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丸山 菜穂子, 堀内 成子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
1-10
発行日: 2024年
公開日: 2024/07/10
ジャーナル
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目的:産科にてDomestic Violence(DV)スクリーニングと陽性者への支援に組織的に取り組む施設と取り組んでいない施設の看護職のDV被害妊産婦への関わりを明らかにする.
方法:質的記述的研究デザイン.DVについて尋ねた,または告白された経験をもつ看護職に半構造化面接を行い,得られたデータを内容分析した.
結果:組織的に取り組む施設に勤務または勤務経験をもつ看護職は,組織の基本的ルールに従うか経験を生かして安全安心な環境を作り,暴力による影響を理解して寄り添い,直接暴力の状況を確認し,女性の力の回復を目指した個別支援を行っていた.組織的取り組みがなくDVの学習歴が少ない看護職は,看護の基本的対応のみ行い,直接暴力について聞かずに関わり続け,個別支援は不明確であった.
結論:DV対応に組織的取り組みは必須であり,看護職への暴力・トラウマに関する継続教育が必要である.
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伊富貴 初美
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
11-21
発行日: 2024年
公開日: 2024/08/27
ジャーナル
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目的:退院支援においてRelational Coordination 理論を基盤としたアクションリサーチを行い専門職種間連携に生じる変化のプロセスを明らかにした.
方法:退院支援に関わる専門職種16名が参加し,そのうち5名のコアメンバーが研究を推進した.退院支援を要する患者12名とその家族に対して2職種以上による面談を実施した.
結果:12事例を分析し,専門職種間連携の変化の観点から3つのフェーズ〈定石通りの退院支援に起きる専門職種間の退院目標の食い違いと患者の思いを知ろうとしていなかったことへの気づき〉〈退院に向けた面談に同席する専門職種が広がり,患者・家族の語りを一緒に見聞することによる創造性の向上〉〈専門職種間の相互依存性を高め患者・家族の抱える難題に向き合う対応力の進歩〉を見出した.
結論:RC理論を基盤としたアクションリサーチを通じて退院支援における専門職種間連携の変化のプロセスが明らかになった.
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本田 智治, 石松 祐二, 辻 麻由美, 大山 祐介, 吉田 浩二
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
32-41
発行日: 2024年
公開日: 2024/08/27
ジャーナル
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目的:九州圏内の救急領域の看護師における代理意思決定支援の実践状況とその実践に関連する要因を明らかにする.
方法:九州圏内の救命救急センター看護師603名に対し,救急・集中治療領域の終末期治療における代理意思決定支援実践尺度を含めた質問紙調査を行った.代理意思決定支援実践尺度を従属変数として解析した.
結果:分析対象者は123名とした.重回帰分析の結果,代理意思決定支援には道徳的感受性(β = .296, p < .001),看護師経験年数(β = –.203, p = .021),代理意思決定支援の困難感(β = –.183, p = .033),看護師有資格者からの支援体制(β = .189, p = .032)が関連していた.
結論:代理意思決定支援実践には,道徳的感受性,看護師経験年数,代理意思決定支援の困難感,専門看護師や認定看護師など有資格者からの支援体制が関連していた.
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吉井 ひろ子, 鶴身 孝介
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
55-66
発行日: 2024年
公開日: 2024/08/27
ジャーナル
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目的:ギャンブル問題の1年以上の非再発を可能にした家族員の関わりをはじめとする要因を明らかにする.
方法:家族会員17名への半構造化面接の内容を質的記述的に分析した.
結果:家族員への聞き取りの結果から11のカテゴリが抽出された.家族支援が認知行動療法に基づき認知・行動の変容を促していることを参考に抽出されたカテゴリを1.現実認識2.基礎的な行動の変化3.発展的な行動の変化4.意識の変化の4つのグループに整理した.家族が共依存の悪影響を認識し,家族への支援を受け入れ,当事者との境界線を明確にし,共依存関係から脱していく行動変化の中で,当事者の成長の受容や,家族と当事者の回復の相互作用の認識などの意識の変化にも繋る様子が見てとれた.
考察:家族員が問題点を認識し行動や意識における変化の表れが非再発に影響していた.本結果は,ギャンブル障害治療における家族支援の重要性を支持する.
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萩原 瑞恵, 大西 麻未
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
67-77
発行日: 2024年
公開日: 2024/09/07
ジャーナル
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目的:急性期病院に勤務するキャリア中期看護師のキャリア・プラトー化に関連する要因,キャリア・プラトー化とキャリア・コミットメントの関連を明らかにする.
方法:首都圏14病院のキャリア中期看護師1,220名を対象に質問紙調査を行い,429名を分析対象とし,統計的に分析を行った.
結果:重回帰分析の結果,階層プラトー化は上司の関わりが多いこと,昇進基準があることなどと負の関連があり,内容プラトー化は同僚の関わりが多いこと,影響を与えている人がいることなどと負の関連があった.内容プラトー化はキャリア・コミットメントに影響を及ぼしていた.
結論:看護師のキャリア・コミットメントを高めるために,内容プラトー化の抑制が重要であることが示唆された.プラトー化の抑制には昇進基準の明確化やキャリアプランの意識化,上司の関わりとして同僚同士が刺激し合える職場環境づくりも含めた支援の重要性が示唆された.
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緒方 彩乃, 大河内 彩子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
78-89
発行日: 2024年
公開日: 2024/09/07
ジャーナル
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目的:保健師による子どもネグレクト支援の決断のための個人・組織準備性評価尺度を開発し,信頼性および妥当性を検討する.
