理論応用力学講演会 講演論文集
第60回理論応用力学講演会
選択された号の論文の269件中51~100を表示しています
OS04 不均質連続体の力学
  • 圓 幸史朗, 宮崎 覚, 秋田 昇道, 中野 富夫
    セッションID: OS04-02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    地盤物性のゆらぎによる地震動の空間変動および基礎入力動の低減効果について、2次元FEMによる解析検討を行った。実地盤情報に基づく地盤の不均質性を模擬し、空間的な相関構造を有する確率場モデルを作成した。不均質地盤モデルは地表面の各点で異なる増幅特性を示し、物性ゆらぎが大きいほど高周波数域での変動が大きくなると共に、振幅が低減する傾向にある。ガウス型の相関構造をもつモデルでは、一様不均質なモデルに比べて高周波数域でのばらつきと入力低減効果が大きくなる傾向が認められた。またばらつきが顕著になる周波数域は、相関距離が大きくなるにつれて低周波数側に移動すると考えられた。このことは、地表面で評価した地震動のコヒーレンスからも確認できた。
  • 源栄 正人, 陳 軍
    セッションID: OS04-03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    地盤の不均質性や不整形性を適切に表現した地震波動伝 播シミュレーション手法の開発は構造物の入力地震動の評 価など地震工学における重要なテーマの一つである。これ まで不均質媒質における散乱波動場を計算するに1 次散乱 理論や多重散乱理論など諸手法が提案されてきている。 ここでは、ウェーブレット変換を用いた2つの手法と その適用例を示す。まず、スカラー波や弾性波の波動伝播 を記述する波動方程式に現れる空間に関する微分演算子に 対し、ウェーブレットを用いた表現について示す。次に、 不均質媒質を伝播する手法として、これまで行われてきた 1方向伝播波動伝播を対象に平均背景波動場と不均質体に よる散乱波場を分けて行進アルゴリズム適用するスプリッ ト・ステップ・ウェーブレット法(SSW法)とランダ ムな不均質媒質への適用例を示す。さらに、不整形境界を もつ媒質を伝播する波動を解析するためのウェーブレット 時間スキーム(WTS)とその解析例を紹介する。
  • 三辻 和弥, 源栄 正人
    セッションID: OS04-04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    不均質地盤中の波動伝播問題においてウェーブレット解析を用いることの有効性について検討した。まず始めに、理論的検討として、物性値(密度および剛性)に空間不均質性を持つ地盤モデル中の波動伝播を1次元波動方程式で表現し、ウェーブレット変換を適用して解を求めた。求めた解より、2地点間の理論伝達関数を求め、フーリエ変換による方法と比較した。 次に宮城県内の複数の観測点で得られた地震記録に対して、実際の地盤を不均質地盤と仮定し、ウェーブレット変換を適用して2地点間の伝達関数を構築する試みを行った。得られた伝達関数を先の理論伝達関数と比較し、不均質性の程度やその影響について検討した。また、離散ウェーブレット変換を用いることにより、構造物や地盤の周期特性に合わせて帯域制限を施した伝達関数を作成することができる。さらに、閾値を設定することにより、データ圧縮が可能となるなど、ウェーブレット変換を応用することの利点を指摘した。
  • 吉田 一博, 渡辺 孝英, 平原 謙司, 横野 敬二
    セッションID: OS04-05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    本論文では,2次元FEMとモンテカルロ法を用いて,地盤のせん断波速度の不均質性が地盤の応答に及ぼす影響を検討した.その結果,伝達関数でみると地盤の不均質性を考慮すると高振動数域で見かけ上の減衰が増えることを指摘した.ただ,応答スペクトルでは確定論のモデルと大きな差は生じなかった.
