理論応用力学講演会 講演論文集
第51回理論応用力学講演会 講演論文集
選択された号の論文の164件中101~150を表示しています
OS 9-2 破壊現象のメゾスコーピック・ダイナミックス
OS20-1 複合材料の力学特性
OS20-2 複合材料の力学特性
OS17-1 カオスの物理とその応用
  • 勝山 智男, 清野 健, 渕上 信子
    p. 225
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    水道の蛇口から滴る水滴の落下現象は、身近なカオスの例として良く知られている。この滴の落下運動を、高速ビデオカメラによる画像解析と流体力学的数値実験の両面から解析した。それにより、従来の落下間隔時系列解析からのみでは得られなかった、低次元ストレンジアトラクタの構造が明らかになった。得られた結果は、これまで多くの実験で観測されてきたこの系の複雑な振舞に低次元写像力学系としての系統的な説明を与える。
  • 河合 宏俊, 船越 満明
    p. 227
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    支点が固有振動数に近い振動数で小振幅の振動をしている下で3つの球面振り子を正三角形型に弱いバネで結合した3体系の非線形挙動について考察する。各球面振り子は、Milesにより導出された近似的な運動方程式従うとする。微小振動の仮定の下での3体系の基準振動モードは並進、回転以外に3つあり、本研究の仮定の下では、これらの基準振動も励起され得る。3体系の運動を計算し、基準振動モードに分解すると、結合が強くなるに従い、非同期基準振動モードが励起される範囲が増大することが分かった。また、単体系の固定点に対応する3体系の同期運動の安定性解析を行った。その結果、結合が強くなるほど不安定化して同期が外れやすくなり、モード分解の結果と一致する。さらに、速度に比例する減衰力が働くと仮定し、バネによる結合を取り入れた厳密な方程式においても、結合の強さと同期、非同期の関係について同様の結果が得られた。
OS17-2 カオスの物理とその応用
OS14-1 ハイパフォーマンスコンピューティング
OS14-2 ハイパフォーマンスコンピューティング
OS 8-1 機械工学における固体力学研究の拡がり
  • 畑 俊明
    p. 242
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    20世紀には固体力学の分野で優れた多くの研究がなされたが、計算力学が全盛となって以来これらの論文を参照する研究者は激減している。これは、原論文が難解で解読しにくい上、結果の表示方法も分かりにくいためであると思われる。そこで、数式処理システムに原論文を移植し、より多くの計算データや図を加えて読みやすくすれば、20世紀の工学的遺産の重要性を再認識することが出来る。本論文では、1936年に初めて切欠きの応力集中を解析したが現在ほとんど引用されなくなったMaunsellの論文を例に、新しい概念に基づくデータベースの構築に関する新提案を行う。
  • 鄭 穎
    p. 243
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    近年, FRP, 繊維強化金属(MMC), セラミックス, 傾斜機能材料などの新材料が開発されてきた. 本研究は, 厚板内に偏平回転楕円体状介在物が存在し, 無限遠方において, 軸対称曲げ荷重を受ける問題を三次元弾性論に基づいて厳密に解析したものである. 解析においては, Papcovich-Neuberの変位関数を用い, 回転楕円体調和関数および円柱調和関数を与え, 異なる座標系で表された解を互いに座標変換することによって, 介在物境界面の境界条件と厚板上下面の境界条件を同時に満足させた. さらに, 理論解に基づいて数値計算を行い, 介在物近傍の応力分布ならびに最大応力に及ぼす介在物の大きさ, 形状比及び剛性率比による影響を明らかにした.