方法:文献検討や保健師の意見等より尺度原案を作成し,47項目5段階リッカート法にて母子保健・子ども家庭福祉に従事する行政保健師を対象に無記名自記式質問紙調査を行い,359名を分析対象とした.
結果:確証的因子分析による最終モデルの適合度はGFI = .952,AGFI = .931,CFI = .967,RMSEA = .046であった.【保健師個人の価値観・態度】【保健師個人のスキル】【職場内に対する認識・関係性】【関係機関に対する認識・関係性】の4因子15項目から成る尺度が作成された.尺度のCronbach’s α係数は.871,基準関連妥当性を示す相関係数は.465であった.
結論:本尺度の信頼性と妥当性が確認された.ネグレクト支援の決断のための保健師と組織の準備性を評価することができる.
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田中 雅美
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
108-116
発行日: 2024年
公開日: 2024/09/07
ジャーナル
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目的:「間身体性」という概念を採用することによって,18トリソミー児(以下18T)の母親の語りから18T児自身の「主観」に接近していくことである.
方法:Merleau-Pontyの「間身体性」という概念を採用し現象学的研究方法を用いた.加えて,18T児自身の「QOL」を捉えるためにサルトルの概念を用いて説明を加えていった.
結果:一方的に与えられた「18T児の本質」は「QOL」低下させた.他方,18T児自身が「生きられる」ことを証明することによって「自らの本質」を掴み取り,「QOL」を高めていったが,社会的価値を引き受けることができなくなった時には,社会から撤退し最小値の「QOL」を生きていた.
結論:18T児の「QOL」は社会参加によって高められることがわかった.しかし,社会の価値によっては,社会からの撤退を余儀なくされ,18T児の「QOL」は最小値にまで低下することがわかった.
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―コロナ禍での調査より―
堀元 綾乃, 室田 昌子, 岩脇 陽子, 山本 容子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
129-140
発行日: 2024年
公開日: 2024/09/26
ジャーナル
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目的:コロナ禍でNICU・GCUに入院した児の入院中と退院後1か月の母親のストレスと望む支援を明らかにする.
方法:母親を対象に児の退院時と退院1か月後に質問紙調査を行った.SF-8,STAI,対児感情尺度の入院中と退院後1か月の比較はWilcoxonの符合付順位検定,母親のストレッサー・看護師に望む支援は質的に分析した.
結果:対象者は20名であった.母親は入院中には【コロナ禍での面会制限】等に,退院後1か月には【対応が困難な啼泣】等にストレスを感じ,入院中は【面会の確保】等,退院後は【退院後も寄り添い続ける,相談相手・支援者であること】を看護師に望んでいた.身体的健康,接近得点は退院後1か月に有意に上昇した.STAIには変化を認めなかったが,不安に関連したストレッサーは入院中,退院後1か月共に抽出された.
結論:母親のストレスにはコロナ禍が影響しており,児の理解・家族役割の変化への適応を促す介入,継続看護の重要性が示唆された.
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川原 由佳里, 内木 美恵, 鬼頭 幸子, 川上 潤子, 中川 美行, 大西 智子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
141-152
発行日: 2024年
公開日: 2024/09/26
ジャーナル
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目的:日本航空123便墜落事故で行われた看護を,遺体の検案,処置,身元確認に焦点を当てて,明らかにすることである.
方法:歴史研究.この事故において遺体の検案,処置,身元確認,遺族へのケアに携わった関係機関の報告書,関係者の文献,遺族の手記を対象とした.
結果:検案には県,医師会,日本赤十字社の看護職が活動した.看護職は遺体を探す遺族を支援し,損傷した遺体を綿花や新聞紙,段ボールを用いて整復した.身元が確認された遺体に家族が用意した着物を着せ,品物を棺に納めた.活動に参加した看護婦のなかには,数か月,数年経っても,その時の光景や感情がフラッシュバックし,食欲不振や不眠などの症状を呈する人がいた.
結論:看護職は損傷の激しい遺体の処置を通じて,死者の尊厳を守り,遺族の支援を行った.整体は,過酷な状況で死別を経験する人々を支援するため,看護の基本に基づき創発された実践の一つであった.
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竹内 陽子, 加藤 真由美, 田中 浩二, 一ノ山 隆司, 高辻 博志
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
153-163
発行日: 2024年
公開日: 2024/09/26
ジャーナル
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電子付録
目的:日本語版・看護師の自己効力感尺度(Nursing Profession Self-Efficacy Scale: NPSS)の作成における信頼性と妥当性の検証をする.
方法:翻訳尺度作成はInternational Society for Pharmacoeconomics and Outcomes Researchタスクフォース翻訳尺度ガイドラインに準拠した.原版はCaruso et al.(2016)による尺度を用いた.対象者は総合病院の看護師で,無記名自記式調査票による郵送法を行った.
結果:内的整合性Cronbach’s α = .925,Item–Total相関係数r = .413 ~ .734,再検査法r > .812,KMO測度値 .94であった.モデル適合度はCFI = .865,RMSEA = .069であった.
結論:本尺度は信頼性と妥当性があると示唆された.
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深田 順子, 鎌倉 やよい, 八重樫 裕, 北川 功二, 西岡 裕子, 青山 寿昭, 安部 哲也
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
164-176
発行日: 2024年
公開日: 2024/09/26
ジャーナル
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電子付録
目的:食道がん術後患者の食行動に関する看護プログラムの有効性を検討した.