  • 神田 克久
    セッションID: OS04-06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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  • 高野 真一郎
    セッションID: OS04-07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    LNGタンクなどのエネルギー関連大規模構造物は、船舶による輸送の便のため臨海地区に建設されることが多いため、建設敷地の地盤は軟弱で地下水を含み、砂質地盤では地震時に液状化する可能性がある。 液状化に至らない場合でも、地下水が地盤の増幅特性や構造物の基礎の動的地盤ばねや基礎入力動などの動特性に及ぼす影響の評価は大変興味深い問題である。 また、 軟弱地盤に建設される重要構造物の基礎には大規模な群杭基礎が採用される場合が多いが、このような群杭が基礎の動特性に及ぼす影響を評価することは容易ではない。 本論文では、地下水を含む軟弱地盤中の群杭の動特性を三次元薄層要素法により評価する手法を示す。また、多重円筒状に配置された大規模な群杭に対し、軸対称条件を利用して動的地盤ばねや基礎入力動を算定する手法とその解析例について示す。
  • 小林 正実, 上谷 宏二
    セッションID: OS04-08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    軸力ねじり複合繰り返し加力材料試験は、繰り返し応力に対する材料の多軸の構成則を誘導するための標準的試験方法である。本研究では、一様応力の仮定の下で行われる同試験において、BiotのInternal Bucklingと類似した分岐モードの発生により、歪が非一様化する現象を解析する。まず、試験片である弾塑性薄肉中空円筒に対して、わずかの初期不整を与え、これに一定軸方向圧縮力と繰り返しねじれ載荷を作用させたときの履歴挙動解析を行う。顕著な歪の非一様化が起こり、また、初期不整の与え方により、歪のばらつき方が異なってくることも示す。更に、対称限界理論と同様な考え方に従って、振幅が連続的に増加し、各振幅レベルで定常化するまで載荷を繰り返す、特別な載荷プログラムを考え、その下で生成される定常状態列の分岐点解析を行う。BiotのInternal Bucklingと類似した、低次ほど波長が短い分岐モードが得られ、上述の履歴挙動における歪のばらつきを引き起こす変形モードと対応していることを示す。
  • 齊藤 裕一, 古口 日出男
    セッションID: OS04-09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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     特性の異なる材料の接合体である異材接合体は,その材料特性の違いから界面端角部付近で特異応力場が発生する.異材接合体の接合界面付近の剥離の主な原因はこの特異応力場であり,異材接合体の強度に密接に関わっていることから今までにも多くの研究が行われてきた.本研究室でも三次元異材接合体の界面上の応力を求め,三次元的に応力分布を評価するということを行ってきた.本研究ではこの接合体強度の評価として, 界面端角部に剥離が生じ始めた時を取り扱い,微小剥離を角部に有したモデルの解析を行う.得られた特異応力場について評価を行うと共に,その剥離面の形状についての評価も行う.これまで, 剥離解析を三次元的に行う際にはある一定の形状の剥離面が初期に想定されているが,その形状の妥当性について評価,検討することを目的とする.
OS05 波動現象の数理とその応用
  • 安田 洋介, 大嶋 拓也, 佐久間 哲哉
    セッションID: OS05-01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    Rokhlinによって提案された高速多重極法(fast multipole method: FMM)は,大自由度のポテンシャル問題の高速解法として今や様々な分野で応用されている.筆者らは主として建築音響・騒音制御の分野において,FMMをHelmholtz場のための境界要素法(boundary element method: BEM)に適用した高速多重極境界要素法(fast multipole boundary element method: FMBEM)に関する研究を行ってきた.同分野では扱う対象が空間的に大規模なことから,高速解法の持つ意義も高いといえる.本報では,Helmholtz場のためのFMBEMに関して,建築音響・騒音制御分野における汎用化に向けた筆者らの取り組みについて概観する.具体的には,様々なタイプの問題を解くための各種定式化への対応,対称問題における効率化,領域分割法や構造振動解析との連成,多孔質材内部音場の解析,計算量に大きく影響する反復解法の収束改善などが挙げられる.合わせて建築音響・騒音制御分野における適用例について紹介する.
  • 斎藤 隆泰, 廣瀬 壮一
    セッションID: OS05-02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    Lubichの方法を用いた時間領域境界要素法は,通常の時間領域境界要素法に比べて,数値解を安定に求めることができることで知られる.また,時間領域基本解を直接用いないため,粘弾性波動問題のような時間領域で閉じた基本解を求めることができない問題に対しても容易に数値解を導出することができる.そのLubichの方法を用いた時間領域境界要素法の欠点として,空間方向に対しては,例えば高速多重極法を適用することで計算を効率化できるものの,時間方向に対しては通常の時間領域境界要素法と同じく過去の境界データを順次利用した時間ステップ解法を用いるため,効率化が難しいことがあげられる. 本論文では,この点に着目し,過去からの影響を時間ステップ解法で直接評価しない、Lubichの方法に基づいた新しい時間領域境界要素法について2次元面外波動問題を例に解説する.
  • 新納 和樹, 西村 直志
    セッションID: OS05-03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    周期多重極法は周期境界値問題の高速な数値解法として強力な手法であるが、 この解法で得られる線形方程式を、GMRES やBiCG といった反復解法で解く際、 前処理によって反復回数を減少させることで、解法の更なる高速化が実現できる。 本論文では、Helmholtz方程式の周期境界値問題に対するCalderonの式に基づく 前処理による解法の高速化について述べる。 この手法では方程式と未知数を適切に並び替え、簡単な前処理行列を乗ずることで、従来法よりも反復回数を減少させることができる。 また周期問題特有の問題として、わずかな入射波の変化に対して解が著しく変化する、anomalyと呼ばれる現象が存在し、 anomaly周辺で反復回数が増加することが知られている。 数値計算例を通して、この前処理がanomaly周辺でも有効であることを示す。
  • 市村 強, 堀 宗朗, Pher Errol Quinay, Lalith Maddegedara
    セッションID: OS05-04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    原子力発電所,石油備蓄基地,長大橋などの重要構造物の地震時挙動を高精度かつ高分解能に予測することは防災の観点から重要と考えられる.構造物の地震時挙動には,断層の破壊過程,地殻内の波動伝播過程,地表近傍の地震波増幅過程,地盤と構造物の相互作用が大きな影響を与えるとされている.これらの影響を考慮し,高精度かつ高分解能に構造物の地震時挙動を予測する方法のひとつとして,断層から構造物までを含む断層-構造物系の三次元数値解析モデルを構築し,一連の過程の数値解析を行うことが考えられる.しかし,計算量が膨大となり,その実現は難しいとされている.本論文では,大規模波動場解析手法と階層型解析により問題点を解決し,断層-構造物系を考慮したシナリオ地震時の構造物の挙動解析例を示す.
