におい・かおり環境学会誌
Online ISSN : 1349-7847
Print ISSN : 1348-2904
ISSN-L : 1348-2904
55 巻, 1 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
じんちょうげ
特集(がん治療に有用なかおり)
  • 佐藤 忠章
    2024 年 55 巻 1 号 p. 2
    発行日: 2024/01/25
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり
  • 園田 英人, 田中 充, 松井 利郎, 沖 英次
    2024 年 55 巻 1 号 p. 3-5
    発行日: 2024/01/25
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり

    我々は,がん探知犬によるスクリーニング法を検証し大腸がんを感度91%,特異度99%の精度で判別可能であり,がんになると特有なにおいが出現することを報告した.培養がん細胞から発生するにおい物質の特定を行い,難揮発性の複数の中鎖脂肪酸類が,乳がん細胞株由来の培養液に高濃度に存在することを明らかにし,これらの中鎖脂肪酸類は,これまでに報告されているがん患者特有の呼気臭の発生と関連する可能性があることを報告した.さらに,乳がん患者は正常者に比して尿への中鎖脂肪酸類排出量が多いことを確認し現在精査中である.

  • 茂山 博代, 李 丞祐, 安細 敏弘
    2024 年 55 巻 1 号 p. 6-13
    発行日: 2024/01/25
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり

    がんの診断には従来,血液検査や内視鏡検査,病理組織検査などが用いられてきたが侵襲性やコストが課題として挙げられる.近年,生体内の代謝物質を網羅的に解析することで疾患の動態を探る非侵襲的がん診断法が注目を集めている.なかでも揮発性有機化合物は,生体と高い病理学的相関を示すことから新たな疾患診断技術となる可能性があるが,口腔領域での応用はいまだ進んでいない.そこで,本稿では口腔がん患者の唾液を試料とした簡便かつ非侵襲的に行える口腔がんスクリーニング法の開発およびバイオマーカーとしての有用性を検証したので報告する.

  • 長田 拓哉
    2024 年 55 巻 1 号 p. 14-19
    発行日: 2024/01/25
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり

    今日,がんに対する集学的治療の発展により,がん患者の生命予後は以前より改善された.さらに副作用が少なく患者に優しい治療の一つとして,かおりを用いた治療の開発が望まれている. 我々は液体クロマトグラフィーを用いて,アスナロ精油に含まれる抗腫瘍因子であるツヨプセンを同定した.ツヨプセンの腫瘍増殖抑制効果は,MTT アッセイを使用して分析された.アスナロ精油に含まれる抗腫瘍因子であるヒノキチオールと比較すると,ツヨプセンは腫瘍増殖抑制効果が強く,拡散範囲が狭い傾向が見られた.がん細胞においてツヨプセンと結合するタンパク質としてPKM2が同定された.またツヨプセンをがん細胞に作用させることにより,細胞内の乳酸生成が減少した.以上より,アスナロ精油に含まれるツヨプセンはがん細胞のPKM2に結合し,がんの嫌気性代謝経路を阻害して乳酸の生成を抑制し,がん細胞に細胞死を誘導することが示された.

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