理論応用力学講演会 講演論文集
第58回理論応用力学講演会
選択された号の論文の273件中201~250を表示しています
OS14-3 連続体に対する非線形数値解析の新展開
  • 吉田 純司, 柚木 和徳, 杉山 俊幸
    セッションID: 2G09
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    ゴム材料は,精密機器や美術品の振動の低減を目的として,防振・制振装置などに広く応用されている.これらの装置においてゴムの受けるひずみレベルは最大で50%程度であることから,本研究では,この範囲において防振用ゴム材料の力学特性を詳細に把握し,そのモデル化を行うことを目的とする.具体的には,まず,動的載荷実験を行い振動数およびひずみレベルの変化に対する材料の力学特性を詳細に把握した.特に,履歴ループから得られる損失正接のひずみに対する変化をみると,ひずみ10%前後でピークがあることがわかった.次いで,既往の粘弾性ダメージモデルを用い,実験結果のモデル化を試みた.その結果,履歴ループの振動数依存性は比較的よく近似できたものの,ひずみ依存性の傾向を完全には再現できなかった.そこで,著者らがこれまでの研究で開発した粘弾塑性ダメージモデルにおいて,ひずみ量により粘弾性から弾塑性に変化していくよう拡張し適用したところ,上述したひずみ依存性を比較的よく再現することに成功した.
  • 小寺 一輝, 亀谷 隆真, 大野 信忠, 奥村 大
    セッションID: 2G10
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,ひずみこう配結晶塑性を考慮した均質化理論の陰的有限要素離散化が行われる.また,その離散化の妥当性や増分安定性,計算効率を調べるために,1すべり系を有する2次元結晶粒モデルが解析される.このためまず,均質化方程式から有限要素方程式が導かれる.ここで,幾何学的に必要な転位の自己エネルギーが自由エネルギーには導入される.結晶粒モデルの数値結果は著者らによって解析された閉形解との比較によって検証される.さらに,この解析において,安定性や効率性についても示される.
  • 山田 貴博, 松井 和己
    セッションID: 2G11
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    マルチスケール解析は,微視構造問題と巨視構造問題の連成問題と考えることができる.筆者等は、弾塑性体によって構成される複合材料のマルチスケール解析に非線形の連成問題に対して提案された反復型解法であるBlock Newton法へ適用した定式化と計算手法を提案してきた.本研究では,実際の複合材料の弾塑性マルチスケール解析における提案手法の特性と並列計算による計算効率について検討を行う.
OS14-4 連続体に対する非線形数値解析の新展開
  • 車谷 麻緒, 寺田 賢二郎
    セッションID: 2G12
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,微細ひび割れ挙動を考慮した準脆性材料の破壊進行過程の数値解析手法を構築し,その破壊進行メカニズムについて考察する.準脆性材料の破壊においては,材料内部の材料不均一性に起因した微細ひび割れの形成・連結・開閉が破壊進行領域(FPZ)を引き起こし,巨視的な可視ひび割れへと成長すると考えられている.本研究では,材料の不均一性を考慮した微視構造の微細ひび割れ挙動を解析するためのツールを開発し,微細ひび割れの形成・連結・開閉と巨視的なひび割れ成長との関係について明らかにする.
  • 岡田 裕, 河合 浩志, 徳田 貴志
    セッションID: 2G13
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    従来,三次元き裂解析は一般に六面体有限要素が使用されてきた.その理由は,六面体有限要素が四面体有限要素と比較して精度に優れると信じられてきたためであろうと思われる.事実,商用有限要素法プログラムの三次元J積分モジュールは六面体有限要素の使用を要求する.ところが,有限要素法解析モデルの自動生成は六面体要素に対しては困難とされ,四面体要素に限定される.そのため,解析自動化のためには四面体有限要素の使用が強く望まれる.著者らは,四面体有限要素を用いた応力拡大係数計算手法(仮想き裂閉口積分法; VCCM),三次元き裂進展解析のためのメッシュ生成手法,き裂のパラメトリック解析や進展解析の自動化に関する研究を行ってきた。本論文では、それらの概要と解析事例を紹介する.