  • 海津 浩一, 富永 修治, 池田 清彦
    p. 245
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、生物が環境に適応するように、構造物の形態を決定する手法を提案するものである。構造解析に拡張個別要素法を用い、応力の低い要素を淘汰、応力が高い要素はその回りに要素を発生させる手法を用い、設計空間にとらわれずに構造物が衝撃負荷条件に対して、一番好ましいと思われる形態に自己組織化的に変化していく手法を提案する。解析結果から、細長いものからブロック状のものまで、初期形態に関わらず良好な位相設計が行えることを明らかにした。また、本手法は設計空間にとらわれないため、構造物が与えられた荷重条件に対して一番好ましい形態に自己組織化的に変化していく様子も示すことができた。
  • 小林 秀敏, 臺丸谷 政志
    p. 246
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
     本報告では,広い面積の効率的な支持構造に関する有益な知見を得るために,幅広の葉身で鳥足状脈系を持つプラタナスの葉に着目し,主脈と二次脈との分岐の角度,主脈の断面形状の変化等の形状計測,葉柄,中央脈,葉身の力学的性質を得るための引張試験を行い,これらの測定結果を基に葉の有限要素モデルを構築し,2_から_3の負荷条件に対する応力分布や変形状況を求め,プラタナスの葉の全体構造について力学的評価を行い,プラタナスの葉のような支持部材と面部材の複合構造の有効性が明らかになった.
OS 8-2 機械工学における固体力学研究の拡がり
  • 才本 明秀, 今井 康文
    p. 249
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    多軸圧縮を受けるぜい性固体中のき裂伝ぱ・合体解析を線形破壊力学に基づいて実施した。圧縮応力をうける固体内ではき裂面が接触して開口型の応力特異性が現れないが、せん断型の変形を駆動力として、き裂先端からウイングき裂(モードI)が生じ、圧縮軸とほぼ平行に伝ぱする。ウイングき裂は安定成長するため、単軸圧縮荷重の増加とともに徐々に進展してぜい性的な割れを生じる。一方、ウイングき裂の進展を妨害するような封圧が同時に存在すると、固体は疑似的なせん断破壊を起こすようになる。本研究で封圧によるぜい性破壊の抑止と、適切な位置に存在する複数のウイングき裂の干渉効果に注目し、疑似的せん断破壊に至るメカニズムについて考察した。
  • 谷川 義信, 河村 隆介, 石田 祥二
    p. 251
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は不均質弾性体の平面弾性/熱弾性問題(平面ひずみおよび平面応力)の理論解析を行ったものである.不均質体の物性値として横弾性係数をyの任意のべき乗の形で仮定し,平面問題に対する基礎方程式を導出している.さらに,変位および応力成分の定式化を行い,等温弾性問題に対する数値計算結果を示す.
  • 須見 尚文
    p. 252
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    古典熱弾性理論には熱波の速度が無限大という物理的な矛盾が含まれており、その矛盾を克服するために1個の熱の緩和時間を導入したLord-Shulmanによる一般化された熱弾性理論および2個の緩和時間を導入したGreen-Lindsayによる一般化された熱弾性理論が提唱されている。著者はこれまでにLord-Shulmanによる一般化された熱弾性理論に基づいて種々の熱弾性問題を解析してきた。本論文ではGreen-Lindsay理論による一般化された熱弾性問題の特性曲線法を用いた解析方法を提唱している。表面をランプ加熱される無限平板に対して数値計算を行い、G-L理論による熱波と熱応力波の伝播挙動を、L-S理論による解と比較・検討している。
OS 8-3 機械工学における固体力学研究の拡がり
  • 荒居 善雄, 土田 栄一郎, 陳 安竜
    p. 255
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    低密度の金属をマトリックスに用い、セラミックスの繊維、ウィスカあるいは粒子を強化材とした金属基複合材料は比剛性、比強度が高く、耐磨耗性に加えて耐熱性も優れているという特徴を持つ。本研究では、鋳造により製造されたSiC粒子強化アルミニウム合金を用いて高温引張試験を行い、高温破断延性とその破壊機構を調べるとともに、熱サイクルが高温破断延性に及ぼす影響を議論した。破断面の形状測定と成分分析を行い、微小空洞の形成と合体の形態に及ぼすSiC粒子クラスタの影響を明らかにした.さらに、周期的に介在物が分布する材料が遠方で一様引張りを受ける問題を弾塑性有限要素法を用いて解析し、応力-歪関係におよぼす熱サイクルの影響を考察した。
  • 荒木 稚子
    p. 256
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,エポキシ樹脂の破壊靭性値に及ぼす硬化状態の影響を明らかにすることを目的とした.エポキシ樹脂の硬化状態を定量化するためのパラメータとして,ガラス転移温度とAngellのフラジリティを用いた.まず,様々な条件下でエポキシ樹脂試料を作製し,各試料の熱粘弾性特性からガラス転移温度とフラジリティを導出した.室温での破壊試験および原子間力顕微鏡・ラマン分光光度計を用いた破面により,これらのパラメータの妥当性について検討した.さらに,様々な温度および速度条件で破壊試験を行い,エポキシ樹脂の破壊靭性値の温度・時間依存性を明らかにした上で,これに及ぼす硬化状態の影響について考察した.