方法:食道がんで食道亜全摘術予定の患者を対象とし,病棟にプログラムを導入する前を対照群,導入後を介入群とした.プログラムは,フローチャートによる嚥下訓練の実施と,患者が食後の不快症状を予防し食事摂取量を調整するための指導で構成された.術前・退院時に嚥下機能検査を,術前から術後3か月間に体重,食事摂取量,食事回数およびQOLを調査し分析した.
結果:対照群26名と介入群25名の反回神経麻痺は各4名であった.介入群は,対照群と比較し食事摂取量にあわせて食事回数を調整できたが,食事摂取量や術前体重比に有意差はなかった.しかし,介入群は,術後3か月には嚥下時のむせの症状スコアが有意に低下し,精神機能のQOLが有意に高くなった.
結論:プログラムは,嚥下時のむせを減少させ,精神機能のQOLを高めることが示唆された.
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榊 由里, 中村 美鈴
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
177-187
発行日: 2024年
公開日: 2024/09/26
ジャーナル
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目的:ECMO離脱困難患者と家族に対するエンドオブライフケアの構造モデルを開発する.
方法:ダブルフェーズ探究的デザインの混合研究法.質的に抽出した54項目の質問票調査を455名のエキスパート看護師に実施した.
結果:【ECMO回路交換にまつわる差し迫った状況下で患者の希望を叶える】を起点に【ICUという限られた環境でECMO継続と患者の安楽について常に自己の実践を問い生を護る】,【ECMO専門の多職種チームで患者の最善を目指す】ことが影響しながら【ECMO離脱困難の逼迫した状況を引き受け患者と家族のそばに居つづける】に集約し,最終的に【家族の心の安寧を追求する】に帰結する5因子から成る構造モデルを導いた.
結論:エキスパート看護師は不確実で逼迫した状況を引き受け,患者とその家族のそばに居つづけ,ICU環境の中で患者が生ききるためのケアを行っていた.
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眞浦 有希, 神出 計
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
188-198
発行日: 2024年
公開日: 2024/09/26
ジャーナル
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目的:高齢者の看取りにおけるAHNの差し控え・中止をめぐる家族介護者の代理意思決定プロセスを明らかにする.
方法:9名の家族介護者へインタビューを行いM-GTAにより分析した.
結果:AHNの差し控え・中止をめぐる代理意思決定を行った家族介護者は,〈医療選択を迫られる動揺〉のなかで〈手がかりの探索〉を行い,〈胃ろう選択の回避〉や〈看取りの決心をかき乱す声〉から【いのちを見捨てるような自責】を抱え,〈時間を延ばすための点滴〉が〈治療なのか,延命なのか〉と自問しながら,『自然で穏やかな最期という望み』をもって,代理意思決定者としてではなく〈ただ家族であること〉から高齢者の最期を見守り,【不確かさと共に続く生活】のなかで代理意思決定の経験を意味づけようとしていた.
結論:家族介護者はAHNの代理意思決定に苦悩と葛藤を抱きながら高齢者を看取り,それぞれの関係性のなかで自身の代理意思決定の経験を意味づけようとしていた.
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武智 尚子, 前川 泰子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
199-207
発行日: 2024年
公開日: 2024/09/26
ジャーナル
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目的:手術室から外科系病棟へ配置転換を希望した看護師が手術看護の経験を活かし成長していくプロセスを明らかにする.
方法:新卒で手術室勤務5年以上の経験を経て,外科系病棟を希望し配置転換した看護師10名に半構造化面接を行いM-GTAを用いて分析した.
結果:配置転換した看護師は【手術室で習得できなかった看護の未熟さを痛感】し【看護師経験年数とのギャップを埋める努力】を行った.そして【手術看護の専門的なスキルが活きる経験】を通して【手術看護経験者としての存在価値を実感】し【自己の看護観の深化】を感じ,手術室と病棟の両方の経験により【強みを活かした自己のキャリアを思い描く】へと至った.
結論:手術室から配置転換した看護師は,手術看護の専門性を活かし患者,看護スタッフと相互作用しながら周術期看護が実践できる看護師へ成長していく.その過程は手術室看護師に対するキャリア形成モデルとなることが示唆された.
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濱谷 雅子, 平原 優美, 小沼 絵理, 沼田 華子, 野口 麻衣子, 菱田 一恵, 岡本 有子, 竹森 志穂, 新幡 智子, 栗田 佳代子 ...
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
218-227
発行日: 2024年
公開日: 2024/09/26
ジャーナル
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目的:訪問看護師向け在宅看取り教育プログラム(PENUT)を開発し,その有効性を検討した.
方法:訪問看護師を介入(I)群とwait list control(C)群に無作為に割り付け比較した.PENUTは講義20項目(2日間)と演習2項目(1日間)で構成した.属性,在宅看取りケア態度,在宅看取りケア件数の質問紙調査をベースラインと各群研修後に行った.
結果:I群62名,C群59名を分析した.I群はC群より有意に死にゆく患者へのケアの前向きさ(3.2 ± 5.1, 0.5 ± 4.1),終末期ケアに対する自信(0.63 ± 0.78,0.28 ± 0.79),医師とのコミュニケーションへの自信(0.52 ± 0.72, 0.04 ± 0.60)が増加し,症状緩和の困難感(–0.43 ± 0.92, 0.07 ± 0.75)は減少した.
