日本視機能看護学会誌
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3 巻
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  • 執刀医と患者、それぞれの役割期待から
    新田 享平, 松田 ゆみ子, 保坂 真紀子, 小杉 剛, 嶋本 圭, 大音 清香, 井上 賢治
    2018 年 3 巻 p. 1-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:意識下手術において,患者に対し声かけやタッチングが有用であるとされているが,安全性が損なわれる危険が ある。医師・患者双方の意見を聴取し,役割期待から術中看護介入を考察することとした。 方法:A 病院の白内障手術執刀医19 名および白内障手術を受けた患者312 名へ質問紙調査し,役割期待を考察した。 結果:医師は「患者情報の把握」「手術進行の把握」「速やかな合併症対応」「精神的ケア」「全身状態の観察」を期待し ており,患者へ声をかける行為は避けてほしいとの回答が多かった。 看護への役割期待があった患者は16.5%,術中看護に不満の意見はなく,手術進捗を教えてほしいとの意見が散見さ れた。 考察:医師は手術中に一人ではできない役割を看護師に期待し連携を求めており,患者は看護に対しての期待よりも手 術チーム単位での期待がある。医師との連携強化により双方の役割期待に応えることができ,安全安楽な手術に繋がる と考える。
  • 戸塚 菜摘, 渡邉 朗, 浦島 容子
    2018 年 3 巻 p. 5-7
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:硝子体内注射の治療施設がA 施設に代わることにより、患者が大学附属病院より良い治療環境で硝子体内注射が受けられているかを確認するための意識調査を行い検証する。 方法:期間は2016 年11 月より4 か月間。大学病院と委託を受けたA施設で3 回以上硝子体内注射を受けた患者40 名に、①硝子体内注射開始までの待ち時間②注射自体にかかる時間③注射後の待ち時間④施設環境⑤スタッフの雰囲気⑥注射前後の説明のわかりやすさ⑦散瞳薬の自己点眼⑧大学附属病院での術前全身検査についての無記名アンケートを実施した。 結果:①③は大学附属病院の方が待ち時間が長いが(57.0%)、(82.5%)②は同じ(62.5%)④⑤はA 施設の方が良い (75.0%)、(62.5%)⑥はどちらとも言えない(60.0%)⑦は医療スタッフが点眼する方が良い(85.0%)⑧はなくて良い (70.0%)であった。 考察:A 施設では患者はより良い治療環境で硝子体内注射を受けられていると感じていると思われた。
  • 中村 志保, 郡司 朋子, 木村 愛美, 西村 麻衣, 菊川 千波, 菊地 紗和子, 村上 純子, 上田 渚, 石倉 智子, 鶴川 香緒利, ...
    2018 年 3 巻 p. 8-10
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:甲状腺眼症の斜視手術後患者に対するリハビリテーション( 以下リハビリ) として、効果的で簡易な方法を検討し、 病棟オリジナルの視野チャートを作成した。看護師の指導にて実施したので報告する。 方法:甲状腺眼症による複視のため斜視手術を行った15 名を対象に、視能訓練士の助言を得て作成した視野チャート にて、入院時・手術翌日・退院時に両眼単一視野(以下単一視野)の変化を比較した。またこれを用いた術後のリハビ リ方法を指導し、退院時にアンケートを実施し有用性を評価した。 結果:対象患者全員が、視野チャートを用いたリハビリが分かりやすく、積極的に取り組めたと回答した。入院時と退 院時の単一視野の比較では、14 名が拡大し1 名は明らかな変化がなかった。 考察:視野チャートにより注視目標を明確にでき、簡易的なリハビリが考案できた。また患者がリハビリに積極的に取 り組めた。よって斜視手術後における視野チャートは有効であった。
  • 緑内障手術後の退院パンフレット作成
    奥山 和江, 小西 伶奈, 神永 竜太, 髙山 友子
    2018 年 3 巻 p. 11-14