  • 佐々木  修平, 市村 強, 堀 宗朗, Lalith Maddegedara
    セッションID: OS05-05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    陽解法に基づく有限要素法が波動場解析に良く用いられている.しかし,この手法では質量マトリクスを近似的に対角化する必要がある.一方で,直交基底に基づく有限要素法が提案されており,この手法によれば近似することなく集中質量マトリクスを導くことができる.本研究では,不連続直交基底を用いることにより,近似せずに集中質量マトリクスを導いた4面体,6面体要素を開発し,数値検証によりその有用性を示した.
  • 植田 毅, 宮川 悠
    セッションID: OS05-06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    有限要素法は、二次元電子系の電子波の輸送現象の解析のために非常に重要な数値解析法となっており、磁場中の電子に対しても既に拡張されている。また、その定式化を改良する多数の提案が報告されています。しかし、現実的なシステムを実際に解析した報告書はほとんどなされていない。本研究では、大きなシステムの場合、もしくは強磁場中では従来の定式化のFEMを用いた解析は正確な結果を与えず、用いたゲージが数値解に非常に影響を及ぼすことを指摘し、この困難を根本的に解決する新しいコンセプトの有限要素法の定式化を提案する。その定式化は、磁場がない場合の行列要素にパイエルスの位相を掛けるという単純なものとなる。その優位性を示すために、提案した定式化を用いたいくつかの数値計算例を示す。
  • 吉永 隆夫, 中嶋 隆裕
    セッションID: OS05-07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    スリットから空中に流出する平面液体ジェットは長波長撹乱に対して不安定であり,最終的には破断する.線形理論はそのような破断現象を説明すには不十分であり,特に反対称モードの破断現象では非線形性が本質的な役割を果たす. 本研究では,長波近似のもとで導出された非線形方程式を用いて,3次元撹乱におけるジェットの破断に及ぼす非線形効果を調べている.ジェット主流が重力により空間的に加速するとき,ノズル出口に加えられた撹乱に対して以下のことがわかった:(i)対称モード撹乱は横方向撹乱波数が主流方向撹乱波数に等しい場合に最も不安定になる.(ii)反対称モード撹乱は横方向撹乱波数が主流方向撹乱波数の半分になるとき最も不安定になる(iii)主流の非一様性は撹乱の非線形性を弱めジェットの破断を遅らせる.
  • エネルギー積分法による加熱液膜流のモデリング
    金谷 健太郎, Oron Alexander, Nepomnyashchy Alexander A.
    セッションID: OS05-08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    本講演において、加熱された平らな傾斜壁面上を流れる液膜のダイナミクスを記述するモデルを提示する。エネルギー積分法を用いて、液層の局所流量と局所厚さ、界面温度に対する三つの結合された非線形偏微分発展方程式系を導出した。ここで、熱毛管現象がエネルギー方程式を通じて取り入れられている。長波展開パラメーターの一次のオーダーでは、このモデルは重み付き残差積分境界層モデルと一致する。二次のオーダーでは、前者は後者に比べてはるかに簡単になる。我々のモデルの線形安定性の結果はこの系のオーア-ゾンマーフェルト固有値問題の結果と比べられ、二次のモデルが一次のモデルよりも擾乱の波速をよりよく記述していることがわかった。モデルの非線形解析から、進行波解の第一および第二分枝間のつなぎかえや解の種類の交換が特定のレイノルズ数やマランゴニ数において起こり、これらの数は一次と二次のオーダーで異なることが観察された。
  • 梅木 誠
    セッションID: OS05-09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    エルニーニョ南方振動を表すと考えられているシンプルモデルの 一つに、Battisti-Hirstらが考えた、遅延振動子型のモデルがある。 Battisti-Hirstの論文で省略されている項を復活させ、いろいろな パラメータの組を調べることで、あるパラメータ領域でカオスが 存在することを見出したので、それについて報告する。
  • 白井 宏一郎, 石井 克哉, 石垣 将宏
    セッションID: OS05-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    流体の入った細管壁が軸方向に大きく温度変化している場合,管内の流体が管壁との熱的相互作用で自発的に振動運動する(熱音響自励振動)。特に液体ヘリウムの液面上に細管を立て,細管の軸方向に大きな温度変化を与えることで生じる熱音響自励振動はタコニス振動と呼ばれている。本研究では,中央部を冷却した閉円管内でタコニス振動が生じているときの管内の流体について数値計算を用いて解析を行った。低温部の長さと高温部の長さの比は,1:1及び1:0.3の場合を考慮した。本研究において振動状態が観測された領域と,理論解析により振動状態が得られる領域を比較すると,両者は概ね一致し本研究が妥当であることを確認した。また低温部の長さと高温部の長さの比が1:1の場合には管の両端部に圧力振幅の腹をもつ1stモード,低温部の長さと高温部の長さの比が1:0.3の場合には1stモードの他に,両端部と中央部に腹をもつ2ndモードを観測した。
  • 兵頭 弘晃, 杉本 信正
    セッションID: OS05-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    温度勾配のある平行壁面間に閉じ込められた気体中の音の伝播に及ぼす壁の熱伝導の効果を,既に導出した熱音響波動方程式を基に議論する.結論としては,壁の中の熱伝導の効果は,方程式に新しく履歴項を生じさせるが,短時間ないし長時間での振る舞いを議論するときには,それぞれの近似方程式の係数の値を修正する程度におさまることが分かった.