結論:PENUTは訪問看護師の在宅看取りケア知識および態度の向上に有効である.
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北島 洋子, 細田 泰子, 根岸 まゆみ, 片山 由加里, 赤崎 芙美, 土肥 美子, Kathie Lasater, Ann Nielse ...
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
228-238
発行日: 2024年
公開日: 2024/10/01
ジャーナル
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電子付録
目的:ラサター臨床判断ルーブリック日本語版(LCJR-J)の信頼性と活用可能性を検討する.
方法:学生7名のシミュレーションをLCJR-Jでレーター4名が評価し,レーター間の一致率を算出した.学生は自己評価を行い,学生とレーター間のLCJR-J得点を比較した.活用可能性をグループインタビューし質的帰納的に分析した.
結果:一致率を算出し,評者間信頼性は許容範囲を示した.LCJR-J得点の有意差は学生とレーター間の「評価・自己分析」以外では認めなかった.活用可能性は学生より【活用によるアドバンテージ】【継続的な学びの過程の可視化】【簡明な評価への志向】【レベルに応じた活用】【ポジティブな表現による学習支援】,レーターより【評価指標としての有用性】【臨床判断の思考の焦点化】【看護実践の開発支援】【臨床シミュレーションの評価】【妥当な評価への志向】を抽出した.
結論:LCJR-Jの評価は一定の一致率を認め,臨床判断の観点を共有でき,継続的な対話での活用により発達的なルーブリックとして活用可能性を有する.
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田辺 紗矢佳, 宮里 琉真, 波光 涼風, 松本 美涼, 重松 潤, 神原 広平, 町野 彰彦, 竹林 実, 尾形 明子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
239-248
発行日: 2024年
公開日: 2024/10/17
ジャーナル
フリー
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目的:看護学生のセルフ・コンパッションを高めるプログラムを開発し,バーンアウト予防に対する効果を検討した.
方法:総合病院附属の看護学生2年生157名に対し,計3セッションの集団授業形式のプログラムを実施した.測定項目は属性,バーンアウト,セルフ・コンパッションとし,介入前後の各変数の平均値の比較検討,各変数の変化量の関連性の検討を行った.
結果:有効回答126名を分析対象とした.介入後にセルフ・コンパッションが有意に向上し,下位因子のうち「共通の人間性」が増加し,「過剰同一化」が低減した.バーンアウトは介入前後で合計得点に有意差は見られなかったが,下位因子のうち「個人的達成感の減退」が有意に改善し,「脱人格化」が有意に増加した.
結論:本プログラムにおける看護学生のセルフ・コンパッションを高める可能性と,バーンアウトの予防に対するセルフ・コンパッションの有用性および課題が示された.
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清水 史恵, 勝田 仁美
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
249-262
発行日: 2024年
公開日: 2024/10/17
ジャーナル
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電子付録
目的:特別支援学校教員による医療的ケアの適切な実施に向け,実地研修を担う学校看護師による教員への支援を明らかにする.
方法:学校看護師456名を対象に無記名自記式質問紙調査を行い,各質問項目の単純集計,自由記述の回答は質的内容分析を行った.また,学校看護師15名に教員への支援について半構造化面接を行い,質的帰納的に分析した.
結果:学校看護師は,子どもの安全と安心と安楽を守りながら,教員への医療的ケアに関する知識や技術の伝達,教員の医療的ケア実施への意欲や安心感を醸成し,医療的ケアを実施できるよう教員を支援する意義を見出し,教員を主体として互いに学びあうという支援をしていることが明らかとなった.
結論:学校看護師が教員を支援するうえで,学校看護師と教員がともに経験から学び合い,学校看護師が教員を理解し信頼し,教員を支援する意義を見出すことの重要性が示唆された.
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平田 美佳
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
263-273
発行日: 2024年
公開日: 2024/10/17
ジャーナル
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目的:がんのこどもと死別した母親が質的研究に参加する利益と負担を記述し,倫理的配慮を考察することを目的とした.
方法:こどもと死別した母親12名を対象とし,研究過程での対象者とのやりとりの記述,面接終了後に実施した質問紙調査結果をデータとし,研究参加の負担と利益の観点から分析した.
結果:研究参加による負担は,面接前の不安や溢れ出るわが子への思い,説明書の言葉への敏感な反応があり,面接前からケアとしての配慮を必要とした.一方,全員が研究参加はよい経験だったと評価し【心の内にしまっていた記憶の蓋をあけるきかっけ】,【改めて,死別したこどもに思いを馳せる時間】,【語ることによる生きる力の高まり】などの利益が抽出された.
結論:遺族研究は,適切な倫理的配慮により,対象に利益をもたらすケアとしての意味をもつ.研究者は臨床的センシティビティを高め,誠実に柔軟に対応することが倫理的な研究実践である.
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~デルファイ法を用いた調査結果から~
田中 幸子, 西垣 昌和, 小山田 恭子, 石橋 みゆき, 池田 真理, 勝田 美穂, 野村 陽子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
286-296
発行日: 2024年
公開日: 2024/10/17
ジャーナル
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電子付録
目的:看護基礎教育において育成すべき政策コンピテンシーの優先順位を明らかにする.
方法:Webサーベイ・モンキーを用いたデルファイ法により,284大学で看護管理学や看護政策論等の科目を担当する教員を対象に,3回調査を行った.政策コンピテンシー8分類77項目について,看護基礎教育で修得する優先順位を7件法で尋ねた.