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:A病院で使用している退院パンフレットを「流出路再建術」と「濾過手術」の緑内障術後に適応する内容に改善 した。指示通りに実施出来ていたか患者の理解度を調査した。 対象と方法:平成29 年3 月1 日~ 6 月30 日までにA 病院で手術を受けた流出路再建術17 名,濾過手術22 名。退 院パンフレットで説明した約1 ヶ月後に8 問のアンケートを聞き取りで行った。 結果:アンケート回収数,流出路再建術17 名。濾過手術22 名。流出路再建術後の前房出血指摘についての理解度は 80%。日中起座位指示の理解度は100% だった。濾過手術後に感染予防を実施したのが19 名( 延べ数)。感染の自覚症 状を認めたのが7 名だった。双方の術式に共通する質問事項では, 術後視力低下の自覚は流出路再建術23%, 濾過手術 59% 等となった。 考察:具体的に指導したことによる不安の訴えやより慎重になる患者が多くいることが判明した。今後は安心して日常 生活が送れるような工夫と改善をしていきたい。
  • DVD 視聴と点眼方法要点ボードの併用をこころみて
    野田 百代, 大東 由佳, 山田 祐梨子, 佐藤 陽子, 小林 千尋
    2018 年 3 巻 p. 15-18
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:白内障手術患者を対象に, 入院前からのDVD 視聴による点眼指導と入院中に点眼要点ボードを併用することで 退院後の点眼治療の継続への意識と点眼手技の向上に効果があるのかを明らかにすること。 方法:1 群(入院前の DVD 視聴なし, 従来の点眼方法で指導)と2 群(入院前のDVD 視聴あり, 入院後点眼要点ボー ドを使用して指導)に割り付け, 点眼に対する意識の変化, 点眼治療の必要性に関するアンケートを実施。1 群と2 群 のアンケート結果と入退院時の点眼手技のデータ結果を比較する。 結果:入院前から点眼手技に関するDVD を視聴することで, 退院時の点眼手技向上と点眼に対する意識の変化に効果 がみられた。 考察:事前に点眼方法を見ておくことによってイメージがつき, 行いやすかったこと, 必要性を事前に説明することで 意識の向上に効果があったことが考えられる。
  • 退院後のQOL 向上に向けて
    久保田 直子, 野瀬 貴可, 横内 とみ子
    2018 年 3 巻 p. 19-22
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:A 病棟では高齢化、独居などの社会背景を持つ患者に対し、短い入院期間で退院後の点眼管理などの生活指導や ロービジョン患者に対するQOL 向上のための退院支援を行っている。これらの取り組みから退院支援における病棟看 護師の役割を明らかにする 方法:実際の取り組み内容について、病棟看護師が担う役割という視点から振り返り考察する 結果:A 病棟では①退院支援が必要な患者のスクリーニング②病棟看護師・退院支援専任看護師とのカンファレンス③ ケアマネージャーとのカンファレンス④盲学校との連携⑤長野県視覚障害者福祉協会との連携を行っている 考察:病棟看護師は、入院時から社会生活に戻れるよう情報収集しアセスメントする役割、点眼管理を日常生活に組み 込むなどの自立支援や、患者の想いを傾聴し視覚障害を持ちながらどのように生活していくか、意志決定を支援する役 割、退院後の点眼管理や介護サービス調整など院内の多職種や地域との連携・調整を行う役割を担っている
  • 竹村 智子, 枯木 幸子, 光永 知和子, 飯嶋 幸子, 大音 清香, 井上 賢治
    2018 年 3 巻 p. 23-26
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:A 病院病棟看護師の手指衛生についての認識や実施状況を調査し、今後の院内感染防止活動の示唆を得ることを目的とした。 方法:期間は2017 年3 月~ 4 月。対象者は病棟看護師15 名。 日勤業務に就いている看護師1 名に観察者1 名が30 分間同行し、直接観察法を用いて看護行為に伴う手指衛生を行うタイミングと手順について観察した。また、手指衛生の5 つのタイミングについてアンケート調査を実施した。 結果:手指衛生の実施率は72.7% であった。患者に触れる前より後の実施率の方が高かった。手順の遵守率は、アルコール手指消毒剤が3.8%、手洗いが12.1% であった。実践できない理由で多かったのは「忙しい」で11 名が回答した。 考察:手指衛生の手順が遵守できないのは、認識の低さが影響しているといえる。不十分な手指衛生行動を自覚できるような啓発活動が必要であり、適切な手指衛生が習慣化できるよう継続的に行うことが必要である。
  • 夏目 健一郎
    2018 年 3 巻 p. 27-29