  • 飯盛 浩司, 新納 和樹, 西村 直志
    セッションID: OS05-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    近年、フォノニック結晶等の周期構造を持つ弾性波デバイスが注目を集めている。これまで著者らは、周期構造における弾性波動問題の数値解法として周期多重極法の開発を行ってきた。また、動弾性学の周期多重極法に対し、Calderonの式に基づく前処理を開発した。本講演では、フォノニックスラブ構造による弾性波の散乱問題に対する、周期多重極法による数値計算例を紹介する。Calderonの式に基づく前処理の有効性についても議論を行う。
  • Wang Yi-Ze, Inaba Kazuaki, Li Feng-Ming, Kishimoto Kikuo
    セッションID: OS05-13
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    Abstract
    In this paper, the elastic wave properties in 3D piezoelectric/viscous liquid phononic crystals are investigated. Based on the plane wave expansion method, the stop band characteristics are discussed with the viscous liquid influences. From the results, it can be seen that not only some similar behaviors of stop bands for the conventional periodic systems can be found, but also other new and interesting phenomena exist in this new kind of piezoelectric/viscous fluid phononic crystals.

    Acknowledgements
    The authors wish to express gratitude for the supports provided by the National Natural Science Foundation of China under Grant nos. 11002045, 10672017 and 10632020 for this research work. Yi-Ze Wang also would like to acknowledge the supports provided by the China Postdoctoral Science Foundation and Japan Society for the Promotion of Science (JSPS) to perform research work at Tokyo Institute of Technology, Japan.
  • Qian Zhenghua, Li Peng, Jin Feng, Hirose Sohichi
    セッションID: OS05-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    In this paper, we study the energy trapping phenomenon of thickness-twist waves propagating through an imperfect joint between two semi-infinite piezoelectric plates of crystals with 6mm symmetry. Considering the imperfect joint by a spring-type relation which covers both mechanical imperfect continuity condition and electrical imperfect continuity condition, we obtain an exact solution from the three-dimensional equations of piezoelectricity. The solution can be reduced to some well-known results when the spring-type parameters for the imperfect joint take some special values. The effects of the imperfect joint on the energy trapping phenomenon are graphically shown. When the incident wave frequency and the mechanical imperfect parameter meet some particular relation, no reflected waves can appear in the piezoelectric plate. The results are of fundamental significance to the design of resonators and other piezoelectric devices when imperfect joints are considered.
  • 藤井 雅留太, 松本 敏郎, 高橋 徹, 植田 毅
    セッションID: OS05-15
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    広い周波数帯に多くのレーザモードを持ち、広角なレーザ発振が可能なランダムレーザは従来のレーザデバイスでは実現できない特徴的な性質を有しており、近年盛んに研究が行われている。これまでのランダムレーザの先行研究として、FDTD法による数値計算により、周波数や誘電率の体積充填率の変化に対するランダム構造内での電場強度の応答を調べている研究が多い。一方で、我々はこれまでに誘電体ランダム配置系におけるレーザ発振の数値解析、つまりランダムレーザによるポインティングベクトルの増加の数値シミュレーションを有限要素法によって行った。本研究では我々の反転分布強度をパラメータとしたアプローチにより、電場強度の応答を調べた先行研究を解釈、評価するためにレーザ発振と電場強度の両方を有限要素法により求め、依存性を詳細に調べた。
  • 古田 雄輔, 斎藤 隆泰, 廣瀬 壮一, 中畑  和之
    セッションID: OS05-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    非線形超音波法は,不完全接合部やき裂等の微視欠陥に対する新たな超音波非破壊評価手法として注目を集めている.しかしながら,非線形超音波法で利用する高調波や分調波の発生機構については未知の部分が多い.本研究では,不完全接合部を有する異種材料接合界面に対する非線形超音波の数値シミュレーションを行う.解析には,波動解析において解の安定性が期待できる演算子積分時間領域境界要素法を用いる.本論文では,まず,演算子積分時間領域境界要素法の定式化およびその解析精度を確認した後,不完全接合部を有する欠陥について、微小開口及び摩擦を考慮したモデル化を行う.そして,モデル化した欠陥に対して入射SV波、P波を用いた非線形超音波法の数値シミュレーションを行うことにより,高調波や分調波等の発生機構について考察する.
