日本女子体育連盟学術研究
Online ISSN : 2185-3401
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31 巻
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著論文
  • 梅澤 秋久
    2015 年 31 巻 p. 1-17
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/14
    ジャーナル フリー
    本研究ではポストモダン社会での学校体育における教育学的ケアリングの地平を明らかにすることを目的としている。
    近年,ケアを希求する子どもが増加の一途であるが,現在進行している学校改革はディシプリン準拠型のカリキュラムであり,むしろケアの視点を削いでいる。それは,産業社会時代の 「発達としての教育」 の再燃だといえるが,ポストモダン社会では 「生成としての教育」 を実践する学校が求められているのである。
    ケアの先駆者であるノディングズとメイヤロフのケア/ケアリングを再検討した結果,多様な他者と 「差異中の同一性」 によるかかわりあいが希求されており,その関係こそが教育学的ケアリングであることが明らかとなった。それらの考察をもとに,ポストモダン社会における体育については次のような考察がなされた。
    「いま-ここ」 に生成されるスポーツ/運動世界に没頭し,意味生成を誘発する授業デザインが必要となる。 そのような 「生成としての教育」 に依拠する学校体育と教育学的ケアリングは関連が高いと考えられる。
    すべての子どもがスポーツ/運動世界に没頭できるようにするためには,モノ自体にケアのメッセージを込めることが肝要である。加えて,他者である教師やクラスメイトによる心を砕いた専心的なケアをすることが重要となる。また,他者の 「憧れに憧れること」 もまたケアリングにおいて重要である。学校体育における教育学的ケアリングの地平は,自己と他者とスポーツ/運動世界との三位一体のやわらかな関係構築のプロセスそのものである。
  • 伊藤 美智子, 白井 麻子
    2015 年 31 巻 p. 19-33
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/14
    ジャーナル フリー
    本研究は,体育系大学生265名に知的障害者(ダウン症者6名,自閉症者1名,知的障害を伴う肢体不自由者1名)とその母親,弟妹をメンバーとするダンスグループの公演を客席で鑑賞させて,どのようなことを享受したのかを3種類のアンケートを実施して明らかにした。その結果,下記のような事が明らかになった。①作品の特徴を的確に捉えていた。②律動性に溢れた公演であったという印象を強くもっていた。女子の方が高い評価をする傾向があった。③自由記述による感想は,『感情』 『ダンス・作品』 『経験』 の3つの上位カテゴリーにまとめられ,その下位カテゴリーとして 『感情』 〈楽しい〉〈ヒーリング〉〈陶酔感〉,『ダンス・作品』〈表現性〉〈一体感〉,『経験』〈新奇性〉〈勉強になった〉〈今後に活かす〉にまとめられた。対象者が享受したものは,①ダンスそのものの学習,②ダンスを通じた特別な教育的支援を必要とする生徒への支援者・指導者としての学習,③社会における障害者の活動に関する理解についての学習に大別できた。また,ダンス教育における鑑賞学習の教育的意義について示唆を得ることができた。
実践研究
  • 一戸 秀子, 笹本 重子
    2015 年 31 巻 p. 35-46
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/14
    ジャーナル フリー
    本研究ではリズム体操を指導する際の手がかりとなるフィードバックがリズム体操の動きの成功率に与える効果について,言語的フィードバックを受ける群と視覚的フィードバックを受ける群に大別し比較検討した。 その結果,フィードバックはリズム体操の完成に有意に影響していることが確認できた。しかし,言語的フィードバックと視覚的フィードバックのどちらが優位かについてはその差が認められないことが示された。フィードバック効果のある動きは,手本を見なければ出来ない動きであることが確認された。言語的フィードバックは動きのイメージがつくりやすくなることが推察され,視覚的フィードバックでは「気付き」のチャンスがふえ,そこから意識することへ新しい課題が設定されていくことが推察された。以上のことから,言語的および視覚的フィードバックの効果が明らかになった。
  • 江藤 真生子
    2015 年 31 巻 p. 47-57
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/14
    ジャーナル フリー
    本研究では,体育授業において教師がどのように言葉かけを行っているのかを事例的に明らかにした。小学4年生を対象とした体育の表現運動とゲームの授業を事例として,授業の展開部分の教師の言葉かけについて検討した。
    分析の際には,体育授業における教師行動に関する先行研究(高橋,1991;高橋・歌川・吉野ら,1996;長谷川,2004)を参考に,教師の言葉かけをさらに内容や対象ごとにカテゴリを設けて分類を行った。その結果,以下のことが明らかとなった。1)教師は分析的な発問や児童とのやり取りにより学習課題の焦点化や意識づけを行っていた。また,運動指導の際,技能に対する肯定的フィードバックを多く用いていた。2)教師からの具体的な技能(動き方)に関する指示やフィードバックができるやわかるといった児童の授業のとらえ方に影響することが示唆された。
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