におい・かおり環境学会誌
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36 巻 , 6 号
NOVEMBER
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集(PCBのにおいと処理)
  • 細見 正明
    2005 年 36 巻 6 号 p. 315
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/29
    ジャーナル フリー
     今回の特集は,私個人のこれまでの想いとこれからのPCB処理の進展を願って組ませていただいた.私の系譜とも関連するので,少し紹介させていただきたい.高校時代に進路を決めるころ(昭和46年から47年),新聞やテレビでは,メチル水銀による水俣病やPCBによるカネミ油症,魚介類の重金属汚染,四日市ぜんそく,などの公害問題が毎日のように報道されていた.そのため何とか解決する方法はないものか,解決に貢献できないものかと環境分野に進んだ.その中でもPCBは優れた化学物質として利用されたものが環境中で生物濃縮され,毒性を示す厄介な物質として注目された.
  • 廣中 博見
    2005 年 36 巻 6 号 p. 316-322
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/29
    ジャーナル フリー
     カネミ油症原因油を食べたかもしれない筆者は,PCB分析との30年の長い付き合いで,PCBを鼻で分析できるようになった.JICA((独)国際協力機構)専門家としてタイ国家環境委員会に3年間赴任の間に,「タイ王国におけるPCBの運命」を“嗅覚”で追求した.
  • 細見 正明
    2005 年 36 巻 6 号 p. 323-330
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/29
    ジャーナル フリー
     八王子市の小学校で起こったPCB含有蛍光灯安定器の破裂事故を契機にPCBの「におい」を認識した.実際に30年程度使用されてきた蛍光灯安定器から,PCBのにおいを感じた.そこで,劣化したPCB含有安定器からPCBが揮発する可能性を明らかにするため,PCB含有安定器を使用している室内と使用していない室内に含まれるPCBを測定し,比較するとともに,PCB含有安定器をチャンバーに入れて通気し,PCB揮発の有無を確かめた.その結果,PCB含有安定器を使用していない室内の空気ではPCBは検出されなかったのに対し,PCB含有安定器を使用している室内では26~110ng/m3のPCBが検出された.これより,PCB含有安定器からのPCBの漏洩の可能性が確認された.一方,チャンバー実験からは,PCB含有安定器からのPCBの揮発が認められ,さらに検出されたPCBの組成は安定器を使用していた室内のPCBの組成と類似していた.これより,PCB含有安定器が室内PCB汚染の原因の1つである事が推定された.
  • 立川 裕隆, 吉本 範男, 児玉 宅郎
    2005 年 36 巻 6 号 p. 331-338
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/29
    ジャーナル フリー
     本稿では,PCB廃棄物処理事業を主な業務として法に基づき設立された日本環境安全事業株式会社による処理施設の整備の進捗状況,外部有識者によるPCB廃棄物処理事業検討委員会の指導・助言を得て整理してきた安全設計,作業従事者の安全衛生管理などを紹介した.また,すでに操業を行っている北九州PCB廃棄物処理施設(第1期)および豊田PCB廃棄物処理施設については,個々の機器調整から実際にPCB廃棄物を持ち込んで処理し,施設全体のPCB除去性能を確認するという一連の試運転を実施し,すべての処理済物がPCBの卒業判定基準を満足していること,排気中のPCBなどの濃度が管理目標値を下回っていることなど,安全操業のための各項目を確認したので,その概要を紹介した.
  • 高田 誠
    2005 年 36 巻 6 号 p. 339-344
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/29
    ジャーナル フリー
     近年,PCBの化学処理プラントの計画,運転が実施されている.多くの処理プラントでは気相中有害物の除去技術として,活性炭による吸着除去法が用いられている.しかし,毒性も高く,異性体数の多いPCBについて,活性炭吸着挙動に関する詳細な検討は少ない.ラボスケールのカラム流通式吸着実験装置を製作して行われたPCB蒸気の活性炭への吸着試験の結果より,破過曲線を作成した結果,D2CBs,T3CBs,T4CBsの順で破過が進行していることが分かった.さらに異性体ごとに破過曲線を作成したところ,破過時間に明らかな差が見られた.各異性体の蒸気圧と破過時間に着目すると,蒸気圧が高い異性体から先に破過していることを確認した.さらに溶剤洗浄施設を想定したPCBと溶剤の競合吸着系においても,PCBの吸着量には影響を及ぼさないことが報告されている.
研究論文
  • 高野 光雄, 佐々木 勝考, 武藤 猛, 杉本 岩雄, 三田地 成幸
    2005 年 36 巻 6 号 p. 345-355
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/29
    ジャーナル フリー
     野外に咲く20種類のバラの香りを,応答特性が異なる6つの水晶振動子型においセンサアレイにより測定した.花弁部分に捕集袋を被せることにより気体のまま捕集した香りを,純空気に対する応答パターンを基準とした変化量として測定した.濃度によらず芳香の種類で区別するための特徴量を定義し,この特徴量を主成分分析法とk-平均クラスタリング法で分析した結果,品種との関連からバラの香りを複数個に分類できる可能性を示した.また,バラの香りを大気と揮発物質の混合体(におい成分)として考えると,バラの香りの分類には,水晶振動子上の吸着膜の化学的な応答特性が反映されている可能性を示した.
調査報告
  • 伊藤 雄一
    2005 年 36 巻 6 号 p. 356-363
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/29
    ジャーナル フリー
     中小規模の印刷・塗装工場を対象としたVOC脱臭処理装置の技術評価を行うことで,技術開発・普及を促進し,VOCを原因とする臭気対策の一層の推進を図ることを目的に,技術評価手法を中心に調査・検討した.その結果,処理性能だけでなく,経済性などについても技術評価する必要性が確認された.また,現行の処理装置は,小型化は進んでいるものの,処理風量や価格などとの間の整合はとれておらず,いずれの側面からの要求も満たす技術の開発が今後の課題であることがわかった.
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