におい・かおり環境学会誌
Online ISSN : 1349-7847
Print ISSN : 1348-2904
ISSN-L : 1348-2904
49 巻, 4 号
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特集(排水処理施設における臭気対策の現状)
  • 小島 英順
    2018 年 49 巻 4 号 p. 239
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2021/08/13
    ジャーナル フリー
  • 樋口 隆哉
    2018 年 49 巻 4 号 p. 240-247
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2021/08/13
    ジャーナル フリー

    排水処理過程における臭気の発生に関わる重要な影響因子として,微生物活動,特に強烈な悪臭を発生させる嫌気性細菌の活動がある.水中での臭気物質の挙動および臭気物質が液相から気相に移動するプロセスを理解することも重要である.排水処理施設に関連する悪臭対策の基本は,まず悪臭が発生する要因を取り除くことである.そして,発生した臭気物質は外に出さずに捕集して適切に処理する必要がある.悪臭対策の事例として北海道における馬鈴しょでん粉工場の取り組みを紹介した.導入した超深層曝気法は,工場排水およびその畑地散布時の悪臭対策として有効であることが示された.

  • 浦瀬 太郎, 筒井 裕文
    2018 年 49 巻 4 号 p. 248-253
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2021/08/13
    ジャーナル フリー

    下水処理水には,特有のカビ臭があり,そのにおいの原因物質の候補として,2,4,6-トリクロロアニソール(2,4,6-TCA)が考えられる.におい嗅ぎGCによる分析から,2-メチルイソボルネオール(2-MIB),ジェオスミン,2,4,6-TCA,2-イソブチル-3-メトキシピラジン(IBMP)などいくつかの臭気成分が検出された.多数の処理施設の処理水に対してこれらの同定された成分の濃度と臭気指数を測定したところ,2,4,6-TCA濃度の高い処理場ほど,臭気指数が高い傾向が見られた.下水処理場排出ガスの洗浄を次亜塩素酸で行っているケースを模擬して,活性汚泥に次亜塩素酸を接触させたところ,2,4,6-トリクロロフェノール(2,4,6-TCP)の生成とそれにひき続く2,4,6-TCAの生成が見られた.

  • 小島 英順
    2018 年 49 巻 4 号 p. 254-264
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2021/08/13
    ジャーナル フリー

    排水処理施設で発生する硫化水素は悪臭苦情の原因となるだけでなく,人体に有害であることや,排水処理設備の腐食原因になることが知られている.さらに,活性汚泥処理にも悪影響を与え,処理水の水質悪化にもつながる.各種工場の排水処理施設における硫化水素発生状況を調査した結果,その発生状況は工場の稼働状況や生産プロセスで使われる原料にも関係することが示された.薬剤による硫化水素対策を検討した結果では,排水処理設備に適した薬剤を用いることで硫化水素の発生を抑制することが可能であった.

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