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:多焦点眼内レンズにおいて満足度調査を元に適切な眼内レンズ説明を目指すこと。 方法:A 病院で多焦点レンズを挿入した38 人を対象として術後1 カ月に満足度調査を行った。距離別・夜間の見え方の満足度、メガネの必要性について答えてもらい、それらを統計分析し、手術までの流れと共に検 討した。 結果:総合評価として8割以上の患者が満足しているが、中間距離・夜間時の見え方については満足度が低く、3割の人が眼鏡を必要とした。 考察:進歩する多焦点レンズの特性を理解し、患者がレンズ選択をしやすくなる説明と満足が得られやすい患者選定が求められる。
  • 小泉 麻美
    2018 年 3 巻 p. 30-33
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:2 種類のインスリン製剤を使用する視覚障害者がインスリン自己注射を安全に行うためのインスリン注射器具を 検討する基礎的知見を得ること。 方法:インスリン自己注射の経験がない低視力シミュレーション状態の成人11 名とインスリン自己注射の経験を有す る中途視覚障害者10 名に識別しやすいペン型インスリンの調査を行った。識別課題は,ペン型インスリン製剤に通常 条件、黄色と黒のビニールテープを巻いた視覚条件、面ファスナーや点字シール等を装着した触覚条件に分類し,識別時間を計測した。 結果:触覚条件である既存のペン型インスリン製剤に面ファスナーを装着した物が最も識別時間が短く,識別の間違いがなかった。 考察:視覚障害者が2 種類のインスリン製剤を安心して使用する為には、触覚を有効に活用することが重要である。触覚を活用することで2 種類のインスリン製剤の識別容易性が向上すると考えられる。また、日常生活の中でインスリン自己注射の実施状況を確認し,インスリンによるアクシデントを未然に防止していくことが重要であると考えられる。
  • 看護必要度を活用した業務平均化を目指して
    重實 夏菜絵, 石川 美幸, 石田 亜矢, 松田 久実, 井原 雅美, 宮脇 由華
    2018 年 3 巻 p. 34-36
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:眼科病棟の看護業務量の実態を明らかにし,看護師一人あたりの業務量平均化のために重症度、医療・看護必要度( 以下看護必要度) を利用出来るのか検討する 方法:期間:① 2017 年4 月17 日~ 22 日,② 2017 年8 月18 日~ 22 日 対象者:A 病院B病棟勤務の看護師18 名 方法:①業務別時間の集計②患者のケア・指導に要した時間と看護必要度との検討 結果:看護師の業務時間は看護記録,患者のケア・指導,報告・連絡・情報収集,入退院時処理の順に多かった。看護必要度とその患者のケア・指導に要した時間については、局所麻酔で手術した患者は看護必要度の点数は全員が全ての項目で0 点だったがケア・指導に要した時間にばらつきがあった。 考察:眼科病棟は短期入院に伴う看護記録や事務処理が多いことが分かった。視力不良者への援助等眼科特有のケアは必要度には反映されにくく,看護必要度の評価を業務平均化の指標として使用することは難しいと考えられる。
  • 当院独自のスタンプラリーを作成して
    増本 美樹, 田村 智枝, 宇根本 律子, 重川 恵, 木村 亘
    2018 年 3 巻 p. 37-40
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:これまで小児眼科手術の術前オリエンテーションは主に保護者のみを対象に行っていた為,小児とは十分にコミュニケーションが図れていないことが問題であった。今回独自のスタンプラリーを作成し,新しいプレパレーションを試 みた結果を報告する。 方法:2015 年8 月1 日から2016 年8 月31 日までに手術を受けた3 歳から9 歳の患児24 名及びその保護者(24 家族)にスタンプラリーに関して聞き取りを行い評価した。 結果:興味あり:18 名 興味なし:6 名 考察:① 3 歳以降やシールに興味がある女児には有効,7 歳以降には有効ではなかった。 ②頑張りを認められることで意欲を引き出すきっかけになった。 ③正しい情報を提供することで不安を減らし信頼関係を確立する基礎になった。 ④文字が理解できていない患児もプレパレーションに参加できた。
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