  • 陳 献, 久田 俊明
    セッションID: 2G14
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    接触領域が変形に依存する境界非線形性により,接触問題の解析解を得ることは困難であるため,工学または生体工学分野では有限要素法による接触解析が広く応用されているが,その精度を保証するためには,接触におけるパッチテストにパスすることが求められている.しかし,メッシュ分割の任意性や物体の変形により,接触表面同士のメッシュが一般的には整合しないため,従来の有限要素接触解析手法ではパッチテストにパスすることはできない.本研究では接触パッチテストにパスできる接触解析手法を開発し,任意の要素分割,または任意の要素タイプの組み合わせに対して開発した手法の有効性の検討を行う.
  • ―スピニング・ソーラーセイルの展開解析例の紹介―
    宮崎 康行
    セッションID: 2G15
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    現在,(独)宇宙航空研究開発機構が開発中の小型ソーラー電力セイル実験機Ikarosは,実験機本体側面に膜面を巻きつけ,打上げ・放出後,宇宙で本体をスピンさせた状態で膜面を開放し,遠心力を利用して膜面を展開する.その設計・開発においては,膜面が適切に展開することを保証することに力が注がれた.筆者は,ゴッサマー・マルチボディ・システム,すなわち,ゴッサマー部材(膜面やケーブルなど,薄くて容易に座屈する柔軟部材)と剛体から成る多体システムの運動解析手法について研究してきており,その関係から,現在までIkarosのセイル膜構造系の設計・開発に携わっている.本発表では,その解析手法について述べ,それをIkarosに適用した例を示す.
OS25-1 土木・建築・機械構造物の信頼性設計
OS25-2 土木・建築・機械構造物の信頼性設計
  • 西村 伸一, 森 俊輔, 藤澤 和謙, 村上 章
    セッションID: 2H06
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    ため池は,全国に存在するが,老朽化しているものが多く,豪雨時にはいくつかのため池が決壊する.このことを背景に,本研究では,豪雨時のため池堤体の越流リスクを算定することを第一の目的としている.ここでは,降雨を確率事象と捉え,豪雨の発生確率に基づき越流確率の算定を行う.さらに,越流した場合の下流域の被害額を推定してリスク評価を行う.ここで,越流確率の算定にはモンテカルロ法を,被害域の推定には有限体積法を用いている.第二に,改修の前後におけるため池堤体のリスクに基づき,期待総コストの計算を行う.改修の有無による期待総コストを比較し,ため池堤体余水吐の改修効果について議論する.
  • 井上 一哉, 井上 真哉, 田中 勉
    セッションID: 2H07
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,地盤の不均質性,特に鉛直方向への透水係数分布と観測点の地下水汚染探査性能に対するリスク-コスト評価を実施した.また,種々の観測条件を設定することで汚染源からの観測距離や深さ方向への観測点の個数に対する観測井の信頼性を検討した.特に,リスク評価においては空間二次モーメントを用いた拡張リスク評価手法を提案した.その結果,透水係数分布がリスクに与える影響は大きく,幾何分散の影響は小さい知見を得た.また,空間二次モーメントの値がリスクに与える影響は小さいことがわかった.さらに,リスクに及ぼす動水勾配の影響は小さいが,コストに及ぼす影響は大きくなる結果を得た.
  • 市川 勇人, 清水 豊, 吉浪 康行, 鈴木 誠, 中山 隆弘
    セッションID: 2H08
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
     これまで、異常豪雨による河川堤防の浸透破壊については、浸透流解析と円弧すべり法による安全率によってその安全性が評価されてきた。しかし、安全余裕を定量的に示すためには、堤体内の地下水流の確率特性や堤体盛土 の抵抗力の不確実性を考慮する必要がある。  そこで本研究では、堤体盛土の地盤物性値を確率量とし、局所破壊とすべり円弧を仮定した全体破壊に対して、確率有限要素法を用いて、その安全余裕を破壊確率や信頼性指標によって評価する方法を提案した。  本論文では、提案手法を示し、さらに解析モデルに対する数値解析によって、提案する方法と従来の方法との比較検討を行っている。ただし、降雨と河川水位上昇による地下水浸透流については確定論的な取り扱いに止めている。
  • 長尾 毅, 佐貫 哲朗
    セッションID: 2H09
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    防波堤の耐波設計は,信頼性設計法によって行うことが標準的となっている.耐波設計において主たる作用である波力については,沖波波高の推定精度,波浪推算精度,砕波変形推定精度,波力算定精度という4種類の不確定要因を考慮して信頼性設計が行われる.これらの不確定要因のうち沖波波高の推定精度については,確率分布に対する明確な根拠が不足しているのが現状である.沖波波高の設定に当たっては波浪データの極値統計解析が用いられるが,港湾によっては波浪観測の期間に差があり,本来,観測期間が長いほどその精度は高くなると考えられる. 本研究では,全国の代表的な波浪の極値分布をもとに,波浪の統計期間の変化と設計沖波波高の推定精度の相関についてモンテカルロシミュレーションを用いて検討し,信頼性設計法に与える影響を議論した.
