合理的なサイズ設定・型紙設計を進める上で,人体形態を類型的に把握することが必要不可欠である.その類型化を行うために選択された項目群について,含まれる情報ならびに成長に伴う情報内容の変化を明らかにすることを目的として,性別年齢別に主成分分析を行った.
資料は,1966~67年に計測された7歳から20歳までの男女,各年齢約800例,男子合計11,542例,女子合計11,742例の調査原票である.予備的研究結果からこの資料には肥満児の原票を含めていない.解析項目は身体測定値15項目とし,相関行列より計算を進め,バリマックス回転を行い検討した.主な結果は以下のようである.
(1) 15項目は男女ともに2~3の総合特性値に要約される.その結果,第3主成分までとりあげると全情報の65~80%が表現される.
(2) 回転後の主成分の表わす意味が成長段階によって異なる.男子では主成分のとりあげる数によっては14・15歳,女子ではどの場合でも12・13歳を境に前後で意味が変化する.
(3) 回転した結果,総合特性値として,身体の高さ・長さを表わす主成分,頭囲以外の身体の周径の大きさを表わす主成分,身体の肥痩度を表わす主成分,肩部の大きさを表わす主成分が抽出された.全年齢の男子および低い年齢の女子では前の3者のみが抽出される.又高い年齢の女子では2番目と3番目の主成分は常に1つの成分として抽出される.
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