  • 渡辺 陽介, 丹生 清也, 杉本 信正
    セッションID: OS05-17
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    形状や性質が等しい多数の剛体のはり(またはパネル)がそれぞれの両端で連結された構造を「連接剛体系」とよぶ。連結部では隣り合う二つのはりがなす相対的な回転角に応じて復元モーメントを与える「非線形回転バネ」が取り付けられている。これまでの数値解析から系の両端が自由境界条件である場合、適当な初期条件を与えると系内に局在振動(「非線形局在モード」)が励起されることおよびこの局在振動が本質的に系内を移動することがわかっている。本講演では、系の一端が固定された場合に、固定端が非線形局在モードの移動に与える影響について明らかになったことを報告する。
  • 王 彬, 廣瀬 壮一
    セッションID: OS05-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    本報告では、ガイド波の反射係数を用いた逆解析によって平板の減肉欠損の定量化評価方法を表す。ガイド波は、SHとLambの両モードを考慮した。 逆解析には、反射波の積分表現が必要であるが、その際に必要となるGreen関数をSH波とLamb波の両モードについて導出した。その後、Bornと遠距離近似を導入することによって、周波数素領域の反射係数と減肉を表す関数がフーリエ変換ペアになって、逆解析ができることを示す。 人工的な欠陥モデルを導入し、SHとLamb波の反射係数を数値解析法の一つであるMode-exciting methodによって求めた。その係数を用い、逆解析の結果が先の欠陥に合うことを示す。減肉欠損の形状、周波数、モードなどパラメーターとして分析様々な計算例を示す。
  • 中畑 和之, 木本 和志
    セッションID: OS05-19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
     アレイ探触子を用いた超音波探傷法として全波形サンプリング処理(FSAP)方式が提案されている.FSAP方式では電子スキャン装置の同時励振機能を使わずに,各々の素子で送受信した超音波を波形マトリクスに記憶し,必要な波形を選択して用いる.ここでは,FSAP方式を利用した非均質材料中の欠陥の再構成を試みる.レイトレースに基づく開口合成法(SAFT)は均質な材料に対しては有効であるが,局所的に非均質・異方性を有する材料には適用が困難である.ここでは,SAFTの適用が難しい複雑な材料中に対して,シミュレーション(イメージベースEFIT)を援用した時間反転アルゴリズムによって映像化を試みる.
OS06 乱流輸送現象の理論・実験・数値計算の進展
  • 深潟 康二
    セッションID: OS06-01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
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    進行波状壁面入力による乱流摩擦抵抗低減に関する最近の取り組み,特に完全発達チャネル乱流における進行波状吹出しあるいは進行波状壁面変形による抵抗低減に関する数値的研究を紹介する.流れによってパッシブに駆動される受動波状壁面および外部入力によってアクティブに駆動される能動波状壁面の双方を取り上げる.
  • 阿部 浩幸, 溝渕 泰寛, 松尾 裕一
    セッションID: OS06-02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    剥離を伴う平板乱流境界層のDNSを実行した.流入部のデータは,リスケール・リサイクル法を用いたゼロ圧力勾配の平板乱流境界層のDNSにより与え,流入部のレイノルズ数は,自由速度と運動量厚さに基づいたレイノルズ数(Retheta)で,300,600に設定した.本報では,乱流統計量および乱流構造に関するレイノルズ数依存性について報告する.
  • 臨界Reynolds数とSlugを含む全容解明に向けて
    内藤  健, 松下 俊介, 前口 紘毅, 劉 黄塁
    セッションID: OS06-03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    片側に自由境界を有する固体平板壁上や自由噴流の乱流遷移現象は、線形安定論と決定論的Navier-Stokes方程式の数値解析などにより、かなり多くのことが解明されてきた。しかし、直管内の乱流遷移現象については、長い間、線形安定論も数値解析も壁にぶつかったままで、Slugのような臨界Reynolds数近傍での複雑挙動の全容を明らかにしてこなかった。著者らは、数年前、これらの謎を解き明かすことができる方法を統計力学に基づいて提示し、いくつかの実験事実を説明できることを示してきた。本発表では、何故、その方法論が有効であるのかということを明らかにし、かつ、有効である問題範囲について説明する。離散化法とその精度の影響についても言及する。
  • 根本 弘一郎, 半場 藤弘
    セッションID: OS06-04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    自然界には大規模な磁場構造が存在する。身近な例では地球の地磁気がある。このような磁場の生成・維持機構はよくわかっていないが、有力な説としてダイナモ理論がある。これは電導性流体の運動によって磁場を誘起するという機構である。多くの場合、電導性流体の運動は乱流状態であり、磁場の生成・維持には乱流が重要であると考えられている。 場の量を平均とゆらぎに分けた磁場の誘導方程式には乱流起電力と呼ばれる項が現れる。これがゆらぎの効果を示す。乱流起電力のモデルとして、これまで平均磁場によるα項と平均電流によるβ項が考えられてきた。しかし近年、乱流の統計理論(TSDIA)の解析により、平均渦度場による項(γ項)が提案された。この項は速度ゆらぎと磁場ゆらぎの内積(乱流クロスヘリシティ)と関連し、磁場と流れ場の関係を考察するダイナモの理解に重要であると考えられる。このγ項を念頭に置き、数値実験を行って得られた乱流起電力についての知見を紹介したいと思う。
  • 長田 孝二, 鈴木 博貴, 酒井 康彦, 早瀬 敏幸
    セッションID: OS06-05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    フラクタル形状を有する格子によって生成されるマルチスケール誘起乱流の特性と,その中でのスカラー輸送現象に関する実験および三次元直接数値計算(DNS)結果について報告する.関連する研究のレビューも行う.実験には小型水槽を用い,テストセクション入口部に四角形を基本要素とするフラクタル格子を設置し,上層から水道水を,下層からは蛍光染料であるローダミン水溶液(シュミット数Sc~2,100)を供給し乱流混合させた.二成分流速測定には粒子画像流速計(PIV)を,濃度測定には平面レーザ誘起蛍光法(PLIF)をそれぞれ用いた.実験と同様の乱流拡散場についてDNSを実行し,乱流場の一様等方性や渦構造に関する考察を行った.