  • 山脇 正嗣, 白木 渡, 井面 仁志
    セッションID: 2H10
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    近年, 経済活動の高度化や生活水準の向上に伴い時間価値が増大しており, 交通移動の安定性に対する利用者ニーズが高まっている. 交通移動の安定性を取り扱うことができる考え方として交通ネットワーク信頼性理論が注目されているが, その信頼性を的確に評価する方法は確立されていない. そこで本研究では, AIS(Artificial Immune System)とMSS(Multi-State System) の概念を導入した, 新しい信頼性評価手法に関する研究を行う. 具体的には, 小規模な交通ネットワークモデルを対象に, 従来の交通ネットワーク信頼性指標として用いられる連結信頼性, 所要時間信頼性,及び容量信頼性に対して, AISにより診断した多数の性能値を有する道路をMSSとしてモデル化することで交通状態の性能評価を行った上で, 交通ネットワークの信頼性評価を行う. さらに, 実際の交通ネットワークへの適用を検討する.
OS25-3 土木・建築・機械構造物の信頼性設計
  • 動的解析と1次近似2次モーメント法を組み合わせた手法の適用
    中村 晋, 西山 誠治, 松本 敏克, 宮川 義範
    セッションID: 2H11
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    地中構造物の地震リスクを評価する手法として,著者の一人より地盤特性の空間的な不均質性に起因する不確定性を考慮し,動的解析と組み合わせてた手法が提案されている.その手法を含み,地震動の不確定性を直接配慮することは,有限要素法のような多自由度を有する解析モデルの解析を多数回実施することとなり困難となっている.ここでは,既往の地震リスク評価手法を用い,地震動の不確定性と構造材料の不確定性を簡易に考慮し,地中構造物のリスクを評価する上で考慮するべき不確定性を考慮できる手法の提案を行う.
  • 地震動の不確定性を考慮した手法の適用
    宮川 義範, 松本 敏克, 西山 誠治, 中村 晋
    セッションID: 2H12
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    鉄筋コンクリート製地中構造物の地震応答解析に、材料非線形性を考慮した有限要素法を適用する機会が増えている。多自由度の解析モデルを用いる同手法によって地震応答の評価精度が向上する反面、多数回の試行を必要とする損傷確率評価との両立が困難になっている。そこで、地震動の不確定性のみ多数回の試行によって考慮し、その他の不確定要因を確定論的に扱うという考え方に基づいた例示的な損傷確率評価を行った。
  • 非線形に拡張されたFOSM法の適用
    松本 敏克, 宮川 義範, 西山 誠治, 中村 晋
    セッションID: 2H13
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    地中構造物の地震時の挙動評価には,地盤と構造物を連成系として扱った有限要素法が用いられることが多い.このような構造物の地震リスクを評価するには困難を伴うが,主たる要因は,大きな解析容量と著しい非線形性に起因する.ここでは,解析容量を勘案して,精緻な解析の数少ない試行で効率的に応答の確率分布を推定する実用的な手法を提案する.本手法は1次近似2次モーメント法(FOSM法)に基づく手法である.FOSM法は主として線形系において適用されてきたが,応答の高次近似と多直線化によりFOSM法を非線形問題に拡張することにより,非線形性の著しい地中構造物の地震リスク評価に適用した.
