアにおける援助について検討することを目的とした.
    その結果, 以下のことが明らかになった. (1) 入院経験のある人はない人に比べて生活満足度が低かった. (2) 疾患によって心理的機能の満足度が異なる. (3) 同居者や相談相手がいる人, 相談相手に家族やクリニック以外の友人が含まれている人の生活満足度が高かった. (4) 食事を週1回以上は自分で作る人は心理的機能領域で, 家族が食事を作ってくれる人は身体的機能領域で満足度が高かった. (5) 障害受容の満足度は全体的に低く, その満足度が高い人は生活満足度が高かった. これらから, 対人関係や自尊心, 自己認知概念などの要因は生活満足度への影響が大きく, これらの要素に対する援助の重要性が示唆された.
  • 小林 久子, 渋谷 優子
    2004 年23 巻4 号 p. 31-40
    発行日: 2004/01/13
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 虚血性心疾患で外来通院をする女性患者の心理的ストレス反応に影響を及ぼす要因を明らかにすることである. 対象は回復期, 維持期の心臓リハビリテーションを実施していない80歳以下 (平均年齢64.5歳) の患者75名. 調査内容は心理的ストレス反応尺度 (PSRS50R), タイプA行動特性尺度, 情緒的支援ネットワーク尺度, 自作ストレス源の4尺度と, 対象者の属性である.
    対象者の心理的ストレス反応に影響を及ぼした変数は, 心筋梗塞・冠動脈再建術・治療期間1年以上・無職・年収300万円以下・タイプA行動特性あり・情緒的支援ネットワークなし・ストレス源であった. ストレス源では「老化による衰え」「運動療法」「病気の先行き」が, うつ・不安・無気力・怒り・絶望などのストレス反応に影響を及ぼし,「家族の健康」「家族への責任」は引きこもりに影響を及ぼしていた. 虚血性心疾患女性患者のストレス支援には, 生活状況への個別的な対応と家族システムに対する環境調整, ならびに心臓リハビリテーションの必要性が示唆された.
  • -リアリティショックからの回復過程と回復を妨げる要因-
    水田 真由美
    2004 年23 巻4 号 p. 41-50
    発行日: 2004/01/13
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    新卒看護師のリアリティショックの回復過程と回復を妨げる要因を明らかにする目的で, 9名の新卒看護師を対象に, 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用い, 質的帰納的研究を行った. その結果, 以下のことが明らかになった. リアリティショックの回復過程では, 中核概念として「解決課題」が見出され, 回復を妨げる要因として「不安定さ」が見出された.「解決課題」には【基本看護業務遂行能力の獲得】【職場の人間関係の調整】【さまざまなケアへの対応能力の発達】【勤務形態への適応】【仕事と自己の価値観の調和】の5つのカテゴリーが見出され,「不安定さ」では【不安感】【不調和】【自尊感情の低下】【ゆとりのなさ】の4つのカテゴリーが見出された. これらの結果は, 今後の新卒看護師の支援のための資料となり, さらに看護基礎教育における効果的な教育への示唆が得られた.
  • -利用者と訪問看護師の比較-
    川上 千春, 島内 節, 友安 直子
    2004 年23 巻4 号 p. 51-60
    発行日: 2004/01/13
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究では, 在宅ケアにおけるテレビ電話の利用意志を利用者と訪問看護師の受容度とケアに対する有用度から明らかにし, さらに利用意志に影響する要因を明らかにすることである. 対象者は都内2機関の訪問看護ステーションに従事している訪問看護師17名とその機関よりケアを受けている65歳以上の利用者72名を対象とした. その結果, 1) テレビ電話受容度と有用度に関する利用者と看護師の意見は全38項目中34項目に於いて一致した. 両者の一致度も高く受容度の高い項目は,「テレビ電話による看護ケア」「看護師に簡単に直接連絡とれる」「健康状態・医療的問題の観察・判断」「プライバシー保護」であった. 有用度においては,「介護方法の指導・教育」「薬の変更や新しい処置方法の指導」「症状や病状悪化の早期発見」「病状不安定時の相談」であった. 2) 現段階の在宅サービスにおいては, テレビ電話における利用者の利用意志に影響している変数は,「健康問題の改善」「利用者にとっての時間節約」「痛みの観察・判断」「火災予防の確認」の4項目であった. 3) 看護師に於けるテレビ電話の利用意志に影響している変数は9項目(「医療・ケアの指導・教育」「食事指導」「介護者の不安や負担感」「リハビリの継続」「生活意欲の向上」「対人関係の拡大」「コミュニケーションが容易」「テレビ電話の利便性」「費用節約」)であった. 4) さらに在宅ケアにおいてテレビ電話が有用なものとなるためには, 操作が容易なものとなり, 機器が介護保険制度の福祉用具としてサービス料金化する条件を整えることであることが示唆された.
  • 関 美奈子
    2004 年23 巻4 号 p. 61-70
    発行日: 2004/01/13
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    臨地実習直前に特別な成人看護学カリキュラムを設定, 看護短期大学3年次生77名を対象とし, 各学習プロセス, 自己学習と病態講義, グループワーク, role-playでの学習内容を調査した. 学生の自己学習と病態講義の学習内容からは,〈自己学習の方法〉〈病態知識の獲得〉〈患者の個別性理解〉〈看護計画立案への学び〉の4カテゴリーが, グループワークからは,〈患者像の理解〉〈意見交換による学び〉〈アセスメントの確立〉〈グループワークでの気づき〉の4カテゴリーが示された.また, role-playからは,〈看護師役からの学び〉〈患者役からの学び〉〈観察者役からの学び〉の3カテゴリーが示された. これらの学習内容から, 病態学と関連した学習内容が明らかになり,〈病態知識の習得〉〈病態講義からの学び〉〈病態理解からの看護計画の立案〉〈ケア体験からの病態理解〉〈グループワークでの病態学習〉の5カテゴリーが示された.
  • 小野 智美
    2004 年23 巻4 号 p. 71-79
    発行日: 2004/01/13
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    「子どもの自律性」の概念について, Rodgersの概念分析アプローチを参考にして, 小児看護における有用性を検討することを目的に概念分析を行った.「子どもの自律性」は, 理念的, 理論的言及に留まっており, 経験的にはほとんど追求されていなかった.「子どもの自律性」は規範的概念であり,「個々の」子どもが社会の中で「自由意志」によって「自己規定」しながら,「漸進的」な「道徳・倫理」をもとに「理にかなう」ように「自己を方向づけてゆく過程」であると定義づけられた.「子どもの自律性」は「基盤となる発達」と「学習的環境」,「健康や生命の問題状況」の先行要因と,「意志決定」や「自己強化」「自信の拡大」などの帰結を有するプロセスによって変化していく.「子どもの自律性」という概念は, 健康問題を改善する過程における「子どもの自律性」を解明していく研究や, 子どもの意志決定や行動力を向上させていくための看護介入の構築に有用である.
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