本研究は、プロトタイプの未完成性が評価者の記憶や経験を喚起し、共創参加意欲を高めるメカニズムを明らかにし、そのプロセスを活用したプロトタイピング手法を提案・検証するものである。思考発話法を用いた実験では、評価者がプロトタイプを見て、自身の知識や体験をプロトタイプに反映する過程が、共創への参加意欲と深く関係していることを確認した。これらの知見に基づき、プロトタイプ提示の前に記憶や経験を呼び起こす画像の提示(プライミング)を行う手法を設計し、その有効性をワークショップと1,600名を超える大規模調査、および専門家インタビューによって検証した。分析の結果、手法は特に自己表現や新たな経験を求める意欲が高い評価者に対して顕著な効果が認められた。本研究は、プロトタイプに対する解釈を評価者自身の経験から引き出すことで、共創への巻き込みを促進する新たな手法の可能性を示す。
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