  • 岡田 裕, 小林 誠一, 福井 泰好, 熊澤 典良
    p. 257
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    ポリプロピレンなどのエンジニアリングプラスチックで成型された部材の衝突あるいは衝撃解析が工学的に重要である.例えば,自動車では衝突エネルギを吸収し,乗員を保護するための最適な構造設計が望まれる.一方,携帯電話や家庭用電気機器などの場合は衝撃荷重(例えば落下)に対して十分な強度を持つことが必要である.樹脂材料のための粘弾塑性構成方程式が提案されているが,それらは商用有限要素方プログラムに採用されていないため,現場のCAE技術者は困難に直面する.そこで一つの工学的アプローチとして,標準的なダンベル試験片を用いた簡便な引張試験の結果より樹脂材料の硬化則を導き,商用有限要素法プログラムで解析を行う手法を紹介する
  • 佐々木 克彦, 柳本 陽征, 石川 博將
    p. 258
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    電子機器のライフサイクルが著しく短くなってきており、これに伴い廃棄される電子機器に用いられているはんだから溶出する鉛による環境汚染が深刻化している。このため、鉛の含まない、いわゆる鉛フリーはんだによる電子実装基板接続部の新たな技術開発が急務となっている。そのためには、鉛フリーはんだの力学的特性を明らかにするとともに、その力学特性を正確に記述可能な構成モデルの構築とそれによる構造解析が必要不可欠である。本研究では、まず、鉛フリーはんだと鉛はんだの粘塑性変形特性の違いについて明らかにする。そして、鉛フリーはんだの粘塑性変形特性を記述可能な構成モデルについて検討する。さらに、構築した粘塑性構成モデルを用いた有限要素解析を行い、従来、鉛はんだで行われてきた弾塑性クリープ解析、弾クリープ解析と比較検討する。
  • 野田 直剛
    p. 259
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    A two-dimensional calculation of elasto-plastic thermal stresses, arising from the partial heating of a functionally graded plate (FGP), is presented. The residual stresses arising from the fabrication of the FGP are considered in order to obtain more accurate elasto-plastic thermal stresses. We use the thermo-elasto-plastic constitutive equation of a particle-reinforced composite taking temperature change and damage process as well as the reinforcing effect of particles into consideration. Using the finite element method, the effects of the length of the heating region and the distribution parameter of the composition on the macroscopic and the microscopic stresses are discussed. A linear variation in composition from fully ceramic to fully metal showed the least elasto-plastic thermal stresses.
