日本看護科学会誌
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8 巻, 2 号
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  • 正木 治恵
    1988 年 8 巻 2 号 p. 2-16
    発行日: 1988/10/30
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    透析治療の開始は, 患者のそれまでの生活や自己概念を否応なしに変えてしまう. 特に青年期はアイデンティティの確立過程であることや, 種々の問題に対処していく能力も十分には育っていない時期であるため, 透析への適応が困難であると思われる. 本研究は, 青年期透析患者の自立を促す看護を明らかにする目的で行った.
    自己管理面・社会復帰面の問題が容易に解決されない青年期の男性患者1名に対し, 相談・面接の方法を用いた援助を行い, 患者の持つ問題の特性と援助方法, ならびにその意義を検討した.
    その結果, 患者-看護婦間の相互変容過程を経て, 患者の自立が促された. また, 青年期男性透析患者にとって, 透析前の身体的活動能力へのこだわりが, 透析患者としての自己概念の形成を妨げている大きな要因になっていることがわかった. その身体的活動能力へのこだわりを解決するためには, 患者が活発に活動していた過去の自分に対する気持ちを自由に語ることができ, 患者の自尊心が尊重される場を提供する援助が有効であった.
  • -経腟分娩の婦人との比較-
    東野 妙子, 近藤 潤子
    1988 年 8 巻 2 号 p. 17-32
    発行日: 1988/10/30
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    帝切分娩では経腟分娩に比較してより多くの喪失を体験すると報告されている。本研究では, 予定帝切の初産婦 (帝切群16名) の喪失体験の内容とその原因および悲嘆過程の分析を目的とし, 経腟の初産婦 (経腟群16名) の喪失体験と比較検討した。帝切群は設定した8種の喪失のいずれかを体験し, 中でも母親役割期待, 出産機能の喪失および母親役割期待と出産期待の喪失の組み合わせを経腟群よりも有意に多く体験した。帝切群は経腟群に比較して悲嘆感情が長く続く傾向があり, 出産期待の喪失の場合, 帝切後における, 日頃支持的存在であった夫や実母への悲嘆作業時の感情表出の有無が悲嘆感情の持続期間に影響をおよぼし, 表出のなかった者に長期間持続することが統計学的に明らかになった。また予期的悲嘆をした者は喪失による実際の衝撃が軽減されていた. 以上のことから, 悲嘆作業への援助の重要性が示唆される.
  • 松岡 恵, 小山 真理子, 近藤 潤子
    1988 年 8 巻 2 号 p. 33-41
    発行日: 1988/10/30
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    日本の母性領域における看護の研究の数, テーマ, 研究方法, 結果の分析方法の動向を明らかにする目的で1952年から1985年までに発表された論文356件を規準に従って分類し分析した.
    その結果, 研究数は増加し, 特に教育機関と臨床看護者との共同研究が多いことが明らかになった. 研究の焦点はどの年次も妊産褥婦の身体に関するものが最も多いが1980年以降, 父親, 思春期, 妊産褥婦の心理など様々なテーマを取り上げるようになった. 研究方法は, 1960年までは事例に関する報告が60%以上であったが, 1980年以降は調査研究が60%以上を占めるようになった. データ収集方法はどの年次も既存の記録によるものが最も多く, ついで質問紙によるものが多かった.
    今後改善が望まれる点は, 研究課題に関する充分な文献検索, 考察の論理的な記述, 統計的手法の活用などであった.
  • 佐藤 禮子
    1988 年 8 巻 2 号 p. 42-47
    発行日: 1988/10/30
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
  • -第3回, 第4回研究討論会検討内容の報告-
    中西 睦子
    1988 年 8 巻 2 号 p. 48-70
    発行日: 1988/10/30
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
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