日本看護科学会誌
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29 巻 , 2 号
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原著
  • 仙波 洋子, 佐藤 和子, 古賀 明美, 藤田 君支
    原稿種別: 原著
    2009 年 29 巻 2 号 p. 2_3-2_10
    発行日: 2009/06/29
    公開日: 2011/08/30
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,2型糖尿病患者の運動療法におけるアドヒアランスの実態とそれに影響を及ぼす心理社会的要因を明らかにすることである.運動療法を勧められている患者を対象に,自記式質問紙調査と加速度計による身体活動の測定を行った.運動療法への合意がなかった人を除外した131名を対象に,歩数,活発な身体活動を運動療法アドヒアランスの指標とし,ステップワイズ重回帰分析により検討した.
    分析対象者の平均歩数は8,817歩/日,約3METs以上の活発な身体活動は18.7 METs×h/weekであった.運動療法アドヒアランスの高さに最も影響を及ぼしていたのは,運動の自己効力が高いことであった.
    歩数と活発な身体活動はBMIやHbA1cと関連しており,血糖コントロールを良好にするためにも,運動療法アドヒアランスを高めることが必要である.運動療法アドヒアランスを高めるためには,歩数計等を活用し,具体的な数値目標を決め,個人に応じた運動療法を検討することが重要と考える.
  • 吉岡 さおり, 小笠原 知枝, 伊藤 朗子, 池内 香織, 河内 文
    原稿種別: 原著
    2009 年 29 巻 2 号 p. 2_11-2_20
    発行日: 2009/06/29
    公開日: 2011/08/30
    ジャーナル フリー
    目的:本研究の目的は,終末期がん患者とその家族に対する看護師のケアを評価するための看取りケア尺度を開発し,その信頼性と妥当性を検討することである.
    方法:自由記述調査から得られたデータと文献検討に基づき,看取りケア尺度原案を作成した.内容妥当性の検討から尺度原案を修正し,49項目の看取りケア尺度原案修正版を作成した.4施設の看護師562名を対象とする質問紙調査を実施し,尺度の信頼性と妥当性を検討した.
    結果:主因子法-プロマックス回転による探索的因子分析の結果,22項目5因子が抽出され,第Ⅰ因子から順に,【悔いのない死へのケア】【癒しと魂のケア】【苦痛緩和ケアの保証】【情報提供と意思決定のケア】【有効なケアの調整】と命名された.また,共分散構造分析による検証的因子分析を実施した結果,探索的因子分析で得られた仮説モデルの適合度が確認された.尺度の信頼性については,Cronbach's α係数0.91(下位尺度0.67~0.83),再テスト法による信頼性係数0.74で確認された.基準関連妥当性については,家族支援とダイイング・ケア項目,看護師の自律性尺度,終末期医療に携わる看護師の患者ケアに対する満足度尺度で確認され,構成概念妥当性については,既知グループ技法で確認された.
    結論:看取りケア尺度は終末期がん患者とその家族に対するケアの質向上において,有用な尺度であることが示唆された.
研究報告
  • ─樹形モデルの応用─
    堤 千代
    原稿種別: 研究報告
    2009 年 29 巻 2 号 p. 2_21-2_28
    発行日: 2009/06/29
    公開日: 2011/08/30
    ジャーナル フリー
    【目的】 近年,注目されているメタボリックシンドローム(MS)に対する有効な保健指導を目指し,健診時に得られる問診データを用いて,健診受診者に対してMSに関する特徴づけを行った.
    【方法】 健診センター受診者30歳以上18,849名の健診データを用い,樹形モデルを用いた生活習慣行動プロファイル作成を行い,プロファイル間の相対的なリスク評価,再現性の評価を統計的に検討した.
    【結果】 各性別年齢階級において,「食べ過ぎたと思うことがよくある」が共通のリスク因子であった.その他「早食いである」,「歯磨きの回数」および「歩行以外の運動」がリスク因子として挙がった.テストデータによる評価において,男性のプロファイルは適用可能性が高いことが示された.
    【結論】 作成されたプロファイルは,現場での保健指導に適用しやすく,解釈可能であり,樹形モデルによる探索的データ解析手法は,健診データを保健指導に利用するための方法として有用である可能性が高いことが示された.
  • シェリフ多田野 亮子, 田中 文子, 吉田 俊昭, 尾原 多津子, 吉川 知佐乃, 分島 るり子, 古島 智恵
    原稿種別: 研究報告
    2009 年 29 巻 2 号 p. 2_29-2_37
    発行日: 2009/06/29
    公開日: 2011/08/30
    ジャーナル フリー
    目的:アスベストばく露を受けた人々の不安およびうつ状態と病態像について検討した.
    方法:アスベストばく露後関連病変の検査のために初めてA病院アスベスト外来を訪れた人を対象とした.調査内容は,診察前の不安,不安性格傾向,うつ状態,レントゲン所見,咳嗽や胸痛などのアスベストに関連する症状,年齢および初回ばく露から今回の受診までの期間で,それらの関係をみた.不安とうつ状態は,それぞれState-Trait Anxiety Inventory,Beck Depression Inventoryを使用した.
    結果:受診者138名が分析対象となり,半数以上は診察前に強い不安を感じていた.診察前の不安は初回ばく露からの期間と有意な相関はみられなかった.自覚症状のある人はない人より診察前の不安が強く,うつ状態も強かった.「関連病変あり」群は「異常なし」群に比較し,自覚症状のある割合,診察前の不安,不安性格傾向,うつ傾向すべてにおいて有意に高い値を示した.不安性格傾向は,年齢,初回ばく露からの期間,症状との相関はなかった.
    結論:受診者の半数以上が診察前に強い不安を感じていた.関連病変のみられた人は異常なしの人に比べ,不安およびうつ状態も強く,症状のある割合も高かった.これらの結果はアスベストばく露を受けた人々への精神面でのサポートの必要性を示唆するものである.
第28回日本看護科学学会学術集会
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