OS18-1 高分子成形加工における計算機工学
  • 木原 伸一, 船津 和守
    p. 260
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    高分子溶融体や濃厚溶液の非線形レオロジ_-_特性を記述する粘弾性構成方程式は、高分子成形加工におけるCAEの予測能力を左右するため、その予測精度向上は重要である。今回、絡み合いなどの力学作用点の異方的な移動度と伸長を考慮して粘弾性構成方程式を導出し、平面伸長粘度の成長特性について力学作用点の伸長のみを考慮したLarsonモデル、異方性の移動度のみを考慮したGiesekusモデルと比較した。実験値に対して提案したモデルはLarsonモデル、Giesekusモデルに比べ比較的良好な予測が行えることを示した。
  • 岩田 修一, 新垣 勉, 森 秀樹, 服部 雅仁, 後藤 郁久
    p. 261
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    筆者らは,省メモリー型の粘弾性流動解析手法である分割法を用いてダイスウェル流動シミュレーションを行い,その収束性を改善する手法を開発してきた.しかしながら,ダイスウェル流動では,境界条件が不連続な特異点(3相接触点)が含まれており,特異性を考慮しないで解析をおこなうとこの点の近傍に数値振動が発生するため,収束性を悪化させる一因となっている.Georgiouらが,破壊力学問題で多用されている特異有限要素に着目し,特異点を囲む小領域には<I>r<SUP>l</SUP></I>タイプの級数からなる特異要素を,その他の領域には通常要素を用いる手法をニュートン流体流動解析に適用した.筆者らは,この特異要素を粘弾性流動解析に拡張・適用することを検討し,特異点近傍の数値振動の低減と,We=100にて収束解を得たことを報告した.しかしながら,この手法では,応力Eが特異点にて有限値を持つという速度場と同じ形状関数を用いたため,偏差応力τに含まれる弾性寄与項Eが支配的になる高ワイゼンベルグ領域では,厳密に応力の特異性が保たれない可能性があった.そこで本報では,圧力・偏差応力がともに特異点にて無限大となる形状関数を用いた新しい特異要素をダイスウェル流動解析に適用し,We=10にて収束解が得られた.
  • 山本 剛宏, 中村 喜代次, 森 教安
    p. 262
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    T型の合流流路における粘弾性流体の流れを,構成方程式にPhan-Thien Tanner (PTT)モデルを使用し,有限要素法により数値計算した.両側の流路入り口からの流量が等しい対称流れと流量が異なる非対称流れを対象とした.ワイセンベルグ数や入り口流量比,モデルパラメータなどを変化させて種々の計算条件で計算を行い,その結果をもとに流動挙動を解析した.対称流れでは合流部の両側の角部付近でリップ渦が発生し,その大きさはワイセンベルグ数とともに増大する.また,入り口流量比を変化させることで合流部付近の主流の屈曲や非対称なリップ渦の発生など,実験においても観察されている現象がみられた.
OS18-2 高分子成形加工における計算機工学
  • 風間 邦彦, 伊藤 浩志, 鞠谷 雄士
    p. 264
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は速度を周期的に変動させた速度変調溶融紡糸のオンライン計測と数値解析,得られた繊維の構造解析を通じ紡糸線の状態変化の様相,繊維構造形成機構,得られた非晶繊維の結晶化挙動について解析し,従来法では得られない新規な構造を有する繊維の創出の可能性について検討した。得られた繊維は直径、複屈折値ともに繊維軸方向にそって周期的な変動を示した。このとき同一の直径および複屈折値を有する部分が周期的に現れるが、その構造には差異が存在することが熱に対する応答より明らかとなった。このような結果は、今回作成した紡糸線の非定常状態数値解析プログラムから得られる紡糸線の変形メカニズムの予測結果を用いて推測可能である。
  • 市川 武志, 福永 守高, 牧野 国雄, 横山 敦士, 山田 敏郎
    p. 265
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    シリコンウェハスライス工程はLSI製造の精度向上のために非常に重要である.ウェハ軸と結晶軸のずれをもたらすため,シリコンウェハのそりは深刻なトラブルとなる.この軸ずれは後の研磨では解消できない.このような現象についての数値解析は有用と思われるが,そのような報告は今のところない.著者らは連成熱_-_応力マトリクスを用いた新しい有限要素モデルを提案する.そのモデルでは,スライスされた要素の熱伝導と剛性はゼロになる.切削熱がそりの第一の原因と仮定された.切削により発生する熱は,実験と数値解析の温度を比較することで求めた.200ミリウェハのそりは数値解析より4.21マイクロメートルと見積もられた.300ミリウェハについては3.7-8.5 マイクロメートルのそりと見積もられた.数値解析の結果は切削熱が小さければ,そりも小さくなることを示した.切削熱がシリコンの破壊と摩擦により発生すると考えられる.数値解析結果は破壊熱が主たる原因であると示唆した.