  • 篠田 昌弘
    セッションID: 2H14
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    従来,工法の選定を行う際には,初期建設費に重点がおかれ,所用安全率を満たしていれば安価な工法が採用されてきた.しかしながら,最近,構造物の性能を経済性と壊れにくさの両面から評価する手法が注目されている.本研究では,補強材により補強していない盛土(無補強盛土)と補強材により補強した盛土(補強盛土)の性能を定量的に評価するために,地震時の被災時損失費を地震時変形量の関数で定義した後,ライフサイクルコストの算定を実施した.ライフサイクルコストの算定に用いる初期建設費は実際の工事資料から算定した.無補強盛土と補強盛土のライフサイクルコストを算定した結果,耐用期間における補強盛土の優位性を明らかにした.
OS25-4 土木・建築・機械構造物の信頼性設計
  • 田中 浩平, 高田 毅士
    セッションID: 2H15
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
     距離減衰式は、複雑な震源過程や地盤構造が不確定な場合にも安定した結果が得られ,様々な用途に汎用的に用いることが特徴である。一方で距離減衰式から得られる値は地震動特性の一部分に過ぎないため、構造物の非線形挙動や崩壊過程を考えることは難しいという指摘がある。性能設計をはじめとして、より高度な設計行為が求められるにも関わらず、距離減衰式のままではその要求に十分に答えられない。地震動特性の一部分でなく、時刻歴波形での推定が必要不可欠である。加えて、強震動観測網の充実に伴い観測波形数が飛躍的に増加している。このような状況にあって、観測波形を一部の特性値を得るためだけに用いるのではなく、波形のまま設計用地震動に用いようというのが本研究の提案である。すなわち観測波形をマグニチュードや震源距離で整理し、そのまま地震動推定に用いる。
  • 新潟中越地震を対象として
    小林 晃, 木山 正一, 山本 清仁, 林 太矩馬
    セッションID: 2H16
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    新潟県中越地震で調査された240個のため池を対象として,災害の要因分析を行った。その結果,震央距離が近く,堤体規模が大きいほど被災することがわかった。そして,耐震設計法をこれらのため池に用い,実際の災害との相関を調べた。その結果,設計法の結果は実際他の被害状況と良い相関を示し,減設計法が現象をよく再現できることがわかった。さらに,この設計法に用いられるパラメータの感度解析を行った。その結果,法面勾配が材料強度と同程度の感度を有することがわかった。
  • 小池 武, 坂本 和義
    セッションID: 2H17
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    風力発電タワーの立地条件が耐震設計の品質水準に及ぼす影響の評価方法について検討したものである。 本研究では、都市近郊と山間部に設置する風力発電タワーの地震時リスクが同一になるように設計した場合にそれぞれの耐震設計に関する要求品質にどのような差異が出るのかを限界状態設計法に基づいて検討した。
  • 友澤 裕介, 高田 毅士
    セッションID: 2H18
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    現行の建築基準法において、地震地域係数は全国を4つの区分に分けている。地域によって地震荷重を低減するという意味で、この地域係数は社会的・経済的に大きな意味を持つと言える。
    本研究では、確率論的地震動予測地図作成に用いた最新の知見を用い、地震動レベルに応じ2段階の地域係数の提案、全国一律の最低限考慮すべき下限値の導入、費用対効果指標を用いた統合などを用い、地震地域係数の再考を行った。
OS10 気泡と気泡流
OS17-1 応用逆問題の解析と正則化法の数理
OS17-2 応用逆問題の解析と正則化法の数理
OS22 災害問題における流体力学
  • 岸田 岳士, 田村 哲郎, 奥田 泰雄, 中村 修, 宮下 康一
    セッションID: 3D01
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    都市細密データにより地表面被覆形態を直接的に再現した解析モデルを用いたLES解析結果にメソ気象モデル解析結果を対応させることにより実在都市域での強風を推定する手法を示している。非定常計算であるLES解析で都市域における変動成分まで精度良く模擬するために、時々刻々変化する準周期境界型の流入境界条件を適用し、また、実風速レベルの推定は、メソ気象モデルの解析結果から評価された基準風速をLES解析結果に対応させることにより行っている。高層建物林立している地域を対象として風の乱流計算を実施し、得られた強風推定結果と観測結果との比較により精度検証を行い、メソ気象モデルとLESを組み合わせた強風推定モデルを構築している。
  • 須藤 敦史
    セッションID: 3D02
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    北部や山間部などの厳しい気象環境の地域では,表-1に示す様々な冬期の交通障害が発生しており,このうちトンネル坑口部における雪庇・吹溜りはトンネル建設後に問題が顕在化する場合が多く,計画時に予測して,その対策を設計に組み込むことは非常に難しいのが現状である.そこで本研究は,寒冷地のトンネル坑口部の雪庇・吹溜まりの事前予測において,実観測値を有効に利用してその精度向上を試みている.
