日本女子体育連盟学術研究
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2004 巻 , 21 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 細川 江利子
    2004 年 2004 巻 21 号 p. 1-20
    発行日: 2004/11/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本論文では, ケイ・タケイ (Kei Takei武井慧1939-) の代表作《ライト (Light)》シリーズについて, 日本人批評家が捉えた特性を明らかにすることを目的とした。その結果は以下の通りである。
    1.公演批評文24件を分析した結果, 日本人批評家が捉えた《ライト》の特性は次の6つにまとめられた。
    (1) 日常的な動きが使われている。
    (2) 遊びや童謡, 祭りや農作業など, 記憶の中にある日本の原風景が作品の中に取り込まれている。
    (3) 観る者の解釈を限定せず多様なイメージを喚起させる。
    (4) 重荷や労働, 絶望や死といった困難が訪れる人生を自然との関わりの中でさりげなく描いている。
    (5) ダンサーの肉体は, 具体的, 受苦的 (パセティック) である。
    (6) タケイの日本的肉体意識が創作の基盤となっている。
    2.日本人批評家が捉えた《ライト》の特性を, アメリカのそれ (細川2003) と比較した結果, 次のことが明らかになった。
    (1) 日常的な動きが使われていることと, 観る者の解釈を限定せず多様なイメージを喚起させることの2つは, アメリカでも《ライト》の特性と捉えられていた。
    (2) 遊びや童謡, 祭りや農作業といった要素は, 日本の批評家には日本の原風景と捉えられ, アメリカの批評家には「原始的」と捉えられていた。
    (3) 困難に満ちた人生がテーマであると捉えていることは日本とアメリカで同様であるが, 日本の批評家はそうした人生を自然との関わりの中で受け入れる傾向にあるのに対し, アメリカの批評家は訪れる困難と戦い, 立ち向かう人間の意志を《ライト》に見出し, 強い人間性の表出と捉えていた。
    (4) 肉体のあり様に着目する視点は, 日本人批評家 (特に, 市川雅) に特有であった。暴力的な動きとその際の心身の極限的状況に着目したのは日本とアメリカで同様であったが, 日本人批評家 (市川) がそこに肉体の新たな局面が露呈されることを評価したのに対し, アメリカの批評家は原始的情緒など, 精神面での新たな局面があらわれることを評価していた。
    3.日本人批評家は, 《ライト》にポストモダンダンスの特性 (日常的動きなど) と, アメリカの批評家以上に日本的特性 (日本の原風景など) を認めていた。さらに市川は, パセティックな (受苦の) 肉体という舞踏に通じる特性を捉えていたことが明らかになった。
  • 村田 芳子, 松本 昌代
    2004 年 2004 巻 21 号 p. 21-44
    発行日: 2004/11/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究は幼児から高齢者までの幅広い年齢層を対象としたリズムダンス・現代的なリズムのダンスの縦断的な実践を通して, リズムダンス・現代的なリズムのダンスの特性を捉えなおすとともに, 今後の指導に役立つ資料を提示することを目的に行われた。(1) リズムダンス・現代的なリズムのダンスの指導計画案作成と実施 (幼稚園から社会体育まで),(2) 学習後における学習者の変容の把握,(3) リズムダンス・現代的なリズムのダンスの学習に関する縦断的な指導資料の提示である。
    その結果, リズムダンス・現代的なリズムダンスの特性は, 「リズムにのって踊る楽しさと」と「リズムを共有して他者と交流して踊る楽しさ」に集約され, リズムダンス・現代的なリズムのダンスの学習は, ダンスの始原的な快感情を保障しながら, 生涯にわたってダンスを愛し, 新しいダンスを創出できる力を育んでいく, という方向性が示唆された。
  • 進化する「ムーブメント・アート・インみやざき」
    高橋 るみ子, 有馬 早苗
    2004 年 2004 巻 21 号 p. 45-53
    発行日: 2004/11/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    「ムーブメント・アート・インみやざき」の登るべき次の峰を明らかにすることを目的に, 「M.Artみやざき」の17年間と地域のダンスとの関係を探った結果, 以下のような示唆を得た。
    「M.Artみやざき」の活動-優れたダンス作品を紹介し, 感動を市民と共有する-が, 宮崎県立芸術劇場 (地域の芸術文化活動の拠点) がコンテンポラリーダンスとの関係を築く際の「誘い水」になった。また「M.Artみやざき」が宮崎市の芸術文化振興基金に採択されたことで, 県下の芸術文化団体やマスメディアに, ダンスもまた地域が支援しなければならない芸術文化の一つであることを認知させた。けれど未だ宮崎のダンスの状況は, 東京などの大都市圏のそれから大きく遅れている。そこで今後は, 「M.Artみやざき」とホール, あるいは「M.Artみやざき」と自治体とのコラボレイター的な関係づくり等を試行し, 地域から注目されるイベントに発展させること, それが「M.Artみやざき」の未来であることが分かった。
  • 佐分利 育代
    2004 年 2004 巻 21 号 p. 55-62
    発行日: 2004/11/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本報告は, 2004年1月12日から14日に, ベトナム, ホーチミン市の障害児教育教員養成コースで行った講義と実習についてのものである。
    プログラムは以下のようである
    1日目:「知的障害児にとってのダンス」の体験
    2日目:「真似る」ダンスの指導法
    3日目: ダンス指導実習
    ダンス (うごきの表現) は知的障害児にとって, 自己を発揮する機会である。「真似る」指導法はダンス経験の少ない学生にも, ダンスクラスを指導できる方法であった。子ども達は自己を発揮し, ダンスを楽しんだ。
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