OS18-3 高分子成形加工における計算機工学
OS18-4 高分子成形加工における計算機工学
  • 石川 健, 天野 太郎, 木原 伸一, 船津 和守
    p. 268
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    近年同方向回転二軸スクリュー押出機に対して,切り欠きスクリューなど特殊エレメントが提案されている.これらは高押出量と良混練性能のバランスをねらったものと考えられ,ある種の混練プロセスでは積極的に利用されている.しかしながらこれら特殊スクリューエレメントの実験的解釈については幾つか報告があるものの,数値シミュレーションによる理論的解釈はほとんど行われていないのが現状である.このため筆者らは従来開発を進めている三次元非等温流動解析を切り欠きスクリューエレメントに適用し,その流動パターンや温度分布を定量化した.もちろんこれは実験検証による裏付けを伴うものである.また得られた流動パターンより運転条件と混練性能についても考察した.その結果,切り欠きスクリューは,分散混合性能にはやや劣るものの,高回転域での分配混合性に優れ,かつせん断発熱を抑制する効果を確認した.ただし,混練性能は切り欠き数,幅,ピッチなどに大きく影響されるため,その最適化には数値シミュレーションが不可欠である.
  • 辻 哲治, 山浦 将智, 井上 栄一郎, 木原 伸一, 船津 和守
    p. 269
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    ニ軸押出機は、高分子ブレンド・アロイ・コンポジット材料の開発に利用される装置であるが実験的にブラックボックス化しており、CAEによる装置の最適化や現象解明が望まれている。特に、ニ軸押出機内の固体輸送部や溶融開始部、脱気部などは非充満状態で運転されているが、非充満状態の数値解析は従来ほとんどなされていない。本研究では、粒子法を用いて2次元等温および非等温状態の非充満部の数値解析プログラムを開発し、表面形状や表面更新について充満率やスクリュ回転数の影響を検討した。今回検討した2次元スクリュ形状では、充満率が30から50_%_の間で表面更新速度が最も早いことが分かった。
  • 魯 剛, 梶原 稔尚, 山村 方人, 川口 香里
    p. 270
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    In this paper, a Newtonian droplet breaking up into a Newtonian matrix under simple shear or simple elongational flow are simulated by using discrete element method (DEM) and are experimentally observed through visualization set-up. The simulation results are compared with the experimental results, and the qualitative agreements are obtained.
OS 3-1 乱れの構造と特異性
  • 店橋 護, 岩瀬 識, 宮内 敏雄
    p. 271
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究ではレイノルズ数の異なる一様等方性乱流の直接数値計算結果を用いてコヒーレント微細渦構造の統計的性質を検討した.コヒーレント微細渦構造の最頻直径はコルモゴロフ・スケールの約8倍,最大周方向速度はコルモゴロフ速度の約1.2倍でありレイノルズ数にほとんど依存しない.コヒーレント微細渦の中心には平均的に回転平面内でコルモゴロフ・タイムスケールの逆数の約0.2倍程度の圧縮と伸張が作用しており,回転軸と約15度方向に弱い伸張が作用している.そのためコヒーレント微細渦の回転平面内の特性は非軸対称となり,周方向速度は明確な楕円形を示す.楕円の長軸上で第二不変量及びエネルギー散逸率は極大値を示し,第三不変量は極小値を示す.これらの極値の位置はほぼ一致しており,コヒーレント微細渦周囲に形成されるエネルギー散逸は明確な非軸対称性を示す.
  • 槇原 孝文
    p. 273
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    乱流中に比較的長く存在する管状の渦構造は乱流運動を理解する上で重要な役割を演じているものと考えられている.渦構造を直視するために,渦度や圧力のラプラシアンを用いて管状渦が可視化されている.本論文では,客観性を重視して著者の一人によって提案された低圧力渦を用いて管状渦を可視化する.これらの可視化によって管状渦の運動や役割に関する理解が深まってきている.しかしながら,管状渦がレイノルズ数の大きい極限でも安定に存在し,かつ重要な役割を果たすかについては未だ詳細に分かっているわけではない.そこで本論文では,異なる3個のレイノルズ数に対して一様等方性乱流の直接数値計算を行い,低圧力渦の物理特性のレイノルズ数依存性を調べる.
