におい・かおり環境学会誌
Online ISSN : 1349-7847
Print ISSN : 1348-2904
ISSN-L : 1348-2904
46 巻, 6 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
特集(かおりの嗜好の変遷)
  • 榎本 長蔵
    2015 年 46 巻 6 号 p. 373
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー
  • 田中 結子
    2015 年 46 巻 6 号 p. 374-381
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    近年の柔軟剤や衣料用洗剤などのファブリックケア製品には,香りの品揃えが多く見られ,これらが生活者の購買意欲を高める一因になっている.ファブリックケア製品において香りは重要な役割を占めるようになり,製品のイメージやコンセプトを伝えること,様々な使用場面での使い心地のよさを与えることやターゲット層の高い嗜好性に応えること等,付加価値を向上させる手段として進化してきた.本稿では,日本の柔軟剤と衣料用洗剤にフォーカスし,その香りの変遷と香りに対する生活者意識の変化について紹介する.

  • 矢田 英樹
    2015 年 46 巻 6 号 p. 382-389
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    日本で芳香消臭剤が使われ始めて60年あまり,現在では家庭での手軽なにおい対策商品として,また香りを積極的に楽しむ商品として多くの人に認知され多数使用されるようになっている.芳香消臭剤で使用されている香りは時代と共に大きく変化し,1980年頃までは香りには消臭という機能的価値が求められていた.1990年頃以降は機能的価値に加えて香りを楽しむといった情緒的価値も求められるようになってきた.使用される香りの種類も時代と共に大きく変化しており,当初の比較的シンプルな香りから,最近では上質で高級志向の香りが多く使用されるようになってきている.

  • 荘司 博行
    2015 年 46 巻 6 号 p. 390-397
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    入浴剤は日本独特の商品である.お風呂文化も日本独特であり,これほど生活に密着したものはない.入浴剤の原型「浴剤中将湯」が世の中に出て,110年以上が経過する.入浴剤の初期は,香りより入浴効果を重視した.昭和5年には,「芳香浴剤 バスクリン」が発売され,入浴剤の主役は,効果から次第に香りに移行する.そして,時代とともに入浴剤の形態も多様化した.

    発売当初から現在までの,多様化する入浴剤の変遷を追いながら,入浴剤の主役ともいえる香りの変遷について,香りを創る調香師の目線で考察する.

  • 佐々木 薫
    2015 年 46 巻 6 号 p. 398-402
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    かつて,かおりに疎いと言われた日本人だが,四季の変化豊かな日本の生活では,自然のかおりに恵まれ,四季折々の自然にそった伝統的な習慣がたくさんある.かおりある暮らしは,意識されることなく日本人の身近にあったと言えよう.そんな日本でハーブ・アロマテラピーが広まるのは当然とも言える.しかし,その導入と成熟には,時代に即した日本人の思考,心の成熟が背景にある.かおりへの関心は高まる一方であるが,そのきっかけとなったハーブ,アロマテラピーが日本でどのように広がってきたかをたどりながら,約半世紀を振り返ってみたい.

研究論文
  • 安藤 史織, 綾部 早穂
    2015 年 46 巻 6 号 p. 403-411
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    本論文では,人間のニオイの発生源探索行動に関する実験について報告した.日常生活の中で私たちは,ニオイのする方向を向く,ニオイのする方に鼻(頭部)を近づける,といった行動により,ニオイの発生源を定位するが,その探索行動を系統的に検討した研究は少ない.本稿では,実験参加者にテーブル上(2次元平面)に配置されたニオイ発生源を探索させ,その時の呼吸および身体上部の動きを分析した.探索時の行動には,ある場所から「嗅ぎ始め」,ニオイがありそうな範囲を「絞り込み」,最終的にニオイの位置を「決定する」という共通した過程が認められたとともに,全体を嗅ぎ回る,範囲を限定して嗅ぐなど個人間の探索方略の差異も観察された.また嗅ぎ始めに上半身を左右に大きく揺れ動かして探索する方略は,環境中における気流の状態を変え,ニオイガスを周辺に拡散させることにつながるために,正しい定位には適切ではない可能性も示唆された.

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