  • 藤田 將喜, 大庭 勝久
    セッションID: OS06-06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    二線式温度流速計は、抵抗線温度計と熱線流速計から構成され、気流の温度・速度の高精度な同時計測が可能な熱流体計測器である。2種類のセンサを組み合わせて使用することから、温度・速度センサ間には必然的に空間的隔たりが生じる。この隔たりによって、計測器の空間分解能の低下に加え、温度・速度信号間に生じる位相差に起因した相互補償の不具合が速度信号にスパイク状ノイズを発生させるという問題がある。遅延補償回路により、温度信号を瞬時流速およびセンサ間隔に応じた時間遅延させることで、上記問題の解決が可能である。本研究では、ワンチップマイコン(SH-2A)を用いて遅延補償回路を構築することにより、従来型に比べ幅広い流速範囲(1.8~12m/s)において高精度な遅延補償を可能にした。このことは、二線式温度流速計を用いて平均流速の変化幅の大きな成層乱流場や噴流境界面における乱流熱流束の高精度計測が可能となることを意味している。
  • 河田 卓也, 中 吉嗣, 深潟 康二, 小尾 晋之介
    セッションID: OS06-07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、小型静圧プローブと熱線流速計の組み合わせによる乱流中における速度・圧力変動の同時計測において、静圧プローブの形状の影響について実験的に調査した。プローブの太さや長さなどが異なる様々な種類の静圧プローブを用意し、円柱後流においてX型熱線プローブとの組み合わせにより速度・圧力相関分布の計測を行った。円柱の直径と主流速度にもとづくレイノルズ数は3900であり、円柱の直径をD、x軸を円柱の中心を原点として主流方向にとると、計測位置はx=10D, 30Dである。計測された静圧変動強度p'、主流方向速度と静圧変動の相関u'p'は静圧プローブの種類に関係なくほぼ一致した結果が得られたが、その一方で垂直方向速度と静圧変動の相関v'p'はプローブの種類による変化が顕著であった。静圧プローブの形状との因果関係に一貫性は認められず、さらなる調査を行う必要がある。
  • 小林 宏充, 塩野谷 浩生, 奥野 喜裕
    セッションID: OS06-08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    小型分散電源の1つとして,液体金属を用いたMHD発電機が注目されている。本発電機は,矩形流路に液体金属を流し,磁場を印可することにより発生する起電力を,流路壁に対向するように配置した電極から外部へ取り出す。液体金属は高い電気伝導度を有するので,低い流速でも高効率の発電が行える点が特徴である。発電機に印可する磁場は,有限幅の磁石で印可されるので,流れ方向に非一様な磁場中でのMHD乱流の解析が必要となる。乱流構造も検証できるラージエディーシミュレーションを行った結果,磁場勾配に起因して流路内には渦電流が発生し,壁面近傍にはジェット流ができ,平均流速のM字形分布が得られた。また,レイノルズ応力分布は,ほぼゼロであるが乱流強度が残ること,発電領域下流では,カルマン渦のような周期的な構造が得られることが分かった。また,乱流構造に基づくサブグリッドスケールモデルを用いることにより,Smagoriskyモデルに比べて,適切に磁場による再層流化が表現されることを確認した。
  • 小幡 鷹政, 森西 洋平
    セッションID: OS06-09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    平板壁と波状壁間の乱流においては,流路幅の変化により主流方向速度の加速・減速,また,せん断応力や圧力の周期的変動を伴う.更に波状壁の振幅の増加によりはく離領域が存在する流れ場となる.このような非定常乱流場を解析する有効な手法としてLESが挙げられる.LESの空間離散化手法としては高次精度のものが望まれ,そのような手法としてコンパクト差分が知られている.近年,コンパクト差分による非圧縮性流れの数値計算に対し,効率的な圧力のポアソン方程式のソルバー,および混合型に基づく安定な移流項の差分スキームが提案されている.本研究ではコンパクト差分による非圧縮性流れの数値計算手法を境界適合法へと拡張し,波状壁チャネル乱流のLESを実施する.得られたLESのデータを基に波状壁が乱流統計平均量や乱流構造に与える影響を議論する.
