におい・かおり環境学会誌
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46 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集(バイオマス利活用施設の臭気対策)
  • 佐藤 純一
    2015 年 46 巻 1 号 p. 1
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー
  • 菅原 良
    2015 年 46 巻 1 号 p. 2-13
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    地域資源であるバイオマスの活用は,農林水産業を含む地域活性化に貢献し,そのカーボンニュートラルという特性から,循環型社会の構築や地球温暖化防止対策としても,国の施策として多様な活用が進められている.しかし,特に廃棄物系のバイオマスを取扱う施設は悪臭問題の原因となる場合があることから,施設の設計や建設,運転管理に十分に注意する必要がある.

  • 中崎 清彦
    2015 年 46 巻 1 号 p. 14-19
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    高速コンポスト化のために通気操作がおこなわれるが,通気が不十分なときには嫌気状態となる.好気条件ではアンモニアが大量に発生するが,嫌気条件では有機物が部分酸化された多種類の閾値の低いきわめて不快な臭気成分が発生する.臭気成分のうち,窒素含有成分は硝化菌で,イオウ含有成分はイオウ酸化菌で酸化することによって脱臭が可能であるが,いずれの微生物も高温コンポスト中では活性を有しない.コンポスト中で微生物を生かして利用していくためには,コンポスト化の機構を正しく理解する必要がある.

  • 鈴木 郁男
    2015 年 46 巻 1 号 p. 20-24
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    堆肥化施設の構成には原料を受け入れるための原料受入工程,前処理(混合調整)工程,発酵工程では1次発酵,2次発酵となり,脱臭工程,堆肥保管工程,袋詰め工程がある.これらの工程はすべて重要であるが,昔ながらの堆肥化施設には堆肥舎だけの発酵工程のみの施設が数多くあり,良好な好気性発酵にするための前処理不足や,発酵時の切り返し不足によって好気性発酵が阻害され,良好な堆肥が出来ないばかりか,多くのにおいを出してしまう施設が多く見受けられる.これらを改善するために必要な工程を追加すること,新規で検討する場合も必要な工程には留意することにより,良好な堆肥化が促進され,においの低減につながる.本稿では,上記の工程にそって堆肥化施設の構成に関して解説する.

  • 佐藤 純一, 小西 和也
    2015 年 46 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    バイオマス利活用施設では,有機物の腐敗等により臭気が発生しやすい.そのため,臭気の抑制,確実な捕集,適切な脱臭処理といった厳密な臭気管理が求められる.食品系廃棄物を対象としたバイオガス化施設は,エネルギー回収の観点から有望視されているが,施設で発生する臭気成分についての知見が乏しいため,脱臭装置の設計は主に硫黄系臭気成分を対象にした下水やし尿処理施設の基準を参考にされることが多い.そこで筆者らは,適切な脱臭設備設計のため,バイオガス化施設特有の高濃度臭気を発生する生ごみ受入ホッパ,可溶化槽,脱水機,乾燥機,堆肥化発酵装置といった臭気源の臭気について考察した.

技術論文
  • 村上 栄造
    2015 年 46 巻 1 号 p. 32-39
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    臭気指数の規制地域では,発酵食品工場からの香ばしい排気臭も悪臭規制の対象になる.そこで,発酵バターを加えたイースト発酵食品の焼成排気臭を脱臭対象として,無充填型水スクラバー(処理風量47780m3/h,循環水量850L/min,排水量1.2m3/day,接触時間1.7sec)による脱臭を試みた.その結果,1年間のフィールド実験において,脱臭効率60~80%で安定して脱臭でき,4級アンモニウム塩化合物を循環水槽で500mg/Lになるように投入するとスライム発生抑制に有効であった.

  • 相部 紀夫
    2015 年 46 巻 1 号 p. 40-49
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    身近な薬品である尿素を人体に安全な食品添加物で触媒的に活性化することで「環境にやさしい」低級アルデヒド除去用吸着剤を開発する検討を行った.その結果,尿素と硫酸を温水に溶解して活性炭に添着して調製したものがホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドをよく吸着・除去することを見出した.これらのアルデヒドに関する静的吸着および動的吸着データから本吸着剤表面上において硫酸の触媒的な促進作用によって活性化された尿素分子がホルムアルデヒド分子およびアセトアルデヒド分子と常温付近で容易に反応してそれぞれジメチロール尿素およびモノエチロール尿素を生成する機構でこれらのアルデヒドを化学吸着するものと推測された.本吸着剤は含水状態で少なくとも1年間保管しても調製直後のアルデヒド吸着・除去性能を維持することも判明した.

    工業的な規模で製造した吸着剤を用いてごみ処理場の排気処理を長期間実施した結果,高沸点芳香族炭化水素類の共存下でもppbオーダの極低濃度のアセトアルデヒド,ブチルアルデヒドおよびバレルアルデヒドをほぼ完全に吸着・除去することが実証され,本吸着剤の実用化に成功した.

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