日本女子体育連盟学術研究
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28 巻
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実践研究
  • ─新聞紙を使った指導を中心に─
    中島 由梨, 村田 芳子
    2012 年 28 巻 p. 1-16
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/19
    ジャーナル フリー
    本研究はダンス学習における「ものを使った表現」に着目し,過去の実践事例を収集し,その特徴的な傾向を分析すると共に,特に新聞紙を使った表現の指導実践を対象に,受講者への質問紙調査,指導者の言語の逐語記録,指導者へのインタビュー調査を通して,「ものを使った表現」の特性と意義について明らかにすることを目的とした。
    その結果,事例調査からは過去20年間における「ものを使った表現」の実践事例が303件抽出でき,そのうち新聞紙(205件),布(60件),ゴム(34件)の順で多く使われており,指導者は「ものを使うことによる動きの広がり」を最も大きなねらいとしていた。新聞紙を使った表現の指導実践では,「指導者が動かす新聞紙になって動く」「学習者2人組で新聞紙を扱う・新聞紙になって動く」「新聞紙を使って即興的に踊る」という3つの学習の段階が含まれ,初めは指導者のリードがありながらも常に他者と関わる学習形態がとられているのが特徴的であった。受講者の主な受け止めは,「やりやすさ」「動きの広がり」「仲間との関わり」の3点が挙げられ,対象とした指導者の教材化の視点は,「多様な動きの体験」「想像力とデフォルメ」「ダンスで教えたい動きの理解」「空間認識」「演出的な魅せ方」の5点にまとめられた。以上の結果から,「ものを使った表現」は,「もの」固有の特性を生かしながら,指導者が意図した教材化の視点や学習形態などの指導性が加わることにより,学習者に表現性と学びの深まりを与えることが示唆され,その特性と意義は,「『もの』の質感を身体と一体化することによる多様な動きの開発」「具体物の存在による心理的・身体的なやり易さ」「他者と触発・連鎖し合う発想の広がり」であることが示唆された。
  • ─創作体験とグループ活動の意味─
    原田 純子
    2012 年 28 巻 p. 17-29
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/19
    ジャーナル フリー
    本研究では,ダンス・ワークショップという集中的体験学習におけるグループによるダンス創作に着目し,そこに参加した生徒達の“学び”について考察した。方法はダンス・ワークショップに参加した生徒6名に対して半構造化インタビューを実施し,そのナラティブの内容を分析した。その結果,生徒達はグループでの創作活動によって,以下のような“学び”を得ていることが確認された。
    1)自己と他者の「個性」を認識し尊重しあう
    2)技術の優劣ではなく,「表現者」たりうる自分に気づく
    3)各人が臆することなく個性を発揮し,自信を持って踊る
    4)“現在(今)の自分”を受け容れる
    5)他者を通して自分の感情や態度と向き合う
事例報告
  • 大熊 玲子
    2012 年 28 巻 p. 31-44
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/19
    ジャーナル フリー
    本稿は,ピラーティスベースのボディコンディショニングの授業において,学生の「気づき」を深めることのできる授業方法を検討することを目的にしている。その取り組みの1つとして,ワークシートを使用した「振り返り」の時間を設けた。また,授業を通して,学生の心と身体にどのような意識をもたらすことができたのかをみていくために,アンケートを実施した。ワークシートとアンケートを分析した結果,ワークシートにおいては,学生によって知覚,認知された「気づき」として6つの特徴ある「気づき」のタイプを整理することができた。ワークシートが,学生の「気づき」を深める上での一助となっていることが窺えた。アンケートにおいては,心や身体の緊張緩和を感じている学生が多くみられた。また,心身の状態を把握し,自らコントロールしていくことの重要性を認識することができた学生が,全体の約7割いることが分かった。大学の授業においても,リラクセーションの普及を今後の課題として挙げられているが,この授業実践に基づく研究成果は,今後の授業方法を模索する上での1つの示唆となった。
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