  • 松並 弘, 森西 洋平
    セッションID: OS06-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
     気液混相流とは, 気相と液相が混在し, その間に複雑に形状変化する自由界面が存在する流れである. この流れの特徴として自由界面において物性値が不連続に変化することや表面張力が作用することが挙げられる. 一方, 乱流の非定常数値計算においては, 移流項に起因する数値不安定性の抑制や非物理的な乱れの生産や散逸を出来るだけ与えないことが望ましく, これに適した数値計算手法として自乗量保存形移流項差分スキームが開発されている.本研究では, 気液混相流の数値計算手法へ自乗量保存形差分スキームを組み込むことを試みている. 気液間の自由界面の追跡方法にはLevel set法を採用する.
  • 後藤 晋
    セッションID: OS06-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    乱流が強い輸送を生み出すことは直感的には明らかであるが、その物理機構はよく理解されてはいない。一方で、大規模で精密な乱流の数値シミュレーションが近年盛んに行われるようになったことで、乱流は必ずしもランダムな流れではなく、それが秩序だった構造を伴うことが明らかとなってきた。 そこで乱流中の秩序構造のはたらきとして、乱流輸送現象や乱流現象そのものを理解できないかと考え、十分に発達した一様等方乱流の数値シミュレーションを実行し、流れ場の詳細な解析を行った。その結果、次のことが明らかとなった。(i) 乱流中には秩序立った管状の渦構造が階層構造を成して存在し、これらの管状の渦構造は互いに反平行にそろう傾向がある。(ii) 各階層の渦対間で強い混合や輸送が促進されるため、全体として強い乱流輸送が維持される。(iii) これらの多重スケールの渦(対)による渦伸長過程が乱流の維持機構(エネルギーカスケード)においても重要な役割を演じている。
  • 巽 友正
    セッションID: OS06-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    流体乱流の多点速度分布に対するLundgren-Monin方程式系を、交差独立性完結仮説を用いて、厳密に完結させることが出来た。
  • 岡本 正芳
    セッションID: OS06-13
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    乱流統計理論の一つである2スケール直接相関近似理論に拡散係数に関する展開を組み合わせた理論解析を行い、分子拡散率を含みむ形でのエネルギースペクトル表現と乱流モデルの導出について発表する。そしてその有効性についても数値計算等から検討する。
  • 有木  健人, 半場 藤弘
    セッションID: OS06-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    非一様乱流に対する統計的解析手法として,座標変換に対する共変性を主眼とした理論を構成した.当理論は2-スケール直接相互作用理論(TSDIA)を基礎として,平均速度によって運搬される座標系を新たに導入して構成されたものであり,共変的な乱流統計量に対して,常にその共変性を保証するようにモデル化することを可能にする.実際に当理論を用いてReynolds応力のK-ε型二次非線形代数モデルを求め,これが座標変換に対する共変性を満たしていることを確認した.また当モデルは,従来の乱流モデリングから示唆されてきた,渦度二次の項が含まれてはならないという要求を満たしていることも分かった.さらに,当モデルはTSDIAから導出されるものと比較して,流体の直接数値計算の結果を定性的に良く再現することが示された.
OS07 複雑流体の構造とレオロジー
  • 園村 光弘, 水沼 博, 道脇 幸博
    セッションID: OS07-01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、食品嚥下時の窒息症状を可視化すると共に、窒息の原因となる食品物性と窒息発生のメカニズムを明らかにすることで、窒息事故の置きにくい安全な食品を開発することにある。そのため、幼児や要介護者の死亡事故が報道されているゼリー状食品について、食品物性の計測を行い、そのデータを用いた人体モデルによる嚥下シミュレーションを実施した。その結果、ゼリーのような弾性の低い(軟らかい)食品であっても、破断応力が高い(噛み切り難い)物性の場合には、食塊が変形しながら咽頭壁面に密着して管腔部を閉塞し、窒息が起こり易い状況となることが分かった。
  • 長田 優樹, 水沼 博
    セッションID: OS07-02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
  • 岩田 修一, 有竹 あゆ美, 森 秀樹, 高橋 勉
    セッションID: OS07-03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    Shear-thinning性流体を満たした光学セルに,上下に気泡を2個設置し,下側から圧力振動を印加すると,2つの気泡は,静止圧力場での自然上昇速度よりも加速された.特に下側気泡は,上側に位置する気泡に引き寄せられるように上昇する現象が観察されている.このメカニズムを解明するため,流動複屈折を利用し,気泡近傍の応力を評価することを検討した.今回,光弾性則が成立し,単一緩和Maxwellモデルとよく一致するCTAB/NaSal溶液を使用し,流動複屈折により生じる遅延の大きさを偏光解析により求め,気泡間におけるHenckyひずみと流体力学的な相互作用を調べた.
