日本女子体育連盟学術研究
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2006 巻 , 23 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • ラベルワークによる参画型授業実践
    高橋 和子
    2006 年 2006 巻 23 号 p. 1-15
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究は「からだ気づき」の典型教材の有効性を検討することを大きな目的にしている。乳幼児から小中高大の教育及び看護のリカレント教育において, 「からだ気づき」教材をもとに組んだプログラムの検証を行った結果, いくつかの典型教材が選定された。今回は, その中でも「自然探索」並びに「卵は立つ?」の教材を取り上げ, 教員養成系と看護系の学生, 及び看護指導者を対象としてラベルワークによる参画型の授業を実践し, 新たな授業方法を提案することを主目的とした。その結果, 「自然探索」では実践前後におけるからだへの意識が変容し, 「卵は立つ?」では「できること」, 「かかわること」への意識や指導者としての視点の高まりが確認できた。このラベルワーク法では, 受講者が主体的に授業に参画する仕組みが加味されるとともに, 認識面での強化が意図される簡便で効率的な指導方法であるなどの知見を得た。
  • 八木 ありさ
    2006 年 2006 巻 23 号 p. 17-33
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本論文では, ソーシャルワーカーに求められる資質を高める教育に資することを目的に, 日本における「社会福祉士養成カリキュラム」(厚生労働省1998年) から社会福祉養成に関する公的方針を明らかにし, その主要科目である「社会福祉援助技術演習」の教科書などから, 社会福祉士養成において求められる対人援助能力の基盤には, 身体性にもとづく人間理解とコミュニケーション技術に支えられた関係形成の技能が不可欠であることを明らかにした。次に, こうした関係形成の技能を効果的に養うための「身体性を重視した社会福祉援助技術演習プログラム」を作成・実施し, その内容および方法の是非について検討した。その結果, 社会福祉援助の道具としての自己及び対象としての他者を, 身体を通じて感じとり働きかける教材を含んだ本プログラムを通して, 受講者が身体に注目することの意味を感じるようになるという学習成果を得た。また, この「身体性を重視した社会福祉援助技術演習プログラム」が, ソーシャルワークの基盤となる自己と他者の理解や, 人間の多様性を受け入れる態度にふれる体験を重ねながら, きめつけずに, 相手を尊重し自分も尊重できるよう, 自己のありようを常に吟味し続ける力を準備する上で役立つことが示唆された。
  • 細川 江利子
    2006 年 2006 巻 23 号 p. 35-50
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究では, ケイ・タケイ (Kei Takei武井慧, 1939-) の代表作の一つとされる《ライト, パート12 (石の畑The Stone Field)》(1976初演) の作品特性を, 作品VTR (1979年日本公演時収録) 分析と批評文19件 (アメリカ9件, 日本10件) から明らかにすることを目的とした。
    その結果, 《ライト, パート12 (石の畑The Stone Field)》では, 石を素材としたことが作品を特徴づけており,(石との関わりから生まれた限定的な動き・場面のみによる作品構成),(2) 石から発する音, タケイの歌, 群のかけ声による聴覚的効果,(3) 石の配置の抽象的美しさによる視覚的効果,(4) 黒い縦ラインの入った白い綿製衣装とタケイの顔に描かれた黒く大きなバツ印, 以上4点が, その他の《ライト》シリーズにはない特徴として抽出されるなどの結果を得た。また日米の批評家は共通して, 石の素材を生かした作舞と作品の簡素さを評価し, さらに日本の批評家は日本的要素を見出し, アメリカの批評家は《ライト》シリーズに共通の原始的特性や, 果てしない仕事に従事する人間達の姿をイメージしているなど, 日米批評家の相違点が明らかになった。
  • LABAN「Movement Play」コースでの観察調査を手がかりにして
    高野 牧子
    2006 年 2006 巻 23 号 p. 51-62
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    ラバンで行われている幼児と保護者を対象とした「Movement Play」の教室を5カ月にわたり参与観察し, 指導内容の特徴から指導構造を検討した。その結果, 「Movement Play」の指導構造は, 「音・リズム」「動き」「表現」の3つの構成要素から成り, 子どもたちのリズム感や音に対する感受性を養い, 多様な運動技能の習得を導き, 身体表現の基礎となるラバン理論を元にした動きの4要素を楽しく体験させていた。つまり, 「Movement Play」での活動は, 親子が自由に表現し, 遊びを創出する創造性豊かな雰囲気の中, 3つの構成要素が相互に融合しながら回を重ね, バランスよく, 総合的に子どもたちの身体表現の発達を促していると結論づけられる。
  • 湘北短期大学 [体育実技/理論] を事例として
    相馬 秀美
    2006 年 2006 巻 23 号 p. 63-74
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究では, コンタクト・インプロヴィゼーションを教材として導入した大学生対象の体育実技授業に関して (1) 身体スキル (2) コミュニケーション・スキルの2点から検討した。
    その結果, 対象とした授業における授業記録及び受講学生へのアンケート調査から, 教材としてのC.I.には, 「重量・重力に対する理解」, 「弾み」, 「空間感覚」等の身体スキルの獲得, 他者との生身のふれあいから育まれる「呼吸をあわせる」等の身体運動を介したコミュニケーション・スキル, 及び「信頼する」, 「対話できることへの気づき, 喜び」等の自他肯定と共存意識を育む意識的なコミュニケーション・スキルの獲得が見込まれるという特性があることが明らかとなった。また, C.I.単元における学習内容として重要と捉えられる自発的即興に関して, 学習者の自発性を促すための指導言語及び環境設定を改善していく必要性が観察された。この点に関して, 本研究においては, 「おどる・つくる」活動と「みる」活動の繰り返し学習によって, 学習者の差恥心を徐々に取り除く指導法が有効であろうということが考察された。
  • 大原美術館における教育普及活動の中での実践
    太田 一枝
    2006 年 2006 巻 23 号 p. 75-85
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本報告は, 岡山県倉敷市にある大原美術館における教育普及活動の一環として2002年より取り組んできた「ダンスワークショップ-野外彫刻と遊ぼう-」の実践についてまとめたものである。この取り組みでは, 参加者の心と体をほぐし, 野外彫刻に触発された即興的な身体表現活動を通して, 全感覚的な彫刻の鑑賞体験を実現させることを目指した。また, その内容については, 毎年, 検討・修正を加えてきた。
    その結果, 参加した子どもたちは, 彫刻に触れ, 登り, 抱きつき, 寝転がり, まわりこむといった彫刻との身体的な関わりを積極的に行い, その行為を楽しむと同時に, 彫刻の持つ様々な表情や力を発見し, それらを手がかりにした個々の自由な身体表現を実現させることができた。更に, この身体活動を通して, 子どもは自己と美術作品との関係を深め, 視覚だけによる鑑賞とは質の異なる経験になったと考えられる。このことから, 本実践は, 学校教育以外の場において, 子どもの豊かな体と心を育む教育への大きな可能性を示唆しており, 美術館の教育事業の中に身体表現活動による鑑賞という一石を投じるものであると考える。
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