OS 3-2 乱れの構造と特異性
OS 2-1 工学・物理に現れる逆問題の解の構成と数値解析
OS 2-2 工学・物理に現れる逆問題の解の構成と数値解析
  • 代田 健二, 村上 哲, 大浦 洋子, 大西 和榮, 安原 一哉
    p. 286
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    We are given water discharge strength and hydraulic heads at m observation points.Our problem consists of identifyingthe transmissivity in the area, based on the data.Among the m hydraulic heads, we take some of themto determine Dirichlet data along the boundaryof the domain of analysis,and we retain some of them for varidation ofour calculated results, leaving n hydraulic headsas live data of the interior measumement.The problem is formulated as a variational problem,which leads to a system of primary andthe adjoint problems having the form ofconventional boundary value problem ofthe steady seepage equation.The boundary value problems are solvedapproximately by using the finite element method,and an object functional is minimized byan iterative procedure.
  • 代田 健二
    p. 287
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    本発表では,線形弾性波動方程式の係数同定問題に対する数値計算法について考察する.この問題は,対象物体表面上で一定時間観測された変位と表面力から,内部の材料係数を決定するものであり,非定常振動場の非破壊検査の一つのモデルである.対象とする弾性問題としては3次元問題が本質的であるが,研究の初段階として,2次元問題である平面応力問題について考えることにする.同定する材料係数としては,Young率のみとし,密度,Poisson比は既知であると仮定する.未知Young率を同定する方法として,本発表では変分法的同定法を採用する.この方法はスカラー波動方程式の係数同定問題に対して提案されたものであるが,線形弾性波動問題にも適用できることを示す.また数値実験により,本手法の有効性を検証する.
  • 曽我 日出夫
    p. 288
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
     線型の弾性波動方程式を考え、それで支配されている波を、漸近解によって具体的に表示し、そこからさまざまな情報を引き出すことを試みる。 まず、漸近解の構成法を整理説明し、数学的な課題などに触れる。 次にいくつかの状況のものとで、境界で反射された波を、漸近解の形で具体的に表示してみる。例えば、デルタ関数のような不連続な波が反射する場合、さらに全反射する場合、弾性体の空洞によって波が反射される場合などを考える。全反射する場合のときには、いわゆるevanescent波の表示などに触れる。また、空洞による場合のときには、その中に液体が詰まっているときといないときとを、両者の違いがどこに現れるかなどをみてみる。
OS 7-1 成層・回転流体の力学
OS 7-2 成層・回転流体の力学
  • 中分 晋
    p. 294
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/05/10
    会議録・要旨集 フリー
    乱流拡散に及ぼす回転の効果を調べるためにはせん断のない一様な乱流の解析が理想的である.この流れ場は乱流エネルギーの輸送方程式中に回転の効果が陽的に現れないためその理解が非常に困難であり,乱流拡散に及ぼす回転の効果の詳細は不明である.本研究では,まず回転する円筒容器内で格子が一定速度で移動することにより一様減衰乱流を生成させる装置,および格子が振動することにより振動格子乱流を生成させる装置を作成した.円筒容器内の流速はレーザー・ドップラー流速計(LDV)により計測される.これまでの回転系一様減衰乱流の実験では,乱流生成格子からの距離を独立変数として乱れの減衰挙動を調べているが,本研究では時間を独立変数として乱れの減衰挙動を計測することに特徴がある.また従来の回転系振動格子乱流の実験では可視化実験によって回転系に存在する渦構造の変化が調べられているが,本研究では可視化実験によって流れの構造を確認した後,乱れの空間分布および乱れに及ぼす回転の効果をLDV計測を通して調べる.
feedback
Top