におい・かおり環境学会誌
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ISSN-L : 1348-2904
41 巻, 1 号
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技術論文
  • 深谷 渉, 松宮 洋介, 西尾 称英
    2010 年 41 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2010/11/25
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    高濃度の硫化水素を含むビルピット排水は,悪臭や管渠の腐食を引き起こすことが知られており,下水道管理者を悩ませる問題の1つである.
    ビルピット排水により発生する悪臭は,下水道を経由して,雨水桝やマンホールなどの開口部から空気中に漏洩するため,発生源の特定が難しい.さらには,下水道管理者として原因者を取り締まる術がなく,下水道施設で発生する悪臭とビルピット貯留水の水質の関係も明らかでない.
    本稿では,ビルピットの貯留水が下水道施設に硫化水素を発生させるまでの過程について実態調査を行い,その発生の傾向を明らかにした.
研究論文
  • 門 有紀子, 関根 嘉香
    2010 年 41 巻 1 号 p. 8-20
    発行日: 2010/11/25
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    植物は環境ストレスによって特定の香気成分(テルペン類,フェニルプロパノイドなど)を生産・放出する.これら香気成分の生産・放出に及ぼす二酸化炭素(CO2)濃度の影響を調べるため,グロース・チャンバー内に5種類のハーブを設置し,通常CO2濃度およびその2倍濃度(約700ppm)の条件下で,葉から放出または葉に含有される香気成分をガスクロマトグラフ/質量分析計により測定した.その結果,CO2濃度の増加に伴い,光合成速度の速い草本植物(バジル,オレガノおよびレモンバーム)では香気成分の放出量,含有量および成分組成に有意な変化が見られ,比較的揮発性が低い香気成分の生合成が促進された.一方,木本植物(パイナップルセージおよびレモンユーカリ)では1週間の曝露間では香気成分に明瞭な変化は見られなかった.少なくとも草本植物について,CO2濃度の変化は,他感作用を有する香気成分の生産・放出に影響する可能性が示唆された.
技術論文
  • 髙原 康光, 西川 治光, 大塚 公人, 三原 利之, 鈴木 崇稔, 高木 修, 常吉 孝治, 加藤 克吉, 井原 禎貴, 若 ...
    2010 年 41 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 2010/11/25
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    環境省の委託を受け,中小企業のニーズに合ったVOC分解処理装置を産官学共同で開発した.既報に引き続き,SiCを利用した通電発熱型のプロトタイプについて,処理能力,省エネ性能及び触媒性能の向上を目的に改良を加えた.
    その結果,空間速度(SV)が3,300hr−1において,処理能力は300m3/hrに,熱交換器設置による省エネ効果は40%に達し,触媒性能も10%程度向上した.
    さらに,グラビア印刷工場と金属塗装工場において実証試験を行い,VOC除去率が95%,脱臭効率も98%を達成するなど良好な結果を得た.
    実用化するに当たっては,ダクトワークの改良及びプロトタイプの複数(2〜4機)の導入などにより,効果的な対策が可能なことが示唆された.
Research note
  • 小田切 敬子, 片平 彩香, 安江 健, 鈴木 綾子
    2010 年 41 巻 1 号 p. 28-32
    発行日: 2010/11/25
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    三点比較式臭袋法を用いたイヌの体臭測定について検討した.シャンプー後経過日数19日から105日までの5匹のイヌの匂いサンプルを用いて臭気指数,臭気強度および快・不快度について測定した.その結果,シャンプー後の経過日数と臭気指数の間に強い正の相関関係が認められた(r=0.89,p<0.05)が,臭気指数と臭気強度の間には統計学的に有意な相関関係(r=0.39,NS)は認められなかった.一方,臭気指数が高くなると快・不快度は低くなる傾向がみられたが,両者間には,有意な負の相関関係は認められなかった(r=−0.06,NS).以上より,三点比較式臭袋法を用いてイヌのにおいを測定および評価できることがわかった.
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