におい・かおり環境学会誌
Online ISSN : 1349-7847
Print ISSN : 1348-2904
ISSN-L : 1348-2904
53 巻, 2 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
じんちょうげ
特集1(Covidによる嗅覚感度低下メカニズムと生理)
  • 喜多 純一
    2022 年 53 巻 2 号 p. 132
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/03/17
    ジャーナル フリー
  • 近藤 健二
    2022 年 53 巻 2 号 p. 133-140
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/03/17
    ジャーナル フリー

    新型コロナウィルス感染症では初期症状として嗅覚障害が高率に生じることが知られている.人工呼吸に至るような重症例よりも軽症から中等症に発症が多く,患者の中には鼻閉,鼻汁を含めた上気道炎症状が全くなく,嗅覚障害のみを呈する例もある.半数以上が2週間以内に嗅覚機能を回復するが,一部の患者では長期間症状が持続する.臨床症状は感冒後嗅覚障害と似ているが,10-30歳代の若年層にも発症が多い点が特徴的である.治療については,早期にはステロイドなどの抗炎症治療,症状が持続する場合は漢方薬,亜鉛製剤,ビタミン剤などの内服に加えて嗅覚刺激療法が推奨されている.

  • 岸本 めぐみ, 浦田 真次, 近藤 健二, 山岨 達也
    2022 年 53 巻 2 号 p. 141-146
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/03/17
    ジャーナル フリー

    2019年からパンデミックを起こしている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はSARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)がヒトに感染することにより発症する.嗅覚障害はCOVID-19の急性期だけでなく慢性期合併症の1つとして知られている.SARS-CoV-2は嗅上皮に感染し,上皮を脱落させることで嗅覚障害が生じるとされているが,嗅上皮が再生した後の時期にも嗅覚障害が報告されており,未だに完全に原因が解明されていない.本稿は一般的な嗅覚器の構造と機能および嗅覚障害の病態について説明した上で,これまでに報告されているSARS-CoV-2関連嗅覚障害に関する臨床・実験データを総説したものになる.

特集2(嗅覚感度の簡易測定)
  • 池田 勝久
    2022 年 53 巻 2 号 p. 147-153
    発行日: 2022/03/25
    公開日: 2022/03/17
    ジャーナル フリー

    嗅覚検査は国内外で多くの方法が実施されているが,嗅覚スクリーニング用の検査キットの開発は十分とは言えない.嗅覚スクリーニング用の検査キットに必要な要素としては,ⅰ)嗅覚のみを刺激するにおい物質であること,ⅱ)簡便な操作手順で施行可能なこと,ⅲ)複数回(数十~数百回以上)の使用に耐えること,ⅳ)数ヶ月間の耐用性がある.今回,我々はVerdox(青りんご様のにおい)とSotolon(カラメル様のにおい)から成る「簡易嗅覚確認キット」を開発した.本検査キットは上述した嗅覚スクリーニング用の検査キットに必要な要素を満たし,50歳未満と50歳以上用の2種類の濃度を組み入れた.新型コロナ感染症,認知症/神経変性疾患の早期診断,好酸球性副鼻腔炎の術後の再発診断,嗅覚刺激療法への応用の可能性を言及した.

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