  • 秋永 剛, 関 眞佐子, 板野 智昭, 山本 順一郎
    セッションID: OS07-04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
     血液中の血小板凝集と溶解能を評価する簡便な装置として、GTT (Global Thrombosis Test) と呼ばれる血栓症測定装置が開発されている。GTTは、円錐形状の管の中に球形ボールが挿入されており、上方から注入した血液を管内壁とボールの間の狭い隙間(狭窄部)を通過させることにより、血小板に強いずりを与えて血小板凝集を促進させることに特徴がある。このとき、血球間には生化学的あるいは物理的な相互作用が起こっていると考えられる。
     本研究では、狭窄部近傍における赤血球と血小板の間の流体力学的な相互作用に着目し、直径3μmの血小板模擬粒子を用いて、赤血球がその挙動に与える影響を実験的に調べた。まず、GTTの狭窄部に対応させて、矩形流路内に円柱状の障害物を設置し、狭窄部を有する2次元モデル流路を作成した。共焦点レーザー顕微鏡システムを用いて、モデル流路内の血小板模擬粒子の微視的な運動を計測し、赤血球が混入している場合と混入していない場合の差異を調べた。その結果、赤血球が混入している場合には、流路壁近傍において血小板模擬粒子が準周期的な運動をして、波打つ軌道となる場合があることが分かった。
  • 梶原 稔尚
    セッションID: OS07-05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    バッチ式混練機や二軸スクリュ押出機,混練機能を付与した単軸スクリュ押出機を用いたポリマー材料の製造において,溶融混練は材料物性を決める重要な部分である.有効な混練を達成するための混練機や押出機は,実験事実の蓄積,可視化・計測手法やシミュレーション手法の開発と相俟って,その理論構築を展開しながら発展を遂げ,現在もその努力が継続してなされている.また近年,これらの理論に基づいて,混練の評価や現象解明に計算機シミュレーションを利用する事例が増えてきた。講演では,溶融混練理論と計算機シミュレーション技術について,理論背景と現状,および残された課題についてできる限り普遍的な解説をする。
  • 増渕 雄一
    セッションID: OS07-06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    分岐高分子のダイナミクスとレオロジーは工業的にも重要であることから理論的なモデル化が進められてきた.管模型に基づくモデルでは分岐鎖の伸縮が緩和を支配するとし,他の分岐鎖による束縛解放の効果は動的管膨張により考えられている.分岐点の運動は考えられていないか,または分岐鎖が緩和した後にレプテーションにより移動するものとされている.本研究では分岐点の運動と多数の分子の運動を露にあつかうプリミティブチェーンネットワークモデルにより,管膨張の様子と分岐点の運動を調べた.
  • 八百板 隆俊, 伊崎 健晴, 江端 洋樹, 山岡 宗康
    セッションID: OS07-07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    Branch on Branchモデルによる線形粘弾性予測を行い、分岐高分子の実験値との比較を行った結果について報告する。
  • 辻 知宏, 蝶野 成臣
    セッションID: OS07-08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    偏心二重円筒間のネマティック液晶の分子配向状態の数値計算を行った.計算に用いた理論はFrankの分子場弾性理論である.壁面での分子配向条件に強固定配向を仮定した場合,二重円筒間には内円筒を核とする配向欠陥構造が形成される.計算結果より,内円筒の中心位置が外円筒の中心位置と一致しない場合,配向欠陥構造は歪んだ状態となり,内円筒には外円筒の中心方向への力が分子場から及ぼされる.また,内外円筒で非一様な分子配向条件を与えた場合,内円筒にトルクが及ぼされることも分かった.
  • 高橋 勉, 天笠 雄三
    セッションID: OS07-09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/29
    会議録・要旨集 フリー
    液晶性色素をガラス基板上に塗布することにより分子配向状態を形成し,これを乾燥させることにより分子配向薄膜を形成する技術がある.偏光フィルムや太陽電池などの製造に役立つプロセスであるが液晶性色素の塗布過程での挙動や乾燥過程での相変化などの挙動はいまだ不明な点が多い.本研究では,液晶性色素をアプリケータを用いてガラス面に薄く塗布する際に色素会合体が配向する過程を明らかにすることを目的とする.本報告では塗布された液膜の自由表面の伸張に注目し,アプリケータ内部における液膜先端部分の進行速度を測定し自由表面の伸張速度を算出した.その結果,自由表面は液膜の進行にかかわらず一定の伸張速度であり,その値は塗布速度に依存することがわかった.また,液膜がアプリケータから排出され自由表面を形成する排出直後の自由表面の伸張速度をPIVにより算出し,この領域における伸張速度はアプリケータ内の液膜先端部における伸張速度より大きいことを示した.
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