  • 爆風圧の伝播およびRC壁の応答
    諏訪 好英, 米澤 健次, 小野 佳之
    セッションID: 3D03
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    新エネルギーのひとつとして注目されている水素は、ガスの状態で強い爆発性を持つ物質であり、水素エネルギーの利用を実用化するためには、安全対策の確立が重要である。本研究では、水素ガスの爆発事故が発生した場合を想定し、爆風圧の伝播およびRC壁の応答について実験および数値シミュレーションを行い、爆発に伴う周辺構造物への影響を考察した。その結果、障壁による爆風圧低減効果や周辺構造物の安全設計に関して基礎的な知見を得た。
  • 笹本 裕也, 松尾 亜紀子
    セッションID: 3D04
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    浜岡原子力発電所で発生した配管破断事故に代表されるように,配管やダクトなどの閉鎖空間内でデトネーションが伝播した場合,構造物内部の圧力が急激に上昇し構造物を破壊する恐れがある.そのため,このような現象における流れ場を理解することは安全工学上重要であり,特に流れ場を可視化できる数値シミュレーションは現象の理解に有用であると考えられる.
    本報告では曲がり管を伝播するデトネーションの数値解析を行い,曲がり管に伝播する三重点の数と三重点の曲がり管入射位置,および曲がり管の曲率変化をパラメータとして,曲がり管に分布する圧力を検討することで曲がり管の損傷予測を行う.
  • 鈴木 圭一
    セッションID: 3D05
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    多層ゾーン煙流動予測モデル(以下、MLZモデル)はゾーンモデルの概念を踏襲した非定常火災煙流動予測モデルである。性能設計でよく使われている2層ゾーンモデルに対し、MLZモデルは気流温度の鉛直分布などを予測することができる。とくに非定常で開口がやや大きい区画内火災では、煙層と空気層の境が不明瞭となり、煙層内も勾配が表れることが多い。そのためMLZモデルを用いることにより、高精度の予測や自由度の高い性能設計の可能性が広がる。実大火災実験のデータと比較したところ、温度分布などの性状がよく一致した。またCFDモデル(数値流体解析モデル)のように複雑なデータ入力や莫大な計算コストを必要とせず、2層ゾーンモデルとほぼ同程度の軽快性を確保しており、火災安全設計実務のための次世代ツールとして有望と考える。
OS6-1 船舶と最適設計
  • 古賀 毅, 青山 和浩
    セッションID: 3F01
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    船舶の機関室は、複雑なプラント・システムであるため、モジュール化設計によって入出力を絞り込み、標準化する手法が有効である。しかしながら既存のモジュール化設計法に関する研究では、主に大量生産型の製品を研究対象とし、機関室のような複雑なシステムを構成する受注型製品における論理的なモジュール分割手法は提案されていない現状にある。そこで本論文では、機関室のような複雑なシステムを構成する受注型製品におけるモジュール分割の手法を構築する。モジュール単位での機能の独立性を高め、さらに機関室全体での情報量を最小化するようなモジュールの分割手法を提案する。
  • 奥本 泰久
    セッションID: 3F02
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,未だ適用事例が少ない新しい手法であるアントコロニー最適化法(ACO:Ant Colony Optimization)を造船の生産分野に適用することを試みた。まず,代表的な組合せ最適化問題である巡回セールスマン問題(TSP:Traveling Salesman Problem)において最短経路を求める手順を検討の上プログラム化した。その結果を基に,船体ブロックの大組立に使用されている溶接ロボットおよび鋼板用NCプラズマ切断機のトーチについて,それぞれ最適な移動経路を求める問題に適用した。この結果,ACOが経路探索に有効であることを確認し,この種の問題に広く適用できることを示した。
  • ばら積み貨物船の中央断面設計
    北村 充, 濱田 邦裕, 竹澤 晃弘
    セッションID: 3F03
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    大規模設計問題における多段階最適設計手法について検討した.多段階設計を行う場合,まず設計変数のグルーピングが必要となる.これまで対象とする問題の設計変数を複数のグループに分ける場合、その問題に対する専門知識やノウハウを必要としていた.また,そのようにして分けられた部分問題は設計変数が持つ特性を考慮していない.よって,設計変数が持つ特性を考慮してグルーピングを自動化する手法の提案を行った. 次に,各グループを段階的に最適化する場合の制約条件の取り扱いについて検討する.複数のグループにまたがる制約条件は各グループで持つべき分担量が存在する.しかし,その分担量を何らかの計算により求めることは困難である.よって繰り返し多段最適階設計を行うことで,最適な分担量に近づける手法を提案した. 以上のことにより,多段階最適設計において,全体最適設計と同等の解を得ることができることを示した.