結果:35人からの回答があった.「社会の問題に関心をもつ」,「看護に関する法律を知る」「社会の変化に照らして医療の変化,患者の意識の変化に気付く」「問題意識を持ち考え続ける」「自分の発言・行動を振り返る」の優先順位が最も高かった.一方,経済学の知識,政治学の知識を持つこと等の優先順位は低かった.
結論:優先順位の高かった,これら政策的思考ができるための基礎となる知識,認識,態度に関するものを基本的な政策コンピテンシーとして看護系大学で教授する体制を整えていくことの重要性が示唆された.
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渡辺 真弓, 宗像 舞, 山内 慶太, 金井Pak 雅子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
308-316
発行日: 2024年
公開日: 2024/10/17
ジャーナル
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電子付録
目的:看護職の超過勤務に関わる部署・病棟要因を明らかにする.
方法:6施設62病棟(急性期一般入院基本料1と特定機能7対1を算定している病棟)に在籍する1,215人のスタッフ看護職の無記名自記式質問紙調査から得られたデータを,令和3年度病床機能報告公表データと結合させた.個人,病棟,病院の3レベルのマルチレベル分析にて超過勤務時間に影響する要因を検証した.
結果:本研究の対象者における超過勤務時間は日勤1回当たり約2時間であった.病棟の平均看護職当たり患者数が1人増加すると病棟の平均超過勤務時間が10分増加していた.一方で,病棟の重症患者割合,平均在院日数,及び1床当たり救急入院数は有意な影響を及ぼしていなかった.
結論:各病棟において看護職当たり患者数が減少すると超過勤務時間が減少する可能性が示唆された.
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大平 幸子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
317-327
発行日: 2024年
公開日: 2024/10/23
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目的:本研究の目的は,地域で暮らす統合失調症をもつ当事者に対して訪問看護師が行うレジリエンス支援の有用性を評価することである.
方法:訪問看護ステーションおよびデイケアを利用している統合失調症をもつ当事者を対象に,本支援を実施した23名を介入群,通常の支援のみを実施した21名を対照群として,3時点(介入前,介入開始2か月後,介入開始3か月後)において自記式質問紙調査をおこなった.
結果:精神障害者のレジリエンスの帰結である治療への取り組み,主観的幸福感,病気の予防と悪化の防止,健康状態の改善は,介入前より介入開始2か月後および介入開始3か月後において介入群が有意に改善を認めた.
結論:本支援は地域で暮らす統合失調症をもつ当事者の服薬意識や薬に対する構え,主観的幸福感,地域生活に対する自己効力感,精神機能の改善を促すための一つの支援になり得る可能性が示唆された.
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~目元の手術の場合~
川副 樹, 板橋 直人, 清野 純子, 宮城 純子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
328-337
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/07
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目的:本研究の目的は,美容整形手術を検討した背景からダウンタイム後までの心理過程を明らかにすることである.
方法:目元の美容整形手術を行った10名にインタビュー調査を行い,その内容を修正版グラウンデット・セオリー・アプローチを参考に分析を行った.
結果:【不満】【葛藤】【辛抱】【絶望】【待望】【満足】の6つのカテゴリで構成され,不満から満足へと至る心理過程を辿った.
結論:対象者は,美容整形手術に対してすべての過程で不満と満足,不安と期待といった対照的な感情を抱きながら過ごしていた.また,常に世間の目を気にしている気持ちが含まれていたため,美容医療に関わる看護師は美容整形手術を行う人へ肯定的な姿勢で関わる必要がある.また,美容整形手術による侵襲の大きさは対象者の心理へ大きく影響するため,アフターフォローの重要性が示唆された.
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齋藤 奈美
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
338-347
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/07
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目的:訪問看護師による心不全患者の生活や身体の“いつもとの違い”からの心不全の増悪の判断を明らかにする.
方法:心不全患者の担当経験のある訪問看護師5名に面接し,質的記述的に分析した.
結果:分析の結果,【患者のいつもの生活をあらかじめ把握して訪問する】【いつもと違う言動や症状から心不全の増悪を疑う】【心不全の病態をふまえ,いつもと違う原因を探求する】【いつもとの違いから活動と心負荷を推し測る】【心不全を裏づけし,いつもとの違いを判断する】の順に5つの判断を導いた.
結論:“いつもとの違い”とは,いつもの生活との違いであった.訪問看護師は,「いつもの患者の生活や身体の状況を測るものさし」を活用し,心不全患者のいつもを捉えていた.心不全の増悪の判断には,「患者独自の増悪の徴候と判断するものさし」を活用していた.
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江 秀杰, 野崎 真奈美, 永野 光子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
348-357
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/07
ジャーナル
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目的:在日勤務3年後に職場変更した中国人看護師において新たに職場適応する際に抱える困難を明らかにすることである.
方法:来日を斡旋した受け入れ病院で3年間勤務した後に職場変更した中国人看護師13名を研究対象者とし,半構造化面接で得られたデータを質的記述的に分析した.
結果:職場変更した中国人看護師において新たに職場適応する際に抱える困難として,【求められる日本語のレベルが高く適切に意思疎通を図れない】【既卒看護師としてのキャリアは認められず職業的な自己肯定感が低下する】【急性期看護の高いワークロードに効率的に対処できない】等7つのカテゴリーが抽出された.
結論:在日勤務3年後に職場変更した中国人看護師の医療現場適応における困難はコミュニケーション能力の不足および職場による教育的支援の不足が根底にある.職場による切れ目のない教育的支援の必要性が示唆された.
