わが国の看護行為がICNP
®によりどのように記述できるかを検証し,記述の際の問題点を明らかにするとともに,ICNP
®導入に向けた課題について検討した.
研究方法は,看護行為用語分類(日本看護科学学会編)に収録されている用語のうち,「観察・モニタリング」「基本的生活行動の援助」「身体機能への直接的働きかけ」の3領域94語のICNP
®表現構成ガイドラインに基づく記述と結果の検証である.
結果として,ICNP
®により約70%の看護行為用語の内容をほぼ的確に表現でき,ICNP
®による記述の実用性が示唆される一方で,ICNP
®では抽象的な表現しかできなかったものが約20%,看護行為用語の一部の内容しか表現できなかったものが約10%あり,ICNP
®用語の不足が示された.さらに,清拭など看護として重要な行為用語が端的に記述できないなど,用語の追加の必要性や軸の定義とその使い方などの検討課題が明らかとなった.
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