におい・かおり環境学会誌
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48 巻, 4 号
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特集(テイスティングについて)
研究速報
  • 松原 英隆, 今村 弥生, 浦野 絋平
    2017 年 48 巻 4 号 p. 327-332
    発行日: 2017/07/25
    公開日: 2021/06/29
    ジャーナル フリー

    煎茶に含まれる非常に揮発性の高い香気成分の分析方法として,ヘッドスペース中の全成分を冷却濃縮し高感度に分析する方法を開発した.湿潤煎茶をバイアル瓶に密封した後80°Cで1時間保持し,香気成分をバイアル瓶中に気化させた.気化した香気成分は,窒素ガスを流しながら液体アルゴンで冷却したPTFEチューブ濃縮管に導入し,充填した少量の石英ウールに吸着させた.吸着させた香気成分は,1.5分間で180°Cまで昇温して加熱脱離しGC-MSで測定した.GC-MSで検出した成分とGC-Oで感じた香りを比較することにより,香気成分を特定した.

    以上の方法により8種類の香気成分が検出された.これらの中ではっきりと香気を感じたのは,海苔の様な香りのdimethyl sulfideと茶特有の若草の様な香りのcis-3-hexen-1-ol,花の様な香りのlinaloolであった.dimethyl disulfide,1-penten-3-ol,dimethyl trisulfide,1-octen-3-ol,2,6,6-trimethyl-2-cyclohexene-1-carboxaldehydeは,以上の3物質に比較すると香気は弱かった.

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