日本精神保健看護学会誌
Online ISSN : 2432-101X
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ISSN-L : 0918-0621
26 巻 , 1 号
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研究報告
  • 小西 利奈
    2017 年 26 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2017/06/30
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    本研究は,精神看護学実習において看護学生の援助行動に結びつく共感を育成する指導の実態を明らかにすることを目的とし,看護系大学の教員10名を対象に半構造化面接を行った.グラウンデット・セオリー・アプローチを用いて分析を行った結果,コアカテゴリーとして【学生が脅かされない安全・安心感の提供】,カテゴリーとして【学生の気持ちに寄り添い患者学生双方の状況整理を手伝う】【統合失調症の症状が生活に及ぼす影響に重点を置いた指導】【学生の能力を見極め到達目標を下げる】が抽出された.

    【学生が脅かされない安全・安心感の提供】は,学生の自己の安全空間を支えることであり,自己の空間を広くとることで,恐怖心がありながらも自我の自律的機能でその恐怖を乗り越え,患者に目を向ける余裕ができることを目的として行われていたと考えられた.

  • 川内 健三, 板山 稔, 風間 眞理
    2017 年 26 巻 1 号 p. 10-19
    発行日: 2017/06/30
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    研究目的は,地域で精神障害者を支援している訪問看護師が支援上の困難をどのように乗り越えたのかという体験を明らかにすることである.訪問看護ステーションで精神障害者の支援をしている看護師11名に対し,半構造化面接から,質的帰納的分析を行った.

    結果,訪問看護師は,【言葉で伝える】,【多面的な視点で利用者を把握する】,【利用者と適度な距離を保つ】,【スタッフと協働する】,【スタッフ以外の関係者と協力する】,【専門家の指導を求める】,【自分のために頑張る】ことで支援上の困難を乗り越えた体験をしていた.

    精神障害者を支援する訪問看護師が困難を乗り越えるためには,一人の訪問看護師や一つの訪問看護ステーションだけで困難を抱え込まないようにする必要がある.そのためには,精神障害者の支援に必要な知識や技術を習得出来る機会をつくることや,協力者の支援を得やすい環境を作ることが必要であると考えられた.

  • 西田 大介, 甘佐 京子, 牧野 耕次, 小沢 加奈
    2017 年 26 巻 1 号 p. 20-30
    発行日: 2017/06/30
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    本研究は,再企図率が高い自殺未遂後1年以上再企図せずに経過した気分障害患者に,影響を与えた要因について明らかにすることを目的として,10名の参加者に1対1の半構成的面接を実施し,質的帰納的に分析した.

    その結果,18のカテゴリー,4の大カテゴリー〈自殺未遂直後の支援〉〈新たな生活習慣の獲得〉〈新たな社会とのつながり〉〈再企図を思いとどまる気持ち〉が抽出された.

    参加者は,自殺未遂直後から【専門職の支援】を受けながら【安心できる居場所】【趣味や役割の存在】を獲得し【負担感のない生活】ができていた.【周りの人への感謝の思い】や【迷惑をかけたくない思い】から,消え去ることの無い希死念慮を抱えながらも,周囲には隠し【今を生きていこうという思い】とともに〈新たな社会とのつながり〉を形成していた.死にたい気持ちを受け止め,生活に視点をおいた継続的な支援の必要性が示唆された.

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