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―技術受容モデルを用いたパス解析による仮説検証―
前田 修子, 蘭 直美, 福田 守良, 森山 学
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
374-384
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/16
ジャーナル
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目的:技術受容モデル(Technology Acceptance Model,以下TAM)に依拠し,訪問看護業務におけるICT活用意向への影響要因を明らかにする.
方法:訪問看護ステーション1,000箇所に調査依頼し,ICT機器活用の実際,ICT機器とネット接続環境充足への認識,TAMに関する調査内容,ICTスキル,コンピュータ不安などについてWEB調査を行った.分析は2業務(日々の訪問看護記録の作成,他機関との利用者情報の共有)において,構造方程式モデリングを用いたパス解析を行い,適合度を検証した.
結果:回答入力があった看護師146名を分析した.2業務ともに,コンピュータ不安が使いやすさと有用性に,使いやすさは有用性に,有用性は態度と活用意向に,態度は活用意向に影響を与えるモデルとなり,良好な適合度が得られた.
結論:ICT活用の推進には,看護師への有用性への働きかけと,ICT機器とネット接続環境充足への支援,コンピュータ不安を取り除く教育機会を整えることが重要である.
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成田 康子, 加藤 憲司, 洪 愛子, 東 ますみ
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
385-396
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/16
ジャーナル
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目的:退院支援看護師の多職種連携実践能力を向上させる教育プログラムを開発し,その効果を検証する.
方法:教育プログラム受講の有無による2群間前後比較デザインである.ARCSモデルに基づくラボラトリー方式の体験学習を特徴とする,主体的に学び続けることを意識化する教育プログラムをオンラインで提供した.
結果:退院支援実践能力における見積力,合意形成力,調整力,および多職種連携実践能力におけるプロ信念,チーム目標達成は有意に上昇したが,チーム運営,患者尊重ケア,チーム凝集性,専門職役割遂行は有意な上昇は認められなかった.
結論:本教育プログラムは,必要な知識の獲得とピアサポートや在宅で活躍する多職種との対話による退院支援看護師の役割や信念の明確化,尺度を用いたリフレクションによる主体的な取組の意識づけによる効果が示唆された.今後も多職種連携実践を積み現任教育を継続する必要がある.
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―患者のニーズに応えられたという手応えのある経験のインタビューから
川端 京子, 池田 真理
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
397-407
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/16
ジャーナル
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目的:卓越した看護実践を行うジェネラリスト・ナース(ハイパフォーマー)の看護実践内容とその獲得に至る背景を明らかにする.
方法:所属長の推薦があった16名に半構造化面接を実施し,継続比較分析及び質的内容分析を行った.
結果:【タイミングを図って患者・家族に意図的に介入する】【やり取りを通して患者が納得して主体的に取り組める姿勢を引き出す】など看護実践7カテゴリが生成された.また〔患者の生活に寄り添い希望を叶えることを大切にすることが行動につながる〕など獲得背景5コアカテゴリが生成された.
結論:看護実践すべてのカテゴリに〔患者の生活に寄り添い希望を叶える〕獲得背景のコアカテゴリが関連した.実践の背景として患者を思う気持ちは不可欠であると考える.また卓越した看護実践のカテゴリに関連する獲得背景のコアカテゴリは複数あったことから,ハイパフォーマーの経験の多様性が示唆された.
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出貝 裕子, 勝野 とわ子, 青山 美紀子, 森田 牧子, 前田 優貴乃
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
408-418
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/16
ジャーナル
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目的:秘匿感情をもつ若年性認知症家族介護者が,認知症の進行と共にどのような経験をして開示していったのかを記述し理解することであった.
方法:質的記述的研究デザインを用い,若年性認知症家族介護者8名に対し,半構造化面接によりデータを収集した.
結果・考察:秘匿感情とその生じる背景として,【保持したいプライバシー】【偏見の存在】【守りたい自身の自己像】が抽出された.時間の経過とともに開示していく中で【相手との関係性に左右される開示抵抗感】【開示により生じる支障の見積もり】【開示により目指す当事者の希望の実現】【認知症の進行とともに変動する開示して得る支援ネットワークの必要性】【疾病受容に伴うセルフスティグマの変化】【開示の扉を開く外力】等を経験していた.介護生活の見通しを立てる支援,家族介護者の秘匿あるいは開示に対する認識や価値づけをアセスメントし心に寄り添う支援を行う必要性が示唆された.
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―質問紙調査による検討―
近 文香, 坂井 さゆり, 菊永 淳, 横野 知江, 宮坂 道夫
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
419-430
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/28
ジャーナル
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電子付録
目的:進行期パーキンソン病(APD)患者の在宅生活の継続および中断に関連する要素の重要度を明らかにし,潜在する重要因子を探索すること.
方法:文献を用いた質的帰納的分析から生成した質問紙により,全国のパーキンソン病患者会会員とAPDケアに携わる医師・看護師に調査を実施した.
結果:有効回答数は158であった.記述統計と因子分析の結果,進行期PD患者の在宅生活を継続する重要因子は[多職種アプローチ][セルフケア][専門医へのアクセス]の3因子14要素,中断する重要因子は[介護者支援][介護ニーズ][精神症状][転倒経験][排泄動作]の5因子20要素で構成された.因子のクロンバックα係数は0.736~0.956で,概ね良好だった.
