日本女子体育連盟学術研究
Online ISSN : 2185-3401
Print ISSN : 1882-0980
32 巻
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原著論文
  • 髙橋 和子, 山本 光
    2016 年 32 巻 p. 1-16
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/05/31
    ジャーナル フリー
    レジリエンスは,困難な出来事を経験しても個人を健康へと導く心身の特性である。本研究は,大学生360名と教員200名にダンスを実施し,ダンスがレジリエンスを高める効果があるかを検討することを目的とした。心身の健康の指標は,レジリエンス尺度(精神的健康尺度・精神的回復力尺度)を用い,その解析を行うと共に,質的研究として,ダンス教材「新聞紙」の即興的な表現における自由記述分析を行った。その結果,次のことが明らかになった。①ダンス実習を通して「運動好き」「ダンス好き」「精神的健康」「精神的回復力」が肯定的に変容した。②「精神的健康尺度」は [憂鬱][集中力欠如][怒り][身体的症状]の4因子構造であり,「精神的回復力尺度」は[挑戦的][情緒不安定][感情コントロール]の3因子構造であり,各因子間に相関があった。③「精神的健康尺度」と「精神的回復力尺度」の各々の因子間においても,6つの因子間に相関が認められた。④大学生がダンス教材「新聞紙」で獲得した概念は,レジリエンスを高める要素と類似していた。以上のことから,レジリエンスを高めるダンスの効果が明らかになった。
実践研究
  • 安江 美保
    2016 年 32 巻 p. 17-33
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/05/31
    ジャーナル フリー
    本研究は,小学校の表現運動の実践における1人の優れた指導者の成長の転機に着目し,未熟練者だった時期からどのように指導者としての資質を向上させていったのかを,対象者本人や関係者へのインタビューと対象者が作成に関わった指導資料の分析を通して明らかにし,ダンス指導者の資質の向上に向けた指針を得ることを目的とした。その結果,表現運動の指導者に求められる資質を,以下の「指導の基本的な考え方」「子ども観」「実践の仕方」の3 点からまとめた。
    《指導の基本的な考え方》〇 子どもがどんな動きを面白がって表現するかという「子どもと表現のより良い関係」を常にとらえる。 〇子どもの表現を単なるもの真似で終わらせないよう,取り上げた題材の動きの特徴を,指導者自身が身体の動きで具体的に捉え,自身の動きを交えながら指導する。〇同じ動きが続かずいろいろな動きが出てくるように(多様化),動きに差がつくように(極限化),言葉がけによって子どもの動きを面白い方へ向かわせる。
    《子ども観》 〇子どもは表現がいいものだと実感したときに,自ら変わっていく存在である。 〇子どもが教えた動きしかできないのではいけない。子どもが自ら動き出すことを大切にする。
    《実践の仕方》〇「子どもが満足する授業」にこだわって仲間と学び続け,表現の本質を捉えようとする眼を鍛える。 〇新しい指導法や学習スタイルに出会ったときに,自分の実践にその指導法の良いところを柔軟に取り入れる。
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