日本看護科学会誌
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5 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • -高知女子大学看護学科30年のあゆみを通じて-
    山崎 智子
    1985 年 5 巻 1 号 p. 2-11
    発行日: 1985/10/15
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
  • -術後1日目離床による下肢筋断面積減少抑制効果の検討-
    数間 恵子, 佐藤 禮子, 井上 智子, 雄西 智恵美, 浜崎 祐子, 石黒 義彦, 小島 操子
    1985 年 5 巻 1 号 p. 12-19
    発行日: 1985/10/15
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    術後1日目よりの離床が特に老人患者の下肢筋力に及ぼす影響を知るために, 消化器疾患手術患者を対象として, 1日目離床群 (40~59歳; 9例, 60歳以上; 12例) と対照群 (40~59歳; 8例, 離床日3.1±0.8日, 60歳以上; 11例, 離床日4.4±1.7日) について, 生理学的筋力をあらわす筋断面積を筋力の指標として, 大腿周径および皮下脂肪厚より筋断面積を算出し, その術前術後の変化を継続的に調べて以下の結果を得た.
    1. 1日目離床群の術後の下肢筋断面積減少率は, 40~59歳および60歳以上の両年齢グループとも, 対照群に比べて少なかった.
    2. 1日目離床群の40~59歳と60歳以上とは, 術後の下肢筋断面積減少率は同様の推移を示したが, 対照群では, 60歳以上の方が40~59歳に比べて減少率が大きかった.
    3. 60歳以上の対照群では離床日の遅いものほど筋断面積減少率が大きかった.
    以上より, 術後1日目よりの離床は下肢筋力低下を抑制し, 特に60歳以上に効果が大きいといえる.
  • 木下 幸代
    1985 年 5 巻 1 号 p. 20-27
    発行日: 1985/10/15
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究では, 東京都内の一医療機関において, 受診している患者層および患者のかかえる問題に相違があると思われる3部門の糖尿病患者を把握し, 自己管理上の問題をもつ患者について, 自己管理を困難にさせた要因を明らかにすることを目的とした.
    調査を実施した病院は, 入院部門・外来部門のほかに糖尿病クリニックをもっている. これら3ケ所で糖尿病と診断された患者すべて (延べ465人) を対象として, 診療記録から患者のプロフィールおよび糖尿病の状態を調査した. さらに, 自己管理上の問題をもつ患者について, 心理社会的情報を看護記録から追加収集し, 分析を試みた.
    患者の年齢は50代が最も多かった. 70歳以上の老人層は入院群に多く, 特に女性では, 40.9%を占めていた.
    自己管理上の問題があり糖尿病のコントロールも悪い患者は, 入院群・クリニック群の333人中108人 (32.4%) であった. また, ほとんどの患者は「食事療法に関する問題」をもっていた. 自己管理を困難にさせた要因は, (1)理解力の不足, (2)知識の不足, (3)病識の欠如, (4)意志の弱さ, (5)職業上の制約, (6)家族の支援の不足, 等であった.
  • 筒井 真優美
    1985 年 5 巻 1 号 p. 28-37
    発行日: 1985/10/15
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    入院による児の情緒的混乱を軽減するために様々な対策が施されたが, 2歳児にはあまりり効果がなかったと報告されている. そこで, 本研究では, 入院による2歳児の情緒的混乱と面会時における親の児への支援との関係を, 親の面会, 児のシグナルに対する親の気づき, 親の行動の3点について分析した. 本研究の理論的根拠は, 危機理論とEriksonの発達理論である.
    対象の17事例のうち, 情緒的混乱が認められたのは7事例 (I群), 他の10事例 (II群) には情緒的混乱は認められなかった. I群とII群の対象の属性, 親の面会回数, 親の児のシグナルに気づく回数, 親の言語・行動回数には有意差はなかった. しかし, 各事例毎に有意差のある親と児の行動等を分析した結果, 児の情緒的混乱を軽減させると思われている親の行動 (視覚的, 触覚的行動など) が必ずしも情緒的混乱を軽減させなかった. その反面, 親の微笑がなかったり, 否定・指示命令の言語が多いことは, 児の情緒的混乱に影響を及ぼす可能性があった.
    この結果から, 親の適切な支援とは, 画一化されたものではなく, 緊張の高まりによって異なる児のシグナルに親が気づき, それらを暖かく受容し, 児が独自の方法で対処していけるように励ますことだと考えられる.
  • -一年コースの看護教育施設における比較分析を中心に-
    浜田 悦子
    1985 年 5 巻 1 号 p. 38-47
    発行日: 1985/10/15
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    今日, 看護婦の質的発展を求めるさまざまな要請に応えるためには, 何よりも看護婦教育を担う看護教師の教育こそ重要である.
    本稿では, 看護教師教育の中で, とくにその教育課程の現状について分析し, 解決すべき問題点を明らかにしようとする.
    その分析対象としては, 現在看護教師教育の中心となっている一年コース-厚生省看護研修研究センター看護教員養成課程, 神奈川県立看護教育大学校, 日本看護協会看護研修学校, 日本赤十字社幹部看護婦研修所におけるものを取り上げる.
    これら4校における教育課程の比較分析から, 今日の看護教師教育の教育課程の特色を要約すると, 看護教科教育型, 看護学専門型, 基礎教育重点型等におよそ分類することができる. これらの結果に基づいて, 今後はさらに看護教師の専門職化に必要な看護教師教育の基礎的・共通的な内容を, 看護学, 教育学等の面から科学的に解明する必要がある.
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