共創時個人間で共通の心象を形成し、相互に創造の喜びや興奮といった「心に響く」感覚を刺激・共鳴しあう状態である「響きあい」は個人および集団の創造性や共創の持続に貢献しうる。この「響きあい」とアイデア生成プロセスの関係を、共創に参画する個人間の音声コミュニケーションに着目し ①言語的要素(発話機能) ②近言語的要素(②-1沈黙, ②-2発話の偏り)の観点から分析する。その結果、「響きあい」発現時には「好意的な反応」が非発現時より多く、両者の発話バランスは主に一方が話し他方も発話で反応する傾向が高かった。さらにアイデア生成プロセスをアイデア推移(拡張/深耕)ごとに分けると、「響きあい」非発現時の拡張推移では「停滞」と「発案」が大半で会話が不規則なのに対し「響きあい」発現時の拡張推移では「停滞」せず「質問/対立意見」「躊躇/真剣」「好意的な反応」等の相互間コミュニケーションが多く観測された。
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