目的:就労後看護師の疲労感軽減に,ヒーリングタッチが有効であるか検討する.
方法:研究デザインは無作為化比較試験(RCT)である.調査対象は,東京都内のA病院に勤務する,日勤勤務終了直後の常勤看護師76名である.調査方法は,対象者を無作為にヒーリングタッチ群または対照群に分け,両群とも20分間の介入をした.測定項目は,主観的評価として,疲労感(VAS)と疲労にまつわる気分(POMS)を介入前後に測定した.客観的評価として,指尖脈波による自律神経活動(心拍数,HF,LF/HF)を介入前・中・後において測定した.
結果:1. VASの変化量は,ヒーリングタッチ群の疲労感が有意に軽減した(
p<0.01).2. POMSの変化量は,総合的な気分状態を表すTMD得点が,ヒーリングタッチ群は有意に改善していた(
p<0.05).3. 自律神経活動では,ヒーリングタッチ群において介入中にHFが有意に上昇し,副交感神経活動が亢進していた(
p<0.05).心拍数,LF/HFは変化が見られなかった.
結論:就労後の看護師がヒーリングタッチにより,疲労感が軽減されることが示唆された.
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