結論:APD患者の在宅生活の継続および中断に関連する重要因子が8因子34要素明らかになり,APD患者の在宅生活支援に向けた評価指標に活用できると考えられた.
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為永 義憲, 佐々木 詩子, 篠崎 惠美子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
431-441
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/28
ジャーナル
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目的:学生の訪問看護ステーションへの就職を後押しした訪問看護師の実習指導の内容を検討する.
方法:新卒訪問看護師,訪問看護ステーションへの就職を希望する学生ら合計6名に半構造化インタビューを行い,学生が認識した訪問看護師の実習指導を抽出した.
結果:研究対象者は,【学生と関係性を築きながら,初めての訪問看護に向けた概要説明】【学生が初めて会う利用者・介護者に,どう関わればよいか心づもりをするための情報提供】【生活の中での看護実践の学生への共有】など5カテゴリーの指導を認識していた.また,【1日の流れややりがいなど,訪問看護師の仕事を知る機会の提供】【新卒訪問看護師採用に関する,採用準備状況や率直な意見の情報提供】など5カテゴリーの指導を認識していた.
結論:訪問看護ステーションへの就職を希望する学生は,訪問看護実践の理解を促す指導に加え,働く場所として捉えてもらう指導を経験していた.
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川村 崇郎, 陳 俊霞, 安田 真美
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
452-462
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/28
ジャーナル
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目的:地域・在宅看護論実習において,看取り期の療養者に同行訪問する看護学生への訪問看護師による学びの支援のプロセスについて明らかにする.
方法:看護学生との同行訪問時に看取り期の看護を経験した訪問看護師9名に半構造的面接を行い,収集したデータをグラウンデッド・セオリー・アプローチで分析した.
結果:13のカテゴリからなる【看取り期の在宅看護を指導するスタンスの省察】という現象が明らかになった.訪問看護師による【看取り期の在宅看護を指導するスタンスの省察】と《気づきのためのヒントの発信》が影響し,《学生に感じる在宅での看取りに関わる意識の芽生え》等,3つの異なる帰結に至った.
結論:【看取り期の在宅看護を指導するスタンスの省察】は実習指導に関する訪問看護師の省察であり,その結果行われる《気づきのためのヒントの発信》によって看取り期の在宅看護に関する看護学生の学びは変化すると考えられた.
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深田 雅美, 土肥 眞奈, 叶谷 由佳
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
463-472
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/28
ジャーナル
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目的:急性期病院看護師による後期高齢患者のインフォームドコンセント(Informed Consent: IC)に関わるアドボカシー実施状況と関連要因を明らかにすること.
方法:急性期病院4施設の看護師485名を対象とし,看護師の患者アドボカシー概念に基づく治療選択における意思決定支援力測定尺度得点の関連要因を重回帰分析にて検討した.
結果:有効回答は295名,尺度合計得点平均値は67.6 ± 8.9点であった.有意な関連を示した要因は,心理的安全性,個別的ケアの意識,IC時の同席,専門資格の4つであった.
結論:後期高齢患者のアドボカシー実施には,心理的安全性が高いこと,個別的ケアを意識している程度が高いこと,IC時の同席頻度が高いこと,専門資格を保有していること,以上4つの要因が影響していた.
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―化粧ケア関連の教育を受けた看護師の語りから―
大平 智祉緒, 野崎 真奈美, 永野 光子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
482-491
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/28
ジャーナル
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目的:医療・福祉現場における化粧ケア関連の研修を受けた看護師による化粧ケアの行動と意図を明らかにする.
方法:様々な化粧ケアの経験をもつ看護師10名を対象に半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した.
結果:化粧ケアの行動と意図は10のカテゴリに集約された.それらは,化粧前・中・後のプロセスに沿った行動と意図,さらに,プロセス全体を通しての行動と意図のカテゴリに分類できた.看護師は事前に現場スタッフと連携を取り,個別の介入方法により,クライエントと真摯に向き合いながら外見全体を整えていた.単発のケアではなく,評価を組み入れ,繰り返し行い,クライエントが自己を表現し成長できるよう支援していた.
結論:看護師が行う化粧ケアの行動と意図は,全人的なアセスメントを通じて,生きる力を引き出し,相手の成長を促す看護として実施されていたことが示唆された.
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舟木 智恵, 荒木田 美香子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
492-503
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/28
ジャーナル
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目的:住民の防災行動の特徴を分類し,今後の防災教育のあり方について示唆を得ることを目的とした.
方法:2021年にB町の20~89歳の住民1,600人を対象に,防災行動に関する無記名自記式質問紙調査を実施し,主成分分析,クラスタ分析およびχ二乗検定を行った.
結果:回答者は1,062人(回収率:66.3%)であった.住民の928人(99.3%)が何らかの防災行動を実施していた.防災行動の主成分分析から「確実な避難のための準備」「地域関係を維持する準備」「必須ツールのエネルギー確保」等の7成分が抽出された.クラスタ分析では各主成分の実施状況が高いものやいずれも低いものなど7クラスタに分類された.各クラスタは年齢,職業,家族状況,個人の生活習慣,災害自己効力感などにおいて有意な違いがみられた.
結論:住民の防災行動はその主成分からクラスタ化することができ,各クラスタの特徴に応じた防災教育手法の必要性が示唆された.
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深田 順子, 鎌倉 やよい, 山口 真澄, 渡邉 直美, 西岡 裕子, 宮谷 美智子, 髙津 淳, 前田 明弘, 南谷 志野, 安部 哲也
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
504-515
発行日: 2024年
公開日: 2024/11/28
ジャーナル
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目的:周術期におけるサルコペニア予防プログラムを検討するために,食道がん患者における術前補助化学療法(NAC)前・後,術前・後のサルコペニア関連指標および影響要因の推移と,術後骨格筋量指数(SMI)の影響要因を明らかにする.
方法:対象は食道がんでNAC・右開胸開腹食道切除術予定患者27名.NAC前・後,術前・術後(術後第6病日)にSMI,握力,歩行速度,舌口唇運動機能等を測定し,統計解析を行った.
結果:対象は男性23名,平均年齢64.5歳.術後のサルコペニアの発症率は33.3%,NAC前・後,術前と比較し術後の両下肢の筋肉量が有意に低下し,NAC前・後と比較して術後の/pa/,/ta/,/ka/の回数/秒が有意に減少した.術後のSMIを従属変数とした重回帰分析の結果,NAC前のSMI,レジメン,性が有意に影響した.
結論:NAC前から下肢や口唇・舌の運動等の必要性が示唆された.
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峰松 恵里, 佐伯 圭一郎, 村嶋 幸代
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
526-535
発行日: 2024年
公開日: 2024/12/14
ジャーナル
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電子付録
目的:70歳以上の高齢者講習受講者を対象に,運転能力の自己評価と客観的運転評価とを比較し,自身の運転能力を過大評価する者の特徴を明らかにすること,高齢運転者は免許更新時の実車指導を理解し納得しているかを検討することを目的とした.
方法:大分県運転免許センターにて無記名自記式質問紙調査を実施した.質問紙と実車指導の結果から自己評価と客観的運転評価を比較し,過大評価傾向を従属変数とした順序ロジスティック解析を実施した.
結果:有効回答105件(30.4%)を分析した.運転能力の自己評価と客観的運転評価とを比較した結果,5%が自身の運転能力を過大評価しており,過大評価をする者は,「年齢」が高いこと,「危険運転チェック」が低いことが示された.
結論:運転能力を過大評価する者に対し,免許センターの看護職は,安全ゆとり運転の実行や具体的な運転断念の目安を提示する等の指導を予防的に行う必要がある.
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西本 葵
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
536-545
発行日: 2024年
公開日: 2024/12/19
ジャーナル
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目的:本研究は,PICUにおいて生命の危機状態にある子どもと家族のふれあいを促すための看護実践について明らかにすることを目的とした.
方法:PICUにて5年以上臨床経験のある看護師10名に半構造化インタビューを行い,質的記述的に分析した.
結果:看護実践は,【面会前に備える】という準備段階から始まっており,【子どもと家族が会う場面を支える】【家族が子どもと関わりともに過ごせる時間をつくる】という身体接触を含むふれあいを促す介入が示された.さらに,【子どものことや看護師の思考を家族に伝える】【子どもと家族のことを知る】という心理面に焦点をあてた介入も見出され,多岐に渡る内容で構成された.
結論:PICUにおけるふれあいを促すための看護実践とは,身体接触を促すことに留まらず,家族の心理に寄り添い,必要な情報を伝え,ニーズを把握することも含まれた.これは,心の通い合いがあってこそふれあいが成り立つことを示す知見であると考える.
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―複線径路・等至性アプローチによる分析―
田中 陽子, 河野 あゆみ
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
546-556
発行日: 2024年
公開日: 2024/12/25
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電子付録
目的:本研究では在宅重症心身障がい児とその家族の愛着形成過程における影響要因の検討を行うことを目的とした.
方法:在宅重症心身障がい児の家族10名を対象に半構成的面接を実施し,主観的感情はライフラインメソッドを活用した.複線径路・等至性アプローチを用いMAXQDAで分析した.
倫理的配慮:大阪市立大学大学院看護学研究科倫理委員会で承認を得た(承認番号30-4-3)
結果:愛着形成過程について第1期は【予期せぬ困難】,第2期は【在宅での安心感の探索】,第3期は【地域コミュニティへのつながり創出】と時期区分された.影響要因として社会的助勢10カテゴリおよび社会的方向づけ7カテゴリが導かれた.
考察:家族は,生命の危機と向き合い,在宅ケアのため気の抜けない生活の中で地域受け入れ体制への不安を抱えながら子どもとのかかわりを模索した.家族を支える地域エンパワメントが高まることは,安定的な愛着形成過程の支援につながると考える.
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鍋島 純世, 飯盛 茂子, 安東 由佳子
原稿種別: 原著
2024 年44 巻 p.
557-566
発行日: 2024年
公開日: 2025/01/30
ジャーナル
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目的:訪問看護師による高齢者の難聴ケアに関する困難を明らかにすること.
方法:訪問看護師21名を対象に,高齢者の難聴ケアに関する困難についてフォーカスグループインタビュー調査を実施し,計量テキスト分析を実施した.
結果:訪問看護師は〔難聴判断や耳鼻科の受診サポートを訪問時間内で実施する難しさ〕〔補聴器の知識不足と難聴対応への戸惑い〕〔難聴高齢者との会話に関する困難〕〔耳掃除に関する不安と準備や時間調整の難しさ〕〔難聴ケアにおける他職種との協働・連携の希薄さ〕について困難を抱えていた.
結論:高齢者の難聴ケアを実施する訪問看護師に対し,難聴ケアに関する知識や技術,コミュニケーション方法や難聴ケアに携わる専門機関や専門職との連携に関する教育的支援の必要性が示唆された.
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