  • 青山 和浩, 古賀 毅
    セッションID: 3F04
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    近年,老朽船舶の多くが開発途上国で解撤されており,労働災害や環境汚染などの深刻な問題が指摘される.そこで本研究では,最適な解体ブロックと解体計画案を実用時間で探索する手法を構築した.提案手法により,生産資源の制約の中で,長い切断線をブロック内部に押し込むことで安全&効率的な作業を可能とし,なおかつ切り出しやすく不安定でないブロック分割案の生成を行えることが示された.
OS6-2 船舶と最適設計
  • 鈴木 克幸, 市川 幸太, 稲田 二郎
    セッションID: 3F05
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    構造の最適設計を行う場合、現状ではほとんどのケースでは線形弾性解析による応力値を目的関数、あるいは制約条件に使った最適化を行っている。しかし、構造の疲労寿命を評価する場合、異なる構造部位を単に応力レベルで評価するのは問題があり、それぞれの箇所のき裂進展を考慮した最適化を行う必要がある。そこで、本研究ではき裂進展解析を行い、最終的な構造物としての破壊に至るまでの寿命(繰り返し数)を最大化させるように構造の形状最適設計を行う。 き裂進展解析には、X-FEMを用いる。混合モードき裂では、相互積分法によりK1、K2のモード分解を行った。き裂の進展方向の決定には円周方向の応力が最大となるような方向にき裂が進展すると考えた。各計算ステップにおいて得られた応力拡大係数に対して、パリス則によるき裂が進展長を考えた。
  • 山口 一, 田中 洋平, 藤崎 歩美
    セッションID: 3F06
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    北極海の夏の海氷面積が年々減少しており、特に、2007年と2008年には大きな減少を見せた。地球温暖化の適応策の一つとして、北極海の航路利用の可能性が現実味を帯びてきたといえる。本研究では、過去の氷況データと最近の氷況データの両者を用いて北極海航行のシミュレーションを行い、海氷減少の効果を評価する。
  • 松倉 洋史, 角田 浩平, ビュエン トゥミルバ ミッシェル, 大和 裕幸
    セッションID: 3F07
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    海上輸送システムの改良のための意志決定を適切に行うには、原油価格や用船費、資材調達先など多様な条件を考慮した上で輸送性能を定量的に推定し、可否を判断するのが望ましい。しかし、上記条件の組合せは膨大にあり、また、それら組合せに対して適切な配船計画を立てて輸送効率を評価する事は困難である。そのため、可能性が高いと思われる少数の組合せのみの定性的評価を元に、判断を行っているのが現状である。本論文では、確率論的手法(イベントツリー)及び海上輸送シミュレータを用いることにより上記困難を緩和し、企業の意志決定の効果の期待値を定量的に評価することを試みる。例題として日本から海外の造船所へ資材を輸送する工場間輸送を取り上げ、解析事例を示すことで本アプローチの有用性を示す。
  • 鈴木 克幸, 有木 俊博
    セッションID: 3F08
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/22
    会議録・要旨集 フリー
    連続型、離散型の2種の物流シミュレーションを連携させ、それぞれの利点を生かして最適ネットワークを効率的に精度良く設計する方法を示した。 連続型による解空間の限定を行う際には、高精度、高効率である事を目的に、滞留コスト及び、貨物別の時間価値の概念を高速な求解アルゴリズムの一種である線形計画法を用いて解く事が可能な形式で導入し、従来法より精度の良いフローが得られる事を示した。また、連続型より解の候補を複数選び、それらに対して離散型シミュレーションを行うことにより最適化を行う手法を提案した。
feedback
Top