応用統計学
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17 巻, 2 号
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  • 宮川 雅巳
    1988 年 17 巻 2 号 p. 69-79
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    推定量の偏り,分散,さらに一般的な誤差の尺度をノンパラメトリックに推定するために,ジャックナイフ法,ブートストラップ法など様々なリサンプリング方式が提案されている,本稿では,ジャックナイフ法に関連した直交配列表を用いたリサンプリング方式とその影響分析への応用について提案する.このリサンプリング方式の基になるのは,Hartigan(1969)のTypical Value Theoremであり,本方式で得られるリサンプルはtypical setを形成し,かつ釣合型となる.また,本方式による影響分析では,個々の観測値が注目する統計量に与える影響を,分散分析の加法モデルにより主効果と交互作用としてとらえる点に特徴がある.2つの数値例を通じてその実用性を検証する.
  • 疾病地図への適用
    丹後 俊郎
    1988 年 17 巻 2 号 p. 81-96
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    衛生統計学,疫学などの公衆衛生の分野では,地域の死亡状況を表す比較可能な指標として,年齢分布の違いを調整した,年齢調整死亡率,標準化死亡比などが良く利用されている.また,疾病地図と称して,地域別の死亡状況の大小をこれらの指標を利用して,数区分に色分けして視覚的に表示することが良く行われる.しかし,これらの指標は,人口の地域変動に基づく標本誤差の影響を強く受け,人口の小さい地域の指標のバラツキが大きく,わずかな死亡数の変化が見かけ上の指標を大きく変化させるという問題がある.とくに,年齢調整死亡率では,この影響を受けて,時には,異常な高値を示す欠点も指摘されている.この小論では,この問題の一つの解決策として,経験的ベイズ推定量を導入し,その妥当性を具体例で議論する.
  • 松田 眞一
    1988 年 17 巻 2 号 p. 97-104
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
  • 上田 徹
    1988 年 17 巻 2 号 p. 105-117
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
  • 潜伏期間を考慮したモデルの検討
    橋本 修二, 福富 和夫, 森尾 眞介
    1988 年 17 巻 2 号 p. 119-127
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    わが国の血液製剤によるHIV感染数およびAIDS発病数を推計するために,1987年6月までの観察された発病数について潜伏期間を考慮したモデルを適用した.このモデルは潜伏期間にワイブル分布,感染時期の分布の確率密度関数に階段関数を仮定した上で,ワイブル分布の中央値と型パラメータを与え,観察された発病数から感染数を推定し,観測時点以降の発病数を推計するものである.潜伏期間を考慮するのは,AIDSのそれが極めて長いためであり,発病数から感染数を推定するのは,感染の情報の入手が極めて困難であるためである.発病数の推計値およびその精度に対する潜伏期間の分布の中央値と型パラメータ,感染時期の分布の確率密度関数とした階段関数の区間の設定の影響を検討した結果,総発病数の推計値は潜伏期間の中央値の影響が大きく,中央値5年と仮定した場合では130人,7年では232人と中央値の上昇とともに急激に増大した.期間別発病数の推計値は中央値とともに型パラメータの影響が大きかった.総発病数の推計値の精度は型パラメータとともに区間の設定の影響が大きかった.従って,AIDS発病数の確度の高い推計を行なうためには,潜伏期間に関する正確な情報が必要であるが,その精度には感染時期の分布の影響も大きいことが示唆された.
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