日本女子体育連盟学術研究
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33 巻
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原著論文
  • ─「自己価値」 と 「『良いダンス』 のイメージ」 の変化に着眼して─
    安達 詩穂, 八木 ありさ
    2017 年 33 巻 p. 1-17
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/18
    ジャーナル フリー

    コンテンポラリー・ダンスのアーティストによるワークショップに参加した児童を対象に,その体験前後で 「自己価値」 感と 「『良いダンス』 のイメージ」 の変化を比較した。
    42名の児童を4グループに分け,それぞれ異なる4名のアーティストによってワークショップを実施し,体験前後で児童への質問紙調査を行った。
    2要因の分散分析の結果,4グループ全てにおいて,「自己価値」 と 「『良いダンス』 のイメージ」 がワークショップへの参加後にポジティブに変化することが示された。
    また,4グループ間の比較を行った結果,統計的有意差はないが,ワークショップの内容によって児童に与える影響が異なる傾向が認められた。この結果と 「即興性」 との関係を検討したところ,「模倣」 のワークが 「羞恥心の払拭」 の経験を促し,「自己価値」 の高まりと 「『良いダンス』 のイメージ」 の拡大に関係している可能性があること,「振付」 のワークより 「自由即興」 のワークが多いことが 「自己価値」 の高まりを促進する可能性があることが示唆された。

  • ~肥満者および一般の非肥満者との比較から~
    飯田 路佳, 江藤 幹, 大須賀 洋祐, 辻本 健彦, 清野 諭, 大久保 善郎, 大山卞 圭悟, 田中 喜代次
    2017 年 33 巻 p. 19-27
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/18
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,体力測定や生理・生化学的指標から得られる 「活力年齢」 に着目し,中高年女性におけるリズム系運動がどのような健康増進効果をもたらすかについて,①BMIが25kg/m2以上の対象者(以下肥満群),②BMIが25kg/m2未満で明らかな疾患がない対象者(以下一般群),③リズム系運動習慣者(以下ダンサー群)の3群間において,活力年齢およびその構成要素を比較することにより,リズム系運動習慣者の健康体力水準の違いを明らかにすることとした。活力年齡は包括的健康度の指標として,健康と体力に関連する多項目(全身持久性体力,敏捷性,バランス,血圧,血中脂質,腹囲,肺機能など)から推定される。対象は,肥満群(平均年齢62.0±3.9歳)24名,一般群(平均年齢62.4±4.8歳)28名,およびダンサー群(平均年齢63.8±5.3歳)21名であった。ダンサー群の活力年齢(54.5±7.4歳)は,肥満群(67.6±4.6歳)および一般群(62.6±8.1歳)よりも有意に良好な値を示した(P<0.05)。このことから,長年にわたり日常的に,ダンスに代表されるリズム系運動を中心とした身体活動を継続していくことの有益性が認められた。

実践研究
  • ―定時制課程の女子生徒に着目して―
    林 園子
    2017 年 33 巻 p. 29-42
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/18
    ジャーナル フリー

    本研究では,『「生きる力」 を養う』 に着目し,多様な状況にある定時制課程に在籍する女子生徒に焦点を当て,彼女らに必要とする 「生きる力」 を養うための体育授業の要素をみつけるとともに,あり方について検討した。
    その結果,体育授業において,「体育授業の好き嫌い」 という意識は,「仲間との関わりの重要性」 が大きく関与することが認められた。
    「生きる力」 を養う体育授業の妥当性を検討するために,「体育授業の好き嫌い」 のそれぞれの意識について因子分析を行った結果,各意識に特徴的な「生きる力」を養うための体育授業の具体的な要素が浮かび上がった。
    さらに,「体育授業の好き嫌い」意識に応じた「生きる力」 を養う体育授業の要素と運動・スポーツ欲求の因果関係より,「体育授業好き」 は,今までに習得してきた技能,学び得た知識や規範などを実際の練習や試合時にどう活用させるのか自分で考えて行動することできる授業,「体育授業嫌い」 は,合意形成を図ることや,問題解決を生徒たちで行うことのできる授業が,「仲間との関わり」 を深めることに大きく働きかけをすることが示された。

  • 江藤 真生子
    2017 年 33 巻 p. 43-53
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/18
    ジャーナル フリー

    中学校の創作ダンス授業において生徒は授業をどのようにとらえているか,生徒の授業後の記述について分析した。
    生徒が身近な題材で易しい課題に取り組むねらい1では,恥ずかしさを忘れ楽しく踊れた学習であったことが示された。即興的に表現を行う授業では,仲間とイメージやストーリーについて意見を出し合って考えたりすることや仲間や他のグループの動きへの気づきに関することが示された。作品創作を行うねらい2では,生徒はグループ内で意見を出し協力する態度を学んでいたことが示された。発表・鑑賞会では,表現することや創作ダンスへの認識を深める学習であったことが示された。

  • ─教員養成系G大学での授業実践を通して─
    田島 正浩, 細川 江利子
    2017 年 33 巻 p. 55-73
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/18
    ジャーナル フリー

    本研究では,教員養成系G大学におけるダンス実技授業において,履修学生を対象としてサンバの授業を2回(「はじめの段階」 と 「やや進んだ段階」) 実践し,質問紙調査により授業後の学生の意識や学習達成感の変容を考察することによって,立案したサンバの授業の有効性について検証することを目的とした。
    実施した2回の授業は,各回とも,指導者によるサンバの授業実践,指導案を参照しながら指導内容の振り返り,指導実習(学生が教師役となった展開部の模擬指導など)の3つの内容で構成した。また,各回のサンバの授業の内容と指導については,①基本である 「リズムに乗って友達と関わりながら自由に踊る力」 を身につけることを主軸とし,②サンバのリズムの特徴を感じ取れるような言葉がけや指導法を工夫し,③教師リードと学習者リードという双方向の活動を重層的に組み込んで授業を構成し,途切れのないスムーズな学習の流れを重視して授業を展開するよう工夫した。
    その結果,授業後の質問紙調査の結果は以下の通りであった。 ①「サンバのリズムで自由に踊ることができそうだと思うか・難しいと思うか」 という質問に,授業前はほぼ半数の学生が 「難しい」,3割強の学生が 「どちらともいえない」 と回答したのに対し,第2回授業後は9割強の学生が 「踊ることができる」 と回答し有意に肯定的な変化が認められた。また,②「サンバのリズムで踊る楽しさ」,③「サンバのリズムの特徴の理解」,④「サンバの授業の組み立て方や展開方法の理解」 については,第1回授業後と第2回授業後では有意な傾向(②)ないし有意に(③④)肯定的な変化が認められ,第2回授業後には全員が「楽しかった」「理解できた」 と回答した。
    以上より,本研究で実践した教員養成系大学の学生を対象とした授業構成,サンバの授業内容と展開,サンバのリズムの指導法については,対象とした学生たちのサンバのリズムダンスの